世界の新型コロナ対応を俯瞰する
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
コロナ禍の中、排他的なムードが世界中で強まっている
世界の新型コロナ対応を俯瞰する(5)デカップリング問題
政治と経済
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、世界中で特にアジア人への差別や排他的な論調が深まっている。そうした中、注意しなければいけないのはデカップリング問題だ。米中によるハイテク覇権争いが繰り広げられているが、今はそんなことをしている場合ではない。そうした動きを乗り越えて、世界の国々が国際協力に取り組んでいかなければならない。(全6話中第5話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:7分43秒
収録日:2020年4月9日
追加日:2020年5月27日
≪全文≫

●世界中で広がっている排他的なムード


―― もう1つお話ししたいことがあります。最近、このコロナの感染拡大が始まってから、30年ぐらい前の本なのですが、橋川文三の『黄禍物語』を読み始めました。こうした事態と同じようなことが、現在のニューヨークやロス、ロンドン等でも起こり始めていて、かなり大変なようです。「中国人と間違えられて殴られた」などという友人からのメールを読んでいると、黄禍論というようなことがもう1回起こるのではないかと思ってしまいます。

小原 そうですね。現にもう起きている部分もあるんじゃないですかね。

―― はい。イタリアでも同様です。デザイナーの友たちがいるのですが、結構ひどい目に遭っているようです。ワシントンやニューヨーク、シリコンバレーにいる人から見れば、中国、日本、台湾、韓国の位置関係はあまり分からないのではないでしょうか。だから一緒くたにまとめて、「黄色い人」というイメージを持っている人が多いかもしれません。そこから、もう1回黄禍論のようなものが出てくるのではないかと。

 これは、今までのグローバリゼーションとは全く違う状況になっていくということで、しかも、「ウォールストリートジャーナル」や「FT」に書いてある話とは違って、実際に各地域に住んでいる人たちのほうが状況は深刻なので、今までと同じように行ったり来たりすることはできにくくなるのではと思いますが、いかがでしょうか。

小原 今、海外で研修している学生からも、メールやLINE、Facebookなどで連絡をくれます。彼らによると、やはり今、言われたような差別ともいえる排他的なムードが、海外で非常に強まっているようです。

 だから、アジアが国際社会の中で「僕はウイルスじゃない」というような反応をせざるを得ないような状況になっていることが、非常に気がかりです。なぜなら、これはいろいろな影響を生み出すからです。


●デカップリングの問題を乗り越えていかなければいけない


小原 その中でも1つ注意しておかなければいけないのは、デカップリングの問題です。そもそも、ご存じのように米中のハイテク戦争が生じています。彼らがハイテク覇権を争っている中で出てきたのが、デカップリングの議論です。

 グローバル化によるホライズン、あるいはフラットな世界が出来上がってきた中で、今回の新型コロナのクライシスによって、トラ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプの動きを止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(1)国際秩序の転換点と既存秩序の崩壊
経済秩序や普遍的価値観を破壊し、軍事力行使も辞さぬ米国
佐橋亮
政治学講座~選挙をどう見るべきか(1)選挙の意味
選挙と政治権力…「選挙に勝つ」とはどういうことか?
曽根泰教
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
なぜ中間団体が重要か…家族も企業も学校も自治会も政党も
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
松尾睦
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(1)各国の財政と国民負担
日本と各国の比較…税負担は低いが社会保障の負担は高い
養田功一郎
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
川口淳一郎
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
「アカデメイア」から考える学びの意義(2)プラトンの学園アカデメイア
プラトン「アカデメイア」の本質は自由な議論と哲学的探究
納富信留
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(4)百年後の日本人のために
百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために
門田隆将
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(3)共同保育を現代社会に取り戻す
狩猟採集生活の知恵を生かせ!共同保育実現に向けた動き
長谷川眞理子