現代の小児科学と最高の子育て
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
子どもの共感力を育む原動力は「傾聴」という実体験
現代の小児科学と最高の子育て(6)傾聴と説得
高橋孝雄(慶應義塾大学医学部 名誉教授/新百合ヶ丘総合病院 小児科 名誉院長)
コロナ禍に限らず大きな災害や社会問題が起きたとき、もっともストレスを感じるのは、政府や有識者といった大人が勝手に決めたことを押しつけられ、それに納得していないときではないか。その苦しさは子どもでも同じこと。ではどうすればいいか。そのときに重要なのは「傾聴」と「説得」である。特に傾聴という実体験はとても重要で、子どもの共感力を育む原動力になる。(全7話中第6話)
時間:8分39秒
収録日:2021年7月14日
追加日:2021年10月9日
≪全文≫

●子どもが納得していない状況はいい教育環境とは呼べない


 それでは続いて、コロナ禍に限らず大きな災害や社会問題が起きたときに、“Toxic Stress”がどういう影響を子どもたちやわれわれ大人に及ぼしているか。そういうことについて議論を進めたいと思います。

 コロナ禍を考えていただくとお分かりかと思うのですが、われわれが感じていた言いようのないストレスを、このように表現させていただきました。すなわち、子どもたちの言葉を借りて申し上げれば、「政府や有識者といった大人が勝手に決めたことを押しつけられた、その苦しさ」「われわれは納得していない、という思い」ではないかと思います。

 われわれ大人も思い起こしてみるに、憤りの少なくとも一部は、こういう感情であったのではないでしょうか。「議論に参加していない」「いつの間に決まったの?」「ぼくらは、それを納得してやっているわけではないよ」。これは子どもたちにとっても同じことではないかと思います。

 子どもたちにとって、「押し付けられているんだ」「納得してないよ」と言われる場面は、他にもたくさんあります。例えば「教育虐待」という言葉が、残念ながら新聞でも見受けられる時代になりました。

 親としては良かれと思って「勉強しなさい」「結果を出しなさい」と言う。ただそれがあまりに行き過ぎる。長い期間続くと、それは子どもにとって“Toxic Stress”、すなわち強い向かい風になってしまうわけです。

 「お父さんやお母さんが勝手に決めたことでしょう」「押し付けないでよ」「ぼく(わたし)は納得していないよ」という状況で、長い期間勉強し続ける。これは本当にいい教育環境と呼べるでしょうか。そういう意味では、社会を巻き込む大きな災害が起こったときに、子どもの立場に立って考えてみることは、われわれ大人にとってもたいへん意義深いことだと思うわけです。


●子どもが「自分で決めた」と感じるために重要な「傾聴」


 では、子どもたち自身に「自分で決めたのだな」と感じさせるために、われわれはどんな社会をつくっていけばいいのか。もっと卑近な例でいえば、われわれは両親としてどんな家庭環境をつくっていけばいいのか。

 「勉強しなさい」と言ったときに、子ども自身に「自分の決めたことだから、頑張るよ」と感じてもらうためには...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
心と感情の進化(1)そもそも「心と感情」とは何なのか
「心と感情」とは何か、行動生態学から考える大事な問題
長谷川眞理子
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉