●昔話のずる賢いおじいさん、おばあさんのような人間
執行 いろいろ話していますが、「反生命論」という考え方が人間の中心思想であるとわからないと、もう人類や日本国家はどうにもならないところに来ています。
―― 本当に前回聞いた話(反生命論)と今日話してもらった話が、ものすごく一致しました、先生が何を言いたいのか。やはり1万人のエリートをつくらなければ、どうにもならないと。
執行 だからエリートをつくる思想が「反生命論」なのです。
―― エリートがエリートたらしめるために、何が大事か。命よりも魂だと。
執行 当たり前のことです。ところが、みんな当たり前だとわからない。
―― 99パーセントの人は「命が大事」だと。
執行 今はなっています。
―― 完璧になっています。
執行 でも歴史を見てください。ヨーロッパも日本も、それを言うのが一番下品な人間です。「そうではない」と全部書いてあります。信念、愛、正義、義、真のために命を投げ出すのが人間だと。どこにでも書いてある。みんな読んでいないのです。
「自分が大切」だったら、それは、グリム童話とか、アンデルセンの童話ではずる賢いおばあさん、ずる賢いおじいさんがでてきますが、(それと同じです)。自分の生活、自分さえよければいい。
―― 自分だけだと。
執行 ああいう魔法使いは、すごい老婆や老人に描かれています。それを今はテレビでもなんでも、みんなが言っている。「自分が楽しければいい」「自分が幸福になりましょう」。おかしいでしょう。
―― 本当にそうですね。
執行 そんなことを言っている国が、社会問題なんて一つも解決できるわけがない。
―― そうでしょうね。
執行 だからもう無理なのです。
―― それを40~50年は続けたわけですからね。
執行 40~50年どころではない。正しくは70年以上やっています。それでも昔は戦前の教育が少しは残っていました。
―― ギリギリ80年ぐらい前までは残っていた。そういう人たちは、もう死に絶えていますから。
執行 今はもう死に絶えた。だから、みんな「反生命論」と言ってもポカンですね。私は若い頃からこの思想(反生命論)を唱えているから、昔はものすごく反発されました。もう「とんでもない男」だと。私のレッテルは「右翼」「軍国主義者」でした。でも、最近そんなことは言わない。「けっこういい人」...