BREXITの経緯と課題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
BREXITにおける国民投票は最悪の政治判断だった
BREXITの経緯と課題(8)今後の展望とBREXITの意味
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
BREXITをどのように考えればいいのか。島田晴雄氏は「国民投票は最悪の政治判断だった」と話すが、その底流には世界で今起きている大きな構造変化があるという。シリーズ最終話は、合意なき離脱後の経済的打撃とともにBREXITの意味について論じる。(全8話中第8話)
時間:9分48秒
収録日:2018年12月4日
追加日:2019年3月23日
カテゴリー:
≪全文≫

●国民投票は最悪の政治判断だった


 これまで事実をずっと見てきましたが、最後に若干の時間を頂いて、このBREXITをどう見たらいいか、皆さんと一緒に取りまとめしてみたいと思います。

 1つは、国民投票という選択をしたことです。これは、私からいえば、世界史に記憶される最悪の政治判断だと思います。シリーズ内でこれまで詳しく言いましたが、デーヴィッド・キャメロン首相がいろいろなことをおもんぱかってこのようなことになったわけです。選挙結果を分析すると、完全に国民は分断されています。ただ、イギリスは議会制民主主義なので、国家の正式な決定は議会にあり、これは参考意見にすぎないということですが、テリーザ・メイ氏は2016年10月に保守党大会で大演説を打って、「この国民投票の結果を政治的に尊重すべきだ」といって採択しました。ですから、その意思がその後の全ての混乱の元になっています。

 メイ氏は大真面目ですが、混乱の元になっています。BREXITはどういう意味なのか、EU当局とのやりとりを通じてようやく分かってきたのです。だから、やり直してしまえばいいではないかとの議論がだいぶ出てきたのですが、しかし、やっぱり政治の信義として、国民投票の重さは否定できないというのが現状だと思います。


●グローバル化という構造変化に取り残された人々の不満


 次に、BREXITと共通する底流は、世界で今起きている大きな構造変化ということです。6月のBREXITの選択は、その後の世界の多くの地殻変動の先駆けになったといえます。例えば、同年の2016年11月にドナルド・トランプ氏が大統領に当選しました。彼はナショナリズムと排外主義を強弁してはばからない、異様な大統領です。戦後70年の歴史になかったような人です。その後も欧州各地でそうした政治家や政治潮流がどんどん台頭しています。その根底には、情報化が進んでグローバル化が進んで、世界規模での競争の激化に取り残された人々の不満と怒りの鬱積があります。

 トランプ氏の登場は彼個人の問題ではありません。あれは、トランプ現象なのです。そういう、現在の経済社会構造の地殻変動の先駆けに、BREXITがなったということではないでしょうか。

 EUは、もともと二度の大戦の戦場になって、莫大な犠牲を払った欧州の先覚者たちが、二度とこのような過ちを繰り返さないために、狭隘な国益を超えて、近代を超えるポス...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
新撰組と幕末日本の「真実」(2)土方歳三像の真相と江戸の生活事情
土方歳三のイメージはどこまで本当?驚くべき「江戸の常識」
堀口茉純
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
印象派の解体と最後の印象派展(1)セザンヌと印象派
印象派の画家に大きな影響を与えたセザンヌの構築的筆触
安井裕雄
印象派の誕生~8人の主要な芸術家
マネ、モネ、ルノワール…芸術家8人の関係と印象派の誕生
安井裕雄
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(4)ベントの死闘とプロの責任感
「これからベントをやる。メンバーを決める!」…決死の現場
門田隆将
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
印象派とは~画家たちの関係性から技法まで(1)印象派への誤解
風景画家だけの集まり…?誤解された印象派の本当の姿
安井裕雄
ドンロー・ドクトリンの台頭(3)脱地政学論と日本への影響
ドンロー・ドクトリンの正体は脱地政学論…日本の進む道は
東秀敏