小澤開作と満洲事変・日中戦争
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「小澤開作的なるもの」と「官僚的なるもの」の違いとは?
小澤開作と満洲事変・日中戦争(10)日本の国を滅ぼすのは…
小澤俊夫(小澤昔ばなし研究所所長/筑波大学名誉教授)
小澤開作は戦争中から「東大をぶっこわせ」と言いつづけ、戦後の東大紛争のときには、徹底して学生側の味方だったという。「日本の国を滅ぼすのは官僚と軍人だ」と考えていたからこそ、官僚を数多く輩出してきた東大に批判的な眼差しを向けていたのである。小澤開作がそう考えたのは、在野から身を起こし、満洲建国や日中友好のために奔走しながら、エリートの軍人や官僚たちが大いに道を誤っていくのを見つづけてきたからであろう。では、「小澤開作的なるもの」と、道を誤ってしまう「官僚的なるもの」の違いは、どこにあるのだろうか。(全10話中第10話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:6分50秒
収録日:2019年10月9日
追加日:2020年11月16日
≪全文≫

●なぜ「東大をぶっ壊せ」と言い続けたのか?


小澤 考えてみると、最後に歯医者になって、元へ戻ったのですけれども、歯医者になってからも、ずいぶん歯医者仲間などには話をしていましたね。あれ全部録音をとっておけばよかったなあと、いま思ってるのです。残念だった。

―― それはどういうお話をされていたんですか。

小澤 それは、満洲事変以来の話を。

―― ああ、そうですか。

小澤 これはね、僕も脇から聞いてるから、親父が何を話してるか、だいたい聞いています。いつも話してましたよ、自分の満洲での経験をね。長く、全部は話さないけど、この部分とか、この部分とか、というふうにしてね。で、あるとき、川崎の歯科医師会で呼ばれて、話をすることになったんですよ。僕は録音係で行こうと思ったの。もう(親父も)歳だしね。そしたら親父がね、「いや、録音なんか俺ができる。このボタンを押しゃあいいんだろ」と言って、自分で行ったんです。そしたら、ボタンを押し忘れて、全部ダメ(笑)。録音とっていないの。あれは僕の最大の失敗。僕がちょっと油断したんだね。

―― ご自身ができるとおっしゃったら、なかなか。

小澤 まあね。ちょっと付いていくのも……という感じはあったけどね、遠慮しちゃったんだけど。あれは失敗した。やっぱり肉親から記録をとるというのは難しいね。とっても難しい。意識しないとできない。

―― そういう色々なお父様のお話もございましたが、満洲国ないし満洲事変というものについては、小澤俊夫先生はどのようにお考えですか。

小澤 僕はね、親父からしか聞いてないから、一方的かもしれないけど。あれは完全にね、本当に(親父たちは)初めは純粋な「五族協和の独立国」というふうに思っていたと思います。それが壊されたと。

 それで、壊したものは何かというと、日本の官僚と軍人だと、こういうことね。それは僕は、はっきりしていると思うな。(親父は)それを今度は中国でやろうと思った。でも、それもうまくいかなかった。そういう一生だったというふうに思います。

 だからね、親父は本当にもう亡くなる直前まで、「日本の国を滅ぼすのは官僚と軍人だ」と言っていました。「その官僚を作っている大元は東大だ。だから、東大をぶっこわせ」と。

―― なるほど(笑)。

小澤 そうなんです。これは、東大紛争になるずっと前から言っていました...

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