テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2024.09.18

緊張しやすい人のための「緊張をほぐす方法」

 「会議でプレゼンをしようとすると頭の中が真っ白になる」「人前に立つと視線が気になって声が震えてしまう」といった経験はありますでしょうか。今回は緊張をほぐす方法についてお伝えします。

どんな人でも緊張はほぐすことができる!

 最初にお伝えしたいことがあります。それは「緊張は(必ず)ほぐすことができる!」ということです。このことは当たり前のようでとても大切なことですので、「自分は緊張しやすい」という人にこそ、しっかりと意識してほしいと思います。

 そのうえで、ぜひ次の3つのステップの「緊張をほぐす方法」を試してみてください。

第1ステップ:体感する「体」へのアプローチ

 緊張をほぐすためには、まず「緊張」を体感している「自分の体」への直接的なアプローチを試みましょう。一番手軽でどこでもできることが息を整えること、つまり深呼吸です。いろいろな呼吸法がありますが、その中から『緊張して失敗する子どものためのリラックス・レッスン : 親子でチャレンジ10ステップ』より、「4・4・8呼吸法」をご紹介します。

 まずは約4秒かけて、おなかに息を送り込んでふくらませるイメージで、鼻から思い切り息を吸い込みます→つぎに約4秒息を止めます→さいごに約8秒かけて口からゆっくりと、おなかがへこむまで完全に息を吐き出します。これを10回程くり返しましょう。

 深呼吸のコツは「吸う息より吐く息を長くする」ことです。吐く息を長くすることで、体内に入りすぎた酸素の量を調整することができます。自分にあった深呼吸がうまくできるようになったら、体の力の抜き方や手足や首のコリのほぐし方など、いろいろなリラックス法を取り入れていくこともおすすめです。

第2ステップ:イメージする「心」の具現化

 深呼吸より時間の余裕があれば、自分に暗示をかけるようなイメージトレーニングを試してみてください。そもそも緊張は、不安感や人からどう見られているかが気になるからこそ発生します。『不安や緊張を力に変える心身コントロール術』では「不安」を「ヴァーチャルな問題」と捉えています。緊張は他者を気にする自分の気持ちが作り出すヴァーチャルな問題、つまり「自身の心」のありようの問題といえます。

 たとえば、大切なイベントなどの場合、数日前から緊張が高まりはじめることがあるでしょう。そんなときは不安要素を具体的に箇条書きし、問題を区切って対処法を考えてみましょう。緊張が高まる気持ちに寄り添って、漠然とした不安を文字として個別に具現化することで少なくしていき、成功イメージを高めていきます。

 また、『大勢の中のあなたへ』では、「呪文」を「心の中でさけぶ」ことをすすめています。本番直前に「やってやるぞ!」とかけ声で気分を盛り上げたり、「やればできる!」と呪文のように心の中でさけんだりするだけでも違ってきます。よい結果のイメージを思い描くことで悪いイメージを打ち消すような、心の持ちよう(言い換えれば、自信を持つこと)が大切なのです。

第3ステップ:「技」へのアプローチ

 長い目で見れば、必要なときに自分の意思で緊張をほぐすようにできること、緊張をコントロールする技を身につけることができればベストです。知らないことやわからないことは緊張しやすく、未経験や慣れないことは失敗しやすいものです。

 『本番に強い人は、ヤバいときほど力を抜く 人前で話すのが劇的にラクになる7つの技法』でも「自分が緊張してしまうことに対しての最低限の知識を持つなどの準備はしっかりしましょう」とあります。緊張せずに成功をおさめ、成果を得るためには、目的や目標が大きいほど必要なスキルである、「自己の技」を高めることが必要になってきます。

 自分が緊張してしまうことに対して知識や技術を身につけられるよう、無理なく継続して取り組んでみてください。このときのポイントは、結果から逆算して終わりを意識して計画をたてることです。

緊張は成功に必要!? ヤーキース・ドットソンの法則

 緊張の程度とパフォーマンスの出来は、Uの字を逆にした曲線で示すことができます。「ヤーキース・ドットソンの法則」とよばれ、適度な緊張感が高まったときによい結果が出やすいという実験結果がでています。つまり、成果をあげるためには自分にあった適度な緊張感が必要、ということです。

 緊張しやすい人こそ、自分の「心・技・体」にあった緊張のほぐし方・付き合い方を手に入れることで、より大きな成果や成功を手に入れることができるはずです。

<参考文献>
『大勢の中のあなたへ』(ひきたよしあき著、朝日学生新聞社)
『緊張して失敗する子どものためのリラックス・レッスン : 親子でチャレンジ10ステップ』(有光興記監修、講談社)
『不安や緊張を力に変える心身コントロール術』(安田登著、じっぴコンパクト新書、実業之日本社)
『本番に強い人は、ヤバいときほど力を抜く 人前で話すのが劇的にラクになる7つの技法』(森下裕道著、清流出版)
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

花粉、炭素、酸素同位体…重複分析で分かる弥生時代の環境

花粉、炭素、酸素同位体…重複分析で分かる弥生時代の環境

弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(3)弥生時代の環境と気候

古代の気候を推測するために、研究者はさまざまな方法を駆使してきた。海水面の位置をもとにした「弥生の小海退」説をはじめ、花粉や炭素濃度などから行う分析法には難点もある。その難点を克服した方法によって見えてきた弥生...
収録日:2024/07/29
追加日:2025/04/02
藤尾慎一郎
国立歴史民俗博物館 名誉教授
2

分断進む世界でつなげていく力――ジェトロ「3つの役割」

分断進む世界でつなげていく力――ジェトロ「3つの役割」

グローバル環境の変化と日本の課題(5)ジェトロが取り組む企業支援

グローバル経済の中で日本企業がプレゼンスを高めていくための支援を、ジェトロ(日本貿易振興機構)は積極的に行っている。「攻めの経営」の機運が出始めた今、その好循環を促進していくための取り組みの数々を紹介する。(全6...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/04/01
石黒憲彦
独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)理事長
3

なぜやる気が出ないのか…『それから』の主人公の謎に迫る

なぜやる気が出ないのか…『それから』の主人公の謎に迫る

いま夏目漱石の前期三部作を読む(5)『それから』の謎と偶然の明治維新

前期三部作の2作目『それから』は、裕福な家に生まれ東大を卒業しながらも無気力に生きる主人公の長井代助を描いたものである。代助は友人の妻である三千代への思いを語るが、それが明かされるのは物語の終盤である。そこが『そ...
収録日:2024/12/02
追加日:2025/03/30
與那覇潤
評論家
4

きっかけはイチロー、右肩上がりの成長曲線で二刀流完成へ

きっかけはイチロー、右肩上がりの成長曲線で二刀流完成へ

大谷翔平の育て方・育ち方(5)栗山監督の言葉と二刀流への挑戦

高校を卒業した大谷翔平選手には、選手としての可能性を評価してくれた人、そのための方策を本気で考えてくれた人がいた。それは、ロサンゼルス・ドジャースの日本担当スカウト小島圭市氏と、元日本ハムファイターズ監督で前WBC...
収録日:2024/11/28
追加日:2025/03/31
桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト
5

このように投資にお金を回せば、社会課題も解決できる

このように投資にお金を回せば、社会課題も解決できる

お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(6)日本の課題解決にお金を回す

国内でいかにお金を生み、循環させるべきか。既存の大量資金を社会課題解決に向けて循環させるための方策はあるのか。日本の財政・金融政策を振り返りつつ、産業育成や教育投資、助け合う金融の再構築を通した、バランスの取れ...
収録日:2024/12/04
追加日:2025/03/29
養田功一郎
元三井住友DSアセットマネジメント執行役員