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DATE/ 2017.06.05

ニオイの見える化?職場の気になるスメハラ対策

 夏は特に汗をかきやすい季節。そして気になるのは、臭いの問題です。汗だけでなく、口臭、加齢臭、その逆となる、香水臭いなど、敏感な人もいれば鈍感な人もいるので、共有しにくく、また、指摘しにくいデリケートな問題をはらんでいます。

職場でのニオイ問題

 2017年の5月、(株)マンダムが実施した「職場のニオイに関する意識調査」が公表されました。クールビズシーズンに「気になること」の第1位は、やはりというべき、「ニオイ(体臭)」であると報告されています。具体的なニオイの種類については、1位「体臭」2位「口臭」3位「タバコのニオイ」となっています。

 パワハラ、セクハラ、マタハラと、職場でのハラスメントは数多くありますが、ここで注目されるのは「スメルハラスメント」です。

 同調査によると、「スメルハラスメント」の認知率は3年で2倍以上の45.8%に拡大しており、4割の人が「職場にスメルハラスメントがある」と回答し、6割が「問題である」との認識しているものの、「職場としてのニオイ対策への取り組み実施」はわずか10.4%とのこと。

 職場での具体的な対策は、「消臭スプレー等の社内設置」「空気清浄機の設置」「換気」など、不快なニオイの除去が中心となる対策ばかりで、ニオイの原因となる個々人へのアプローチはなかなかできていないようです。

ニオイもみえる化

 なかなか自分では気がつきにくいニオイの問題についてですが、画期的なプロダクトが公表されています。それは、コニカミノルタ社による「体臭(ニオイ)見える化プロジェクト」で開発された体臭チェッカー「Kunkun body(クンクンボディ)」です。においセンサーを複数搭載した小型のデバイスで、専用アプリを通じてスマートフォンとつなげて使い、「汗臭」「ミドル脂臭」「加齢臭」の三つの体臭の強さを各10段階で表示することができるというもの。これまで主観的でなかなか共有できなかったニオイのレベルがひと目でわかります。年内(2017年中)の発売を目指しているということで、セルフチェックから、職場での活用が期待されます。

 自分のニオイは相手に対するハラスメントになりますが、ニオイがする人への対応によっては逆のハラスメントになります。大事なのは清潔を心がけ、自分のスメルマネジメントを意識しつつ、客観的なニオイの見える化を進めることで、二重の意味でのハラスメントを避けることができそうです。

<参考サイト>
・マンダム 職場のニオイに関する意識調査2017
http://www.mandom.co.jp/release/2017/src/2017052501.pdf
・コニカミノルタ 体臭(ニオイ)見える化プロジェクト
https://www.konicaminolta.jp/hana/
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橋爪大三郎
社会学者 東京科学大学名誉教授 大学院大学至善館教授
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今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授