国際秩序の変容~危機の予兆
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「トゥキュディデスの罠」で警告した状況が生まれつつある
国際秩序の変容~危機の予兆(3)中国の技術革新とトゥキュディデスの罠
中国の社会体制は、企業が政府や軍と強く結びついているため、新しい技術や情報の相互利用も容易になっている。日本は今後、こうした動きに対抗できるようなインテリジェンス機能と最新技術の活用を進めていく必要がある。(全7話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:14分05秒
収録日:2019年9月3日
追加日:2019年12月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカによっての新しい脅威が民間から出てきた


―― その意味でいうと、アメリカにとって、HUAWEI(ファーウェイ)みたいなものが出てきてもらっては困るわけですよね。

船橋 だから、アメリカもちょっと不意をつかれたんじゃないかと思います。中国の企業といえば、大体みんな技術を盗んでリバースエンジニアリングしているのだろうと高をくくっていたところ、そこから最先端の技術を、しかもその技術を十分にコマーシャライズした形で、ビジネスとしても成り立たせているわけですからね。新しい危惧が出てきてしまったのです。

 しかも重要なのは、国有企業でなくて民間から出てきたことです。民間といっても、実は軍部と裏でつながっているのではないかとか、政府のインテリジェンスとつながっているのではないかとか、疑われてはいます。気が付いてみると、中国も国家情報法をつくりました。中国の企業は、国家が「欲しい」という情報は差し出さなきゃいけないということで、そのようなことまで義務化されています。これは要するに、民間企業といっても純粋民間ではないじゃないかという疑いがかけられるということです。

―― 確かにその通りです。


●中国は軍や政府と民間企業が強く結びついている


船橋 中国は国家と資本の関係や、軍と民の関係を、画然と分けられないじゃないですか。みんなどこかで融合してしまうし、曖昧だし。となると、「純粋」な民間って、今の中国にはないな、と。政府です、党です、軍ですというふうに、企業にも全部入るわけです。これはやはり、みんな不安ですよね。疑いを持ちますよね。

―― それはアリババもテンセントも、みんなそうでしょうね。

船橋:だから、アリババだろうがテンセントだろうが、ひと頃はあれだけ「これはやっぱ中国からも、(大企業が)いよいよ出てきたか」と思ったけれども、気が付いてみるとやっぱり、背後には不気味さや怖さを、みんな感じ始めています。こういうところに来ているんじゃないですか、今。

―― そうでしょうね。ある程度のサイズになると、ハイテク企業も国有企業化してしまうということですよね、実際は。


●中国の技術革新の展開はリベラルでない社会体制の賜物


船橋 だからそうなってくると、特にデータですよね。中国は人口13億人ですけれども、スマホの普及率はものすごく高いし、特にモバイルペイメントが進ん...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ