世界の新型コロナ対応を俯瞰する
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メルケル首相がコロナ禍で訴えた「一致団結」のメッセージ
世界の新型コロナ対応を俯瞰する(3)政治のメッセージ
政治と経済
危機のときには、政府のトップがどのようなメッセージを国民に発していくのかが非常に大事である。それは、いくら給付するかというような枝葉末節の話ではない。そこで注目したいのはドイツのメルケル首相がメッセージで訴えたことだ。そうした政治のメッセージが今、日本でも求められている。(全6話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:9分00秒
収録日:2020年4月9日
追加日:2020年5月20日
≪全文≫

●民主主義にもいろいろな問題がある


―― 韓国は大統領制で敵国を抱えています。台湾の状況も近いですね。シンガポールは特殊なエリアで、ある意味では民主主義政治体制ですが、独裁国家ですね。

 このあたりの状況を読み解くのは非常に難しいですね。古代ギリシャの特定の50年間だけを捉えると民主主義も評価されるのですが、その後プラトンやアリストテレスが民主主義を見限りました。実際には、やがて古代ローマでは、その融和体制である元老院による共和政を敷いていた時代が訪れ、ピークを迎えます。とはいえ、あまりに大きくなりすぎたので、皇帝を戴くことになりました。そうした状況も結局は良い統治者がいるときだけでしょうか。

小原 やはり、絶対的な権力は腐敗します。ですから、古代ギリシャのような哲人政治は、まさに権力者がどのような人間であるかにかかわっています。そのため、問題はシステムではなく個人の資質です。個人の資質が本当に神のように素晴らしければ、それはワークします。しかしそうではない場合、悲惨な目に遭うことになります。だから、これをなんとか防ぐために、ウィンストン・チャーチル(イギリスの元首相)が言うような、「ベストでなくとも他に比べれば良いもの」として、人類はこれまで民主主義を続けてきました。しかし、民主主義にもいろいろな問題があるわけです。

 例えば、今起きているのはポピュリズムという問題です。こうしたものをどう乗り越えていくかが、今回もやはりテストされます。これをくぐり抜けて、民主主義を強くしていく。そのために日本がやらなければならないことはたくさんあります。


●トップがどのようなメッセージを発していくかが大事なポイント


―― 一方でアメリカがドナルド・トランプ大統領を、イギリスがボリス・ジョンソン首相を生み出したことを考えれば、現在は試される時期ですね。日本の民度は、世界の中でものすごく高く、社会の結束力もあります。技術力や専門家の数も、医療体制や保健所を含めて、たくさんの優位性があります。しかし、これがまだしっかりとワークしているとは言い難いものがあります。これだけいろいろと優秀なものを持っていながら、今のところそれを総合力として発揮することが全くできていません。

 台湾やシンガポールなどで成功した事例や、初動に失敗しながらもそこから立て直した中国の事例などから...

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