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DATE/ 2017.07.06

資産1億円以上!お金持ちの時間の使い方とは?

 お金持ちになる人と貧乏の人はいったい何が違うのでしょう。違いというと、よく言われるのが、血統や才能など先天的な要素です。たしかに、先天的な要素は人生に強く影響していると思います。

 しかし、当然ながら、先天的な要素は、努力しても真似することはできません。真似できること、誰でも実行できることでなければ、そこに学びはありません。

 そこで、着目したいのが、時間の使い方です。時間は、お金持ちであれ貧乏であれ、すべて人にフェアに経過していきます。時間の使い方なら、真似できることも少なくないでしょう。

 不動産を含まない純金融資産1億円以上の人を「富豪」と定義し、300人の「富豪」たちに毎日の生活についてアンケート調査を実施、検証した記事が雑誌『プレジデント』(2017.6.12号)に掲載されました。その記事などをもとにして、富豪の時間の使い方を紹介したいと思います。

6割の富豪は23時台までに寝る

 お金持ちには、早寝早起きを生活の基本としている人が多いようです。『プレジデント』のアンケートでは、半数以上が「5時台」と「6時台」に起床しています。「5時以前」も含めると、65%以上が7時前に起床しています。

 脳科学者の茂木健一郎さんは、脳科学的にみても朝型の方が仕事ははかどると述べています。朝目覚めてからの約3時間は、脳が最も効率よく働くゴールデンタイムなのだそうです。富豪たちの早寝早起きは脳科学的に見ても適切なのでしょう。

 就寝は「23時台」が最も多く、「23時台」を含めて半数以上が「24時以前」という結果になっています。朝が早い分だけ、眠くなるのも早いということでしょう。睡眠時間は「6~7時間」が約60%という結果でした。わりとたっぷり眠っているようです。

通勤時間ほどムダなものはない

 次に通勤時間です。驚いたことに、アンケートでは「10分未満」が最も多かったのです。「通勤時間ほどムダなものはない」が富豪たちの考え方。時間をムダにしないという発想は、一貫していて、待ち合わせ時間も63.7%が「10分前」には到着すると回答しました。

 この結果に対して、ZUU代表取締役社長の富田和也氏は「わずかな遅刻でも相手によって信頼を失うリスクの大きさを知っているからです」と分析しています。

 通勤時間10分未満はなかなか真似するのは困難かもしれませんが、待ち合わせ時間10分前は誰でも実行できることですね。元外務省主任分析官の佐藤優氏も遅刻については「遅刻は非常にマズイです。時間を守れない人は、すべての分野でだらしないというレッテルが貼られ、責任のある仕事を任せてもらえません」と述べています。

「ハッ」と目覚める瞬間を逃さないこと

 通勤時間「10分未満」同様、先述した早寝早起きも業種によっては難しい方もいると思いますが、実行できる環境にある方はぜひトライしてみてください。

 ちなみに、睡眠について、佐藤優氏は『読書の技法』において、睡眠法は、「自分の体質に合わせて、必要で十分な時間をとる」という以外の方策がないと述べたうえで、あえて言うならば「ハッ」と目が覚める瞬間を逃さずに、二度寝、三度寝をしないことだと述べています。ポイントは、「ハッ」と目覚める瞬間を逃さないことです。

 富豪を目指している方は、ともかくタイムイズマネー、まずは早寝早起きと待ち合わせ時間厳守です。明日からと先送りせず、できることは今日から実行していきましょう。

<参考文献・参考サイト>
・『プレジデント 2017.6.12号』(プレジデント社)
・『読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』(佐藤優著、東洋経済新報社)
・THE21 ONLINE:脳科学者が勧める「朝時間」の使い方
http://shuchi.php.co.jp/the21/detail/3360
・日刊SPA!:佐藤優「遅刻ばかりしている人の対処法」
https://nikkan-spa.jp/322936?guid=ON
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