98歳の医師が明かす「生物学的教育論」
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「この子を天才にしよう」と詰め込むと大変なことになる
98歳の医師が明かす「生物学的教育論」(7)親が気をつけること
井口潔(九州大学名誉教授/日本外科学会名誉会長/医学博士・理学博士)
子どもの成長において大事なのは、友だちから好かれるかどうかという点だ。親としては、さまざまな人と触れ合う中で、人に好かれる人間になるようアシストしてあげることが求められる。また、子どもを天才にしようとして、脳の発達段階にそぐわないことを無理やり続けると、子どもの健全な成長を阻害してしまう。そうならないためにも、親がまずちゃんと “人間”になっていることが重要である。(全9話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分43秒
収録日:2020年1月11日
追加日:2020年8月6日
≪全文≫

●大事なのは人から好かれるかどうか


井口 結局、全体としてみたとき、小学校に入る頃に社交性があって友だちから好かれるか、これが一番大事。それから、集中力があるか、達成感があるか、責任感があるか、道徳心があるか、こうした部分を見て、だいたい良いねと思えばそれで良いわけです。そうではなくて、妙なところばかり気にする。一番困るのは、やはり人から好かれないということ。

―― 人から好かれないということですね。

井口 だから、そのときには好かれるような工夫をすることです。

―― それは、どういうふうにすると好かれる子どもになりますか。

井口 例えば、テレビばかり見ていて人付き合いが悪いと。そのときには、友だちに「今日、うちにちょっと飯食いに来てくれんか」と頼む。それで、子どもに「今日はね、お客さんが来るからね、リンと鳴ったらすぐ出てね、『ようこそおいでくださいました。お待ち申しあげておりました』といいなさい」と言う。最初のうちは、なかなか言えない。それでも、3度目くらいには、できるようになる。そうすると、お客さんである友だちが、「かわいい、かわいい」と言ってその子を横に置いて、面白い話などするわけです。それは、テレビを見るよりも、よほど面白いやないですか。

―― 子どもからすると、そうですね。

井口 そういうことで、テレビ離れをさせれば良い。そのようにして、大人がいつも目をかけてあげれば良い。

―― なるほど。そのように、「こういうあいさつをしなさい」とか、「おじさんが来るからこのようにしなさい」とすると、おじさんが喜んで「ああ、よくできた子だ」と褒めてくれる。そうすると、パターン認識で、子どもはうれしくなると。

井口 それは一つの応用問題のようなものやからね、そういう風にはならないことだってある。要は、そのように環境を変えてやると。

―― なるほど。

井口 子どもはすぐ慣れる。放ったらかしにしておいたらいかん。

―― そのように導いてあげると、小さい頃の子どもは比較的考え方を容易に変えられるということですね。

井口 そういうときには、「学校を卒業して世の中に出ていくときに、一番大事なのは人付き合いよ」という。自分の話を聞いてくれなきゃいかんからね。そういう風にして、人間関係、例えば友だちとけんかしてはいけないとか、そのようなことを学校で覚えなさいと。...

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