最初の日本列島人~3万年前の航海
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
航海実験を通して感じた人間の潜在能力のすごさ
最初の日本列島人~3万年前の航海(3)祖先たちの偉大な能力
海部陽介(東京大学総合研究博物館 教授)
日本にどこからどんな技術で人がたどり着いたのかを探求するため、当時と同じ技術で航海実験を行った海部陽介氏。海は日々変化をするもので、それに対応しながら航海を続けるというのは、当時の技術では困難を極めたはずだが、逆にそれを乗り越えてやってきた祖先たちの潜在能力のすごさを実感したと言う。(全3話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:7分31秒
収録日:2019年8月29日
追加日:2019年10月1日
カテゴリー:
≪全文≫

●航海実験の難しさは海が変化すること


―― それで今回、この(丸木舟という)形で実際に渡れることが分かった、と。

海部 渡れることが分かったんじゃなくて、もう渡っていることは分かっているんです。

―― そうでした。それがどの技術で行ったかということですね。

海部 どういう技術が最低限必要かということと、それがいかに難しいかということを知りたかったんですね。僕ら研究者は地図の上に矢印を書いて終わってしまうことがあるんですけれど、その矢印の持っている意味があるわけです。その矢印というのは簡単な矢印では絶対ないんですね。それを知りたかった。そのための実験だったんです。

―― 今回実際に舟をお作りになるところから始めて、5人の方々がこの丸木舟に乗って行かれたわけですね。先生が当然、事前に想像していた難しさ、それから今回、航海実験をして初めて分かった難しさというのがあると思うんですけれど、具体的にはどういう難しさがありましたか。

海部 やはり海が変化するということですね。

―― 海が変化する、と。

海部 今日行った海と明日行く海は変わるんですね。違うんです。その条件をクリアしないといけない。そういう条件でも対応しないといけないということが多かったと思います。

―― 今回の航海は条件としてはどうだったんですか。波の荒さとか、風とか。

海部 いい条件ではなかった。要するに、楽々と行けるような海ではなかったんですね。でも、そういうときもあると思います。それに対応しないといけないし、それぐらいじゃないと海には出られないと思います。

―― そうですね。ところで、方角を知るのは当然、太陽とか星とか…。

海部 実験航海では、GPSだとかコンパスだとか時計だとか、そういうものは持たずに行っています。昔の人と同じ条件でやろうというのが基本です。

―― 当然、伴走の人たちは…。

海部 見ているだけですね。僕らは情報を教えません。

―― そうすると、先生は、伴走船にいらっしゃったと思うんですけれども、当然随分ハラハラする局面とかもあったでしょう。

海部 そういうこともたくさんありましたね。

―― どの辺りが一番ハラハラされましたか。

海部 途中で逸れそうになった時もありましたので。それから明らかに疲労がたまっている時とかありましたからね。

―― それは、自分で漕いでいるわけで...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政

人気の講義ランキングTOP10
日本の財政の真実を検証する(2)なぜ財政危機は起きていないか
なぜ財政危機は起きていないのか…国債の金利のトリックを読み解く
宮本弘曉
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(7)ベイトソンの学習理論とコンテクスト
ダブルバインドとは?ベイトソンの学習理論から解き明かす
斎藤環
ポスト国連と憲法9条・安保(4)自衛隊と憲法改正の問題
「憲法9条に自衛隊を書き込む」という改憲案は「姑息」
橋爪大三郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊
老子の神髄(2)達人の境地と「無為」
無為とは「絶対なる喜びを得る」こと…その境地こそ長寿への秘訣
田口佳史