小澤開作と満洲事変・日中戦争
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「万宝山事件」朝鮮人を迫害から救うべく決起し、満洲事変へ
小澤開作と満洲事変・日中戦争(2)朝鮮人への迫害と闘う
小澤俊夫(小澤昔ばなし研究所所長/筑波大学名誉教授)
満洲事変の直前、満洲では日本人排斥が猛威を振るっていた。張学良政権は「盗売国土懲罰令」を制定するが、これは日本人や朝鮮人に土地を貸したり売ったりした者を処罰するもので、まったく国際法を無視したものであった。これにより、とりわけ立場の弱い朝鮮系の人々は土地を奪われるなど厳しい迫害にさらされる。そして起きたのが「万宝山事件」だった。迫害された朝鮮系の人々から話を聞き、義憤に燃えて彼らを救うべく立ち上がった小澤開作は、満洲事変へと至る大きな機運を巻き起こしていく。(全10話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分12秒
収録日:2019年10月9日
追加日:2020年9月21日
≪全文≫

●満洲にわたり、長春で歯科医を開業


―― ざっと振り返ると、(小澤開作さんは)山梨県の高田村で成育されて。そして東京に。

小澤 そう。しばらく東京へ出て、海軍省の下働きをやっていたみたいですね。嘱託(しょくたく)っていうんだけど、そんなかっこいいものではなくて、それは下働きだと思います。まだ20歳前後ですからね。それで結核になって、一度、山梨へ帰ってきて、3、4年療養したのかな。それでまた治って、勤めて、今度は歯医者の資格を取ったんですよね。

 医者になりたいと思った。医者になるには、歯医者は検定試験でなれるというわけでね。大学へ行かないで、国家検定で歯医者になっちゃったんですよね。

―― 当時のことですから、先ほどの氾濫の話もありましたが、なかなか大学へ行くというのは、(経済的にも)大変な話ですからね。

小澤 とてもとても大変なことですからね、行ける身ではなかったので。

―― 開作さんも、さっき海軍の話もありましたが、「働きながら勉強して」ということも当然おありだったんでしょうね。

小澤 そうですね。それで23歳のときに、志を立てて、医学ですからドイツで勉強すると考えて、神戸から船に乗って、ひとりで出かけたというんですよね。だけど大連まで行って、そこでしばらく稼いでいたんでしょうね。日下歯科医院という歯科医院で働かせてもらっていた間に、だんだん長居をして。そして、大津(隆:たかし)というおじさん(※開作の妻となる、さくらの叔父)と出会って、その人の姪を嫁さんとして押しつけられて、それで結婚して、結局、ドイツには行かずにずっと満洲にいたという話で(笑)。

―― そもそも行こうと思ったら、重い中耳炎になってしまって、入院していたら、それで費用を全部使ってしまって……。

小澤 そうそう。そうでしたね。中耳炎になったんだ。

―― 当時ですから、入院にも相当なお金がかかったでしょうから。それで働いてという。

小澤 そういうことでした。

―― そういうご縁で満洲の、長春ですね。

小澤 そう。日下先生にね、長春には歯医者がいないから行けと言われて、それで行ったみたいですね。長春というのは、その頃、日本人なんてほんのわずかしかいないところでした。

―― そこには歯医者さんがいなかったということもあるんでしょうけど、皆さんからも信頼されて、とても繁盛した歯医者さんだ...

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