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昔の民主主義は全部「神を持っていた」

民主主義の根源とは(1)民主主義は宗教から起こった

概要・テキスト
執行草舟が民主主義の根源に迫る、全6話シリーズ。世界中が民主主義となった現代では、「民主主義を知ること」は人生をよく生きるうえで必要不可欠である。今の日本人は民主主義を「甘え」に使ってしまっているが、本来は「自分たちが主体的に生きるため」に使うべきものなのである。それはなぜかといえば、民主主義はもともと宗教から出てきたものだからである。神を認めつつ、「少し」は神から自由になってもいいという考えから生まれたものが民主主義なのだと理解することが、まず大切なのである。(全6話中第1話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:11:04
収録日:2019/12/25
追加日:2020/03/27
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≪全文≫

●民主主義とは、現代でいい人生を送る鍵


―― 今日は先生に「民主主義とは何か」を伺いたいと思います。これは重要なテーマだと思います。

執行 今の時代は世界中が民主主義ですから。民主主義とは何かがはっきりわかっていないと、民主主義の国家の中で自分の人生を生かせません。自分が民主主義をやるかやらないか、政治家になるかならないかは関係ありませんが、良くも悪くも民主主義の世の中ですから、その中で「いい人生」を送るには、民主主義が何であるか自分なりにつかんでいないと絶対ダメだと思います。その意味でこの民主主義の理論については、みんなに聞いてもらいたいと思います。

 今の民主主義という考え方についてはテレビなどでもやっていますが、もっと重要なのは、民主主義が何から起こったのか、どうして民主主義という政治の考え方が出てきたのかを知識として知っておくことです。

―― たしかに、どこから生まれてきたのかは大切ですね。

執行 もちろん古代から来た流れが、昔に逆戻りはできません。しかし、どういう淵源で生まれたかを知っていると、今の政治家が何を言っても、その政治家の発言と、現代の具合や自分の考え方との相関関係がとれるようになります。

―― それはすごく大事なことですよね。

執行 それが人生ですから。大事なのは民主主義の世の中で、自分自身が良くならなければダメです。ところが今の日本人の生き方は、僕から見ると民主主義を「甘え」に使っています。政治家に餌をばら撒かれ、その餌に食いついて民主主義という社会の中で「政策のとおりに生かされて」しまっているように、僕からは見える。そうではなく民主主義は、本来、自分たちが生きるために、主体となって使わなければならない、という主義なのです。

―― 使わなければならない。

執行 せっかく民主主義の社会に生きているのだから、言葉は悪いですが、民主主義の政治を自分の人生に利用する。そのためには民主主義がどうして起こったのか、何が淵源にあるのか、今の時代と歴史的なものとで何が違うのかを自分の中でわからなければダメです。

―― 私は今日、民主主義のお話をうかがえるのがとても楽しみだったのですが、例えばアテネの民主制を見たときに、ペリクレスは天才ですよね。

執行 ペリクレスはそうです。

―― それから多分、50年間ぐらいだけが機能した。

執行 あの...
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