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「自分さえよければいい」では社会問題は解決しない

対談・反生命論(5)「自分が大切」は下品な考え方

概要・テキスト
「自分が大事」「自分さえよければいい」というのは、下品な人間の考え方である。グリム童話などではずる賢いおじいさん、おばあさんが登場するが、そんな人たちばかりを目にする状況が、日本は70年以上続いている。ロシアなどでの革命においては、まだ社会や条件が厳しいうちから理想に燃えて立ち上がったのは、貴族層が多かった。逆にスターリンは、革命後に権力を握るが、貴族階層の人間ではないために権力と自己利用に陥ったのだ。それはヒトラーも同じである。(全7話中第5話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:09:41
収録日:2024/05/24
追加日:2024/11/15
カテゴリー:
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≪全文≫

●昔話のずる賢いおじいさん、おばあさんのような人間


執行 いろいろ話していますが、「反生命論」という考え方が人間の中心思想であるとわからないと、もう人類や日本国家はどうにもならないところに来ています。

―― 本当に前回聞いた話(反生命論)と今日話してもらった話が、ものすごく一致しました、先生が何を言いたいのか。やはり1万人のエリートをつくらなければ、どうにもならないと。

執行 だからエリートをつくる思想が「反生命論」なのです。

―― エリートがエリートたらしめるために、何が大事か。命よりも魂だと。

執行 当たり前のことです。ところが、みんな当たり前だとわからない。

―― 99パーセントの人は「命が大事」だと。

執行 今はなっています。

―― 完璧になっています。

執行 でも歴史を見てください。ヨーロッパも日本も、それを言うのが一番下品な人間です。「そうではない」と全部書いてあります。信念、愛、正義、義、真のために命を投げ出すのが人間だと。どこにでも書いてある。みんな読んでいないのです。

 「自分が大切」だったら、それは、グリム童話とか、アンデルセンの童話ではずる賢いおばあさん、ずる賢いおじいさんがでてきますが、(それと同じです)。自分の生活、自分さえよければいい。

―― 自分だけだと。

執行 ああいう魔法使いは、すごい老婆や老人に描かれています。それを今はテレビでもなんでも、みんなが言っている。「自分が楽しければいい」「自分が幸福になりましょう」。おかしいでしょう。

―― 本当にそうですね。

執行 そんなことを言っている国が、社会問題なんて一つも解決できるわけがない。

―― そうでしょうね。

執行 だからもう無理なのです。

―― それを40~50年は続けたわけですからね。

執行 40~50年どころではない。正しくは70年以上やっています。それでも昔は戦前の教育が少しは残っていました。

―― ギリギリ80年ぐらい前までは残っていた。そういう人たちは、もう死に絶えていますから。

執行 今はもう死に絶えた。だから、みんな「反生命論」と言ってもポカンですね。私は若い頃からこの思想(反生命論)を唱えているから、昔はものすごく反発されました。もう「とんでもない男」だと。私のレッテルは「右翼」「軍国主義者」でした。でも、最近そんなことは言わない。「けっこういい人」...
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