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どちらにしても人間の定義は「反生命論」である

対談・反生命論(7)不幸を味わう覚悟

概要・テキスト
かつてスーパーコンピュータに人類の未来について尋ねたら、「必ず滅びる」と回答したという。自分以外の人間のために自分の命を捨てられるのが人類だが、そこに立ち戻ることはないからだ。かつて自分の命を国のために捧げた三島由紀夫が遺書「果たし得ていない約束」で預言したように、今の日本はそのとおりになってしまった。自分の命だけが大切だというなら、それはもう人間論ではないということだ。次にそれができるのはAIかもしれない。(全7話中第7話)
時間:09:32
収録日:2024/05/24
追加日:2024/11/29
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≪全文≫

●人類は滅びる?…コンピュータの答えは


執行 AIロボットも、技術的な意味でロボット社会になるということではありません。人間論から考えて、(人間に)「なる」という話です。

 前(「反生命論」)でも例に挙げましたが、AIにいろんな知識を打ち込んで、AIがいろんな回答するという番組をテレビで昔おもしろおかしくやっていました。

 もう最近はやりません。AIの答えは、すごすぎて困るからです。10年以上前にNHKでやっていたAIの番組では、「健康に一番いいことは何でしょうか」という質問について、スーパーコンピュータに知識を打ち込んで答えを出させていました。

 すると「一人暮らしと読書をしている人間が一番健康で長生きできる」というのがAIの答えでした。今も忘れません。これは、ある種の家庭批判になります。ストレスの一番は家庭ということですから。

―― なるほど。

執行 それですぐに、(そうした番組は)なくなりました。人間が「これはマズい」と思ったのです。

―― なるほど、処分したと。

執行 (また)あるコンピュータが次に「今の中国社会はどうですか」と聞きました。今の中国はとんでもないので、「あと何年後に滅びる」「エリート層が全員アメリカに行って中国に戻らなくなる」「中華人民共和国には何の価値もない」といった回答をコンピュータが30年ぐらい前に出したのです。だから全部、抹殺したのです。

―― なるほど。

執行 さらにすごいのは、1972年にMIT、マサチューセッツ工科大学にあった当時一番すごいスーパーコンピュータに「人類はどうなりますか」と聞いたら、今の人類は「必ず滅びます」という答えが出たのです。

―― 1972年の段階で。

執行 1972年の段階で、「必ず」です。そのとき出てきた問題として、放射能、原爆、汚染物質(プラスチック)など、(現代の問題が)全部出ています。

―― 全部当たっているわけですね。

執行 これらによって人類は必ず滅びますと。滅びるのは、たしか2040年か2050年でしょうか。

 私はそういうものをずっと検証してきました。

―― 検証しているから言い切れるわけですね。

執行 人類が最初に人類になったいわれは、「反生命論」通り、みんなのために命を捨てられる人が出てきたからです。それが人類の発祥です。みんなのために、自分以外の人間のために命を捨てられる人が出ないのが、動物で...
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