独裁の世界史~ギリシア編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ペリクレスのアテネも市民権を厳格に閉鎖していた
独裁の世界史~ギリシア編(7)ペリクレスの時代
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
ペルシア戦争によってアテネはギリシアの覇権を握り、「デロス同盟」の盟主として政治・軍事に加え財力でも突出する。パルテノン神殿はこの頃の建造物として、今もアテネの力を伝えてやまない。そういう段階で、「ペリクレスの市民権法」が制定され、市民身分が閉鎖化していく。(全11話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分53秒
収録日:2019年12月3日
追加日:2020年3月28日
カテゴリー:
≪全文≫

●アテネの覇権掌握と「デロス同盟」


―― 今までのお話では、アテネ(アテナイ)の場合、僭主政は比較的短い期間だったということでした。民衆の支持を背景にしたペイシストラトスが独裁政を敷いたけれども、息子たちの世代で追放されるような形になってしまった。その後、クレイステネスの改革が(民主政の)形式を整える段階で、ペルシア戦争に突入したために実情が形式に伴う状態になってきたということを解説いただきました。

 この後、いよいよペリクレスの時代に入ってくることになろうかと思いますが、ペルシア戦争からここまでの変遷はどのように考えればよろしいのでしょうか。

本村 ここで重要なのは、アテネが実質的な覇権を持ったことです。アテネの歴史をひもとくと、ペイシストラトスの時代に国力を充実させ、クレイステネスの改革があって、ペルシア戦争でペルシアを退けていく。これはアテネだけが戦ったわけではないけれど、ギリシアの中心になったのがアテネでした。

 ですから、当然アテネ人がギリシア世界の覇権を握ったということになります。しかし、周りのスパルタなどはもともと軍国主義国家で、それなりの力を持っていました。だから、アテネが覇権を握るということ自体が、あまり面白くないわけです。

 また、アテネが覇権を握ることになると、軍事力を充実させることも大事だけれど、財政的なものも充実させなければいけない。そこで、「デロス同盟」というものを結成します。

 デロス同盟は、建前としては一旦引き下がった大国ペルシアが盛り返して攻め込んでくるときに備えるためでした。アテネを中心としたギリシアのポリスが、基金をデロス島に集め、いざペルシアが攻め込んできたときには、その財力で対抗する、という趣旨で始まったものです。

 ところが、ある段階で、デロス同盟の盟主(リーダー)であるアテネの間に、「戦争が始まらない間は、金を適当に他のことに使ってもいいだろう」と考える者たちが現れます。彼らにしてみると、金庫がデロス島にあるよりアテネにあったほうが、資金を動かしやすい。そこで紀元前454年、デロス同盟の金庫がアテネに移転されます。


●「ペリクレスの市民権法」で、市民身分を閉鎖化


本村 政治的・軍事的に実質的な覇権を握っていたアテネは、このようにして財力においてもギリシアの中心になっていくわけです。でも、これは他の...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
国際地域研究へのいざない(7)明治維新の評価と人材の蓄積
幕末・維新の歴史から学ぶ「人材の蓄積の重要性」
島田晴雄