米国史サイクル~歴史の逆襲と2020年代
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
トランプ時代に直面した4つの危機とその兆候
米国史サイクル~歴史の逆襲と2020年代(3)2つの停滞期を再考する
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
アメリカに停滞期と転換期をもたらす2つのサイクル。1920年代のハーディング政権は停滞の時代であり、ルーズベルトの登場によって大きくアメリカの政治経済は転換していった。同様に、2010年代のアメリカも停滞期の只中にあった。そして、トランプ時代は米中新冷戦やドル基軸体制の動揺など、複数の危機とその兆候に直面している。(全4話中第3話)
時間:6分47秒
収録日:2020年7月29日
追加日:2021年2月3日
≪全文≫

●ハーディング時代の停滞とルーズベルトによる転換


 ここでケーススタディとして、1920年代の停滞期を思い起こしてみましょう。

 1920年代は、工業化時代制度の停滞期でした。時代は常識を渇望しており、米国第一主義を掲げるウォレン・ハーディングが大統領に当選しました。このハーディングが出現した工業化時代制度の停滞期の背景には、行き過ぎた資本主義とそれに対抗する進歩主義の行き詰まりがありました。しかも第一次世界大戦の打撃も受けたために、アメリカ国民は疲弊しきっていました。それゆえ彼らは常識を渇望し、アメリカファーストを唱えたわけなのです。トランプ大統領のアメリカとまったく同じような状況でした。

 その結果、ポピュリズム、縁故主義、スキャンダル等にまみれ、本質的な解決策をまったく提示できない1920年代となりました。ハーディングはまさに停滞期大統領の象徴たる人物です。矛盾を利用して大統領に当選しましたが、結局、解決策をうまく提示できませんでした。ハーディング以降の3人の共和党出身大統領の時代は、かなり停滞した10年間となりました。結局、1933年に発足したフランクリン・ルーズベルト政権は、ニューディールと孤立主義で新たな社会経済サイクルを開始し、末期の1945年にはテクノクラシー時代サイクルを生み出したのです。

 フランクリン・ルーズベルト時代は、転換期でした。彼は、きちんと国内統合の論理を提示し、しかも新しい制度まで生み出すことができた転換期大統領なのです。しかも制度だけではなく、ニューディールによって新しい社会経済サイクルを生み出しました。この意味で、彼は2つのサイクルを一人で生み出した、米国史におけるかなりの逸材なのです。


●史上初めて2つのサイクルの停滞期が重なる2020年代の特異性


 次に2020年代の停滞期を再考してみましょう。

 2020年代の特異性は、制度的サイクルと社会経済的サイクルの変遷が、ほぼ同時に起こることにあります。これはアメリカの歴史の中で初めての危機です。

 制度サイクルに関していえば、今はテクノクラシーですが、これが2025年頃に終わるといわれています。制度サイクルの転換期には戦争が起こるはずですが、これは何の戦争なのでしょうか。9.11以降もくすぶり続ける対テロ戦...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
東秀敏
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
高市早苗総理と松下政経塾(1)松下政経塾の人材輩出率の高さ
なぜ松下政経塾はケネディスクールよりも人材輩出率が高いのか
執行草舟
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
イラン戦争と終末論(3)トランプ・ネタニヤフの終末論的共生
私利私欲で世界を振り回す二人の指導者とイラン戦争の実態
東秀敏
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
ウェルビーイングを高めるDE&I(1)人と組織を取り巻く環境変化:前編
人材はコストではない!人的資本経営が注目されている背景
青島未佳
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
編集部ラジオ2026(13)心の「柔軟性」を高めるヒント
【10minでわかる】心の「柔軟性」を高めるヒント
テンミニッツ・アカデミー編集部
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(2)原因と責任の関係
「何々のせい」と物事の原因を確定するのは難しい
一ノ瀬正樹