小澤開作と満洲事変・日中戦争
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
飛行場建設、満洲国協和会…しかし、協和の理想は壊されて
小澤開作と満洲事変・日中戦争(3)満州建国での活躍と挫折
小澤俊夫(小澤昔ばなし研究所所長/筑波大学名誉教授)
遂に、満洲事変が勃発する。このとき小澤開作は、なんと自らの財産をなげうって、長春に飛行場を建設してみせるのだった。その後、鉄道を管轄する「東北交通委員会」で活動して若き中国人職員たちに満州建国の理想を熱く語りかけ、さらに同志たちとともに「満洲国協和会」を立ち上げ、「五族協和」の理想を実現すべく粉骨砕身の活動を展開する。だが、満洲事変後に日本から満洲にやって来た軍人たちや官僚たちは、その理想を共にできぬ人々であった。彼らと衝突した小澤開作は、はじき出されるように満洲を去る。(全10話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分48秒
収録日:2019年10月9日
追加日:2020年9月28日
≪全文≫

●満洲事変勃発! 私財をなげうって飛行場建設に奔走


―― それで、実際に満洲事変が起きて。

小澤 ひどかったのは、お袋に言わせるとね、もう数日帰ってこなかったと。歯医者はほったらかしてね。それで、ある日、突然帰ってきた。そうしたら、もう、ものも言わずにタンスを開けて、中にあった金を全部持って、またものも言わずに出かけて行ってしまったというんですよね。何に使うのかと思ったら、後で聞いたら、それで飛行場を造ったというんですよ。ねえ、ひどい話ですよね(笑)。

―― それは満洲事変が起きた後の話ですね。

小澤 そうですね。

―― 満洲事変が起きて。あれはおそらく、軍から要請されるんでしょうね、「飛行場を造ってくれないか」と。

小澤 直接要請したのではないみたいですけどね、軍としては。(飛行場が)なくて困っていたという状態みたいね。「どうしようか」というような状態だったのではないですかね。そしたら、それを聞いて、親父は黙っていられなくて、自分の金を全部持っていって、それで鍬(くわ)だのなんだの道具を買って、若者を動員して、一晩で飛行場を造ったというんですよ(笑)。

―― すごいですよね。


●大豆を傷めないように――飛行場建設の秘話(小澤開作顕彰会 伊藤進氏)


―― 満洲事変が起きたときに、長春に飛行場をつくるという話になって、あのときに自分の全財産を持ち出して、手弁当で飛行場をつくってしまった話がありますね。

伊藤 あの話も、(奥様の)さくらさんのエッセイを読むと、お父さんが久しぶりに帰ってきて、何をするかと思ったら、金庫を持って行ってしまったと。その金で鍬とか鋤とか、いろいろなものを買って、みんなに配って、そしてあの広大な大豆畑を、大豆を傷めないようにして。もう収穫の時期に来ていたんですね。

―― 9月ですからね。

伊藤 それをいい加減にやると農民が気の毒だから、ちゃんと大豆を農民に渡せるように、ちゃんときれいに刈り取ってくれということで、やったんですよね。それを1日でやっちゃったんですから。

―― すごいですね。あれ、何人ぐらい動員したんでしょうかね。女学校とか、たくさん来たという話ですけど。

伊藤 そうですね。恐らく数百人以上ということでしょうね。1000人とか、そういうことではないと思うので。やはり数百人でやったんでしょうね。

―― でも、そのときに...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜

人気の講義ランキングTOP10
老子の神髄(1)「絶対自由の境地」を求めて
『老子』が求める「絶対自由の境地」とは?…そして創造長寿へ
田口佳史
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(4)欲望と欲求と欲動
ほしいものが、ほしいわ。…欲望の無限運動が資本主義の基盤
斎藤環
日本神話の基本を知る~世界・人間・文化のはじまり
「国生み・国作り・国譲り・国治め」と「むすひ」の力
鎌田東二
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(6)リベラルアーツの本質
自分にしかできない自分の世界を味わうために、他の人とつながる
橋爪大三郎
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
幸福な老年への智恵をキケロに学ぶ…惨めな老年の4つの理由とは
本村凌二
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(8)シオニズムとユダヤ教
シオニズムは伝統的なユダヤ教とは異質…イスラエル建国の背景
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(19)橋爪大三郎先生のリベラルアーツ論
【10min解説】橋爪大三郎先生:AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か
テンミニッツ・アカデミー編集部