小澤開作と満洲事変・日中戦争
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「小澤開作的なるもの」と「官僚的なるもの」の違いとは?
小澤開作と満洲事変・日中戦争(10)日本の国を滅ぼすのは…
小澤俊夫(小澤昔ばなし研究所所長/筑波大学名誉教授)
小澤開作は戦争中から「東大をぶっこわせ」と言いつづけ、戦後の東大紛争のときには、徹底して学生側の味方だったという。「日本の国を滅ぼすのは官僚と軍人だ」と考えていたからこそ、官僚を数多く輩出してきた東大に批判的な眼差しを向けていたのである。小澤開作がそう考えたのは、在野から身を起こし、満洲建国や日中友好のために奔走しながら、エリートの軍人や官僚たちが大いに道を誤っていくのを見つづけてきたからであろう。では、「小澤開作的なるもの」と、道を誤ってしまう「官僚的なるもの」の違いは、どこにあるのだろうか。(全10話中第10話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:6分50秒
収録日:2019年10月9日
追加日:2020年11月16日
≪全文≫

●なぜ「東大をぶっ壊せ」と言い続けたのか?


小澤 考えてみると、最後に歯医者になって、元へ戻ったのですけれども、歯医者になってからも、ずいぶん歯医者仲間などには話をしていましたね。あれ全部録音をとっておけばよかったなあと、いま思ってるのです。残念だった。

―― それはどういうお話をされていたんですか。

小澤 それは、満洲事変以来の話を。

―― ああ、そうですか。

小澤 これはね、僕も脇から聞いてるから、親父が何を話してるか、だいたい聞いています。いつも話してましたよ、自分の満洲での経験をね。長く、全部は話さないけど、この部分とか、この部分とか、というふうにしてね。で、あるとき、川崎の歯科医師会で呼ばれて、話をすることになったんですよ。僕は録音係で行こうと思ったの。もう(親父も)歳だしね。そしたら親父がね、「いや、録音なんか俺ができる。このボタンを押しゃあいいんだろ」と言って、自分で行ったんです。そしたら、ボタンを押し忘れて、全部ダメ(笑)。録音とっていないの。あれは僕の最大の失敗。僕がちょっと油断したんだね。

―― ご自身ができるとおっしゃったら、なかなか。

小澤 まあね。ちょっと付いていくのも……という感じはあったけどね、遠慮しちゃったんだけど。あれは失敗した。やっぱり肉親から記録をとるというのは難しいね。とっても難しい。意識しないとできない。

―― そういう色々なお父様のお話もございましたが、満洲国ないし満洲事変というものについては、小澤俊夫先生はどのようにお考えですか。

小澤 僕はね、親父からしか聞いてないから、一方的かもしれないけど。あれは完全にね、本当に(親父たちは)初めは純粋な「五族協和の独立国」というふうに思っていたと思います。それが壊されたと。

 それで、壊したものは何かというと、日本の官僚と軍人だと、こういうことね。それは僕は、はっきりしていると思うな。(親父は)それを今度は中国でやろうと思った。でも、それもうまくいかなかった。そういう一生だったというふうに思います。

 だからね、親父は本当にもう亡くなる直前まで、「日本の国を滅ぼすのは官僚と軍人だ」と言っていました。「その官僚を作っている大元は東大だ。だから、東大をぶっこわせ」と。

―― なるほど(笑)。

小澤 そうなんです。これは、東大紛争になるずっと前から言っていました...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(1)日本の歴史における平安時代の意味
平安時代の意外な真実…貴族社会の華やかさの裏の激動と転換
関幸彦
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ