98歳の医師が明かす「生物学的教育論」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
しつけするときに大事な「温・凛・厳・畏」とは何か
98歳の医師が明かす「生物学的教育論」(4)我慢ができる子になるために
井口潔(九州大学名誉教授/日本外科学会名誉会長/医学博士・理学博士)
脳の発達段階に応じてしつけの方法を変える必要があると前回指摘されたが、具体的にはどのようにすれば良いのか。1、2歳の頃から始まる第1次反抗期において我慢を身に付けることも大事だが、そのときにポイントとなるのは、「温・凛・厳・畏」のしつけだと井口潔氏は言う。それはどのようなものなのか。(全9話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分16秒
収録日:2020年1月11日
追加日:2020年7月16日
≪全文≫

●第1次反抗期に我慢させるには信頼関係が必要


―― そうすると、まさに先生がおっしゃるように脳の発達段階に応じて、必要なしつけの方法が変わってくると思いますが、まず生まれたばかりのときからだいたい何歳ぐらいまでが第1期と呼べるでしょうか。

井口 まずですね、1、2歳の頃から、第1次反抗期を迎えます。何があっても「これ、どうして?どうして?」、「あれ、ちょうだい。あれ、ちょうだい」と、言うようになります。それはなにも文句を言おうと思っているのではありません。子どもは体を使って生きているわけですが、その前の記憶があって、ただ反射的に言っているだけなのです。それで「ちょうだい」と。そのときに「ああ、何が欲しい。これが欲しい」という願いを全部叶えてやると、逆の現象が起こります。何かが欲しければ、ワーワーわめけば良いと思うからです。

 そうではなくて、そのときにしつけとして、「ダメ」「もうこれで我慢しなさい」という必要があります。何をいわれても出さないというと、「うちの母ちゃん、ダメっちゅうたらダメやもんね」といって、自分を抑える。それでしつけができるわけです。そういう点が一番大事です。そして、3歳でだいたい自分の心ができる。

―― だいたい3歳までなんですね。

井口 そうすると、良い子どもであれば、前回話したリリーシングの効果があるのです。完全な信頼関係があると、「これが欲しい、欲しい」といっても、「ダメ、ダメ」と返事があって、それで我慢する。すると、お母さんの機嫌が良くなる。逆にわがままをいったら機嫌が悪くなる。それで、お母さんを喜ばせたいということで、自然に我慢できるようになる。そうすると、そのうちに自分で先取りするようになる。お母さんがいわなくても、「私は我慢したよ」「僕はえらいでしょ」と言う。そして、今度はそれを褒める。そうしたことを経て、今度はしつけで言われたことが自発的に自分でできるようになる。それが目覚めです。

―― それが3歳くらいからですか。

井口 4~5歳くらいからそうなる。自分に目覚めるわけです。


●「温・凛・厳・畏」をうまく組み合わせて、しつけを行う


―― なるほど。先生がおっしゃった、0歳から3歳まで、ないしは3歳から4歳くらいまでという最初の期間、今、我慢のお話がありましたけれども、親としては子どもをどのように育てればよろしいでしょうか。...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(1)「イエス」とは一体誰なのか
「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?
竹内修一
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
老荘思想に学ぶ(1)力のメカニズム
老荘思想は今の時代に人類の指針となる
田口佳史
北欧神話の基本を知る(1)世界でもっとも悲観的な神話
世界滅亡を予言!?人類史上もっとも悲観的な北欧神話とは
鎌田東二
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(5)『秘蔵宝鑰』が示す非二元論的世界
雄大で雄渾な生命の全体像…その中で点滅する個々の生命
鎌田東二
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
戦国武将の経済学(1)織田信長の経済政策
織田信長の経済政策…楽市楽座だけではない資金源とは?
小和田哲男
概説・縄文時代~その最新常識(2)縄文時代の開始時期に関する三つの説
縄文時代の始まりはいつから?…三つの説の特徴とは
山田康弘