中国の「なぜ」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
東京裁判の本質は「司法取引」だった?
中国の「なぜ」(5)なぜ「中国は「歴史認識」にこだわるのか」(2)
第二次大戦後、国際裁判に臨んだ敗戦国・日本とドイツ。戦後処理における両国の世界的評価に差がついたのはなぜか。 世界で日本の歴史認識が問われる理由を明らかにする。(全8話中第6話)
時間:6分01秒
収録日:2013年8月5日
追加日:2014年2月24日

●国際裁判・ドイツの場合~ナチスの責任と司法取引~

前回、『なぜ「中国は「歴史認識」にこだわるのか」』ということの前段階の話をしましたが、続けます。
そうしますと、その戦争が終わったあとに、とんでもない罪状を人類は抱えてしまった。しかも抱えたのが敗戦国であるドイツや日本だったわけです。
ドイツの場合は「人道に対する罪」ということを課せられましたが、その対象はナチズムでした。つまり、ナチスという集団が人類史上かつてないような、例えばユダヤ人ならユダヤ人という一つの民族の撲滅、抹殺を図った。これは明らかに戦争犯罪を超えた、戦争の行為を超えた、まったく次元の違う犯罪であったという罪状を付けてしまったわけです。
そうしますと、ドイツからしてみれば、それを完全に受け入れるしかなくなってしまうところまで追いつめられてしまった。ある面で言えば、裁判ですから論争はできたのですが、一切それをやめた。取引したわけです。「全部認める」と。「すべての罪はナチスにあります」と。人道に対する罪を犯したナチスにすべての責任がある。一般の国民とナチスの関係者とは違いますよと認めさせた。つまり、そこに司法取引があったわけです。ですからドイツは、その後に世界中から歴史認識を問われることはなかったわけです。一切の抗弁をしませんでした。

●国際裁判・日本の場合~「A級戦犯」と裁判への認識不足~

他方、日本はどうかと言うと、日本の東京裁判における流れがあったわけです。つまり、日本がやったあの戦争というものの最高責任者は誰であるかということ。結局それに「A級戦犯」という名前を付けてしまったわけです。
日中が国交正常化するときの大原則がありましたが、「中国の民衆も日本の民衆も、一部軍国主義者の誤った国策によって被害を受けた。だから、中国の民衆も日本の民衆も等しく被害者だから、中国の民衆は日本に損害賠償をしない」ということ。つまり、中国側は日本に対して、東京裁判を受け入れた日本がそのままA級戦犯を戦争の指導者であった、中心であった、思想であった、それさえ認めればいいという解決方法を出したのです。中国はそれでいいと思っていた。なぜならば、日本は東京裁判を受け入れて戦争の責任者が処罰されたことで免責されたということがあったからです。
しかし、日本側がそこで忘れていたことがあったのは、「この裁判は取引である」という...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
松下幸之助の人づくり≪3≫理想の政治(1)国家に経営理念があれば、もっと日本は発展する
無限の可能性に挑め…国家経営を創造し、新時代の憲法を!
松下幸之助
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(1)「プラチナ社会」構想と2050年問題
5つの産業で「資源自給・人財成長・住民出資」国家を実現
小宮山宏
2025年、どん底日本を脱却する大戦略(1)日本が凋落した要因を総覧する
日本凋落の「7つの要因」と「10の復活大戦略」
島田晴雄
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹

人気の講義ランキングTOP10
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(6)評価制度設計と「夢」の重要性
なぜ二本立ての評価制度が必要か…多種多様な人材の評価法
水野道訓
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
ケルト神話の基本を知る(1)ケルト地域と3つの神話群
ケルト神話とは…ダーナ神族、アルスター神話、フィアナ神話
鎌田東二
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(2)言葉を理解するプロセスとスキーマ
なぜ子どもは教えられても理解できないのか?鍵はスキーマ
今井むつみ
東大ハチ公物語―人と犬の関係(1)上野英三郎博士とハチ
忠犬ハチ公で哲学する…人と犬の関係から見えてくる道徳論
一ノ瀬正樹
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫