安倍総理のイラン訪問を読む
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
安倍総理のイラン訪問は、何ゆえにこのタイミングだったか
安倍総理のイラン訪問を読む(3)各国の「事情と思惑」
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
外交は、もちろん関係各方面の「事情」と「思惑」の積み重ねによって動いていく。では、2019年のイラン危機には、どのような思惑が絡んでいたのか。アメリカとイランはもちろん、イスラエル、サウジアラビア、ロシア、中国、トルコ、インド、EUなど、各国が抱える事情と思惑を明らかにする。(全3話中第3話)
時間:9分56秒
収録日:2019年6月10日
追加日:2019年7月15日
カテゴリー:
≪全文≫

●「文明間対話」は非常に巧妙な戦術だった


 皆さん、この間、イランを中心とする中東情勢、あるいはアメリカ・イラン関係についてお話してきましたが、その間において目立つ、二つの事件がありました。

 一つは、イランによる、UAE(アラブ首長国連邦)の沖におけるタンカー攻撃です。もう一つは、サウジアラビアのパイプラインに対するドローンによる攻撃でしたが、これも、イランに直接・間接につながりのある組織によってなされたと語られております。

 これは、いってしまえば、ハーメネイ最高指導者の忍耐の限界を超えつつあるということでありまして、トランプがイランの石油輸出をゼロにするということに対する、ある種、イラン側からの反撃ということなのです。

 そういう意味で、アメリカの出方を見ているという、危険な実験が行なわれているわけで、大規模攻撃ではないけれども、イランによる神経戦や、陰湿な、ある意味でのジャブが行なわれているということです。

 トランプと金正恩の会談が2回行なわれたように、トランプ大統領は、必要とあらば、あるいは利益と見るならば、イランとの対話というものも否定しないだろうという見通しが、イラン側にはあるわけです。

 イランから、かつてアメリカに歩み寄ったことがあります。これはあまり、そのように意識されませんでしたが、元大統領ハータミーによる「文明間対話」です。

 アメリカとの直接的な対話をイランのほうからいうということは、イランにとっていわば屈辱的なことであり、語ることはできませんでした。ところが、イランのある意味で非常にスマートでカンニング(狡猾=こうかつ)なところは何かというと、アメリカとの対話やアメリカとの交渉を、「普遍的な文明間対話」という名目の下に、普遍的な枠組みと命題に落とし込むことによってアメリカと接近をするという、そういう非常に巧妙な戦術に出たことです。

 アメリカはそれに乗らなかったために、結局、イラン・アメリカ関係は今日に及んでいるということです。

 ですから、イランからするならば、今回は、アメリカのほうからイランに対して、何らかの働きかけをするべきだ、という考えがあるのですね。この強烈な自意識と誇り、これがイランの持ち味であるわけです。


●イランが減産した場合の対処の問題点とは


 基本的にイラン、アメリカ、イスラエル、サウジ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
戦争と平和の国際政治(1)「合理性の罠」とインテリジェンス
国際政治の要諦は戦略とインテリジェンス
小原雅博
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
こどもと学ぶ戦争と平和(3)「小さな外交官」と少年兵の問題
外国が攻めてきたらどうすればいい?戦争と少年兵の問題
小原雅博
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
島田晴雄
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
地政学入門 ヨーロッパ編(10)グリーンランドと北極海
グリーンランドに米国の軍事拠点…北極圏の地政学的意味
小原雅博
編集部ラジオ2025(26)ソニー流!多角化経営と人材論
ソニー流「人材の活かし方」「多角化経営の秘密」を学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
グローバル環境の変化と日本の課題(6)組織改革と課題解決のために
働き方改革の鍵はエンゲージメント、経営者の腕の見せ所
石黒憲彦