国際秩序の変容~危機の予兆
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資本主義の成長がなければ、嫉妬の政治になっていく
国際秩序の変容~危機の予兆(7)戦後日本の発展とこれから
戦後日本の発展は、人口ボーナスに加え国際秩序がプラスに働いたことで実現したが、現在は人口減少と経済成長率の低下などの問題が起こっている。また、現代の民主主義は資本主義の成長があってのもので、それがなければ、嫉妬の政治になっていくと船橋洋一氏は言う。日本はこうした状況を深刻に受け止める必要があるだろう。(全7話中第7話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:6分22秒
収録日:2019年9月3日
追加日:2019年12月30日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本はこれまで平和を維持しながら経済を成長させてきた


―― 最後にもう一つだけ。最近、デービッド・アトキンソンが、「日本の中小企業は360万社もあり、多すぎる」と言っています。吸収合併により、数を相当減らしていかない限り、生産性は高まらないし、少子化も止まらないし、一人あたりのGDPが下がってくことも止まらない、という感じの議論をしているのです。これについて、先生はどんな感じのイメージを持っていますか。

船橋 アトキンソンさんの本を読んでいないので、ちょっと申し訳ないんだけれども、まず人口減少は問題でしょう。今までの日本の歴史のなかで、人口は明治以降ここまでずっと増えてきました。約3000万から約1億2000万まで。戦後もまた、そういう形で人口ボーナス期がありました。われわれ日本人は一生懸命働いて、汗かいて、いろいろ学んで、それで戦後ここまで来ました。もちろんそれは大きいけれども、同時に戦争をしないように注意深くやってきました。アメリカの同盟と憲法の合わせ技、組み合わせで、平和を維持してきたのです。


●戦後日本の躍進には国際秩序がプラスに働いていた


船橋 そうして、これだけの経済を持ったわけですが、そこには同時に2つ、とても重要なことがあると思うんです。

 1つは、日本がそういう軌跡をたどることに関して、国際環境や国際秩序は、非常にプラスに働いていた、要するに恵まれていたということを忘れちゃいけないということです。

 どの国も、国が非常に成長し発展するときには、国際システムや国際秩序との相性が非常に良く、それがプラスに働いています。国の成長を後押ししてくれるような国際秩序かどうかということが、ものすごく大きいのです。


●人口減少と構成比の大幅変化は、成長を拒む


船橋 もう1つは人口だと思います。団塊の世代もそうですが、人口ボーナスがあり、人口が増えて消費が増えるという状況が循環したことで、これまで経済が発展してきました。それが現在は全て逆になっています。1995年から生産年齢人口が減少に転じて、2008年には絶対人口が頭打ちになっています。これも今、加速化しているわけでしょう。私どもはシンクタンクとも共同研究をやりましたけれども、2100年までにこのまま何にもしなければ、人口は5000万人になってしまうということです。

 「いや、明治の時代は人口が3000万人だったんだから...

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