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DATE/ 2018.02.16

高熱が出ない?「隠れインフル」に要注意!

 今冬はインフルエンザが大流行しています。2018年1月26日に厚生労働省が発表した数字によると、1月15日から21日までの一週間で報告された患者数は、1医療機関あたり51.93人で、前週の26.44人からほぼ倍増。警報レベルの30人をはるかに超え、現在の調査方法となった1999年以降で最多になるそうです。そうした中で「隠れインフルエンザ」とも呼ばれる、症状が軽いけれどインフルエンザ陽性というケースも目立っています。

38℃以上、関節痛が基本的な特徴、だけど…

 インフルエンザの症状は、厚生労働省の表現を借りると「38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れるのが特徴」というもの。ですが、「隠れインフル」の場合、熱はあまり高くないどころか、平熱なのにインフルエンザと診断されたという知人もいるほどです。

 大きな流行の原因となるインフルエンザウイルスはA型とB型。例年であれば2月に増え始めるインフルエンザB型が1月時点で早くも流行しているというのが今年の特徴です。B型は熱が上がらないこともありますが、「隠れインフル」=B型とも必ずしも言い切れないので注意が必要です。「隠れインフル」の怖いところは、自覚症状がないままウイルスを周りにまき散らしてしまうこと。インフルエンザのシーズンに少しでも風邪っぽさを感じたら医療機関で診断を受けるべきでしょう。

マスクはインフルエンザの予防効果期待できない!?

 この季節は電車内でもマスクをしている人が多く、風邪予防にはマスク着用が常識のように思われていますが、先日厚生労働省が衝撃的な発表をしました。それは「感染拡大を防ぐのに有効だが、自分を守る手段としては推奨していない」というもの。これまでせっせとマスクをしていたのは何のためだったのか??と力が抜けてしまいそうになりますね。

 そもそもインフルエンザの感染経路はせきやくしゃみで飛び散ったウイルスを吸い込んでしまう飛沫感染と、ウイルスがついた手すりや扉を触り、その手で口や鼻に触れる接触感染の二種類があります。マスクは飛沫感染の可能性を多少軽減できるのですが、それよりもむしろ「感染拡大を防ぐのに有効」の言葉通り人にうつしてしまう可能性を軽減させる効果があるということです。

 予防のためにマスクより重要なのは、接触感染を防ぐためのこまめなうがい、手洗い。オーソドックスなようですが、これが一番基本です。また、インフルエンザウイルスは冷たく乾燥した場所を好むため、加湿器やエアコンで部屋を適度な湿度、温度に保つことや、しっかり食事、睡眠をとって体力を落とさないこともポイントです。

<参考サイト>
・厚生労働省:インフルエンザに関する報道発表資料
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000193078.pdf
・産経ニュース:インフル予防にマスクは「推奨していない」厚生労働省
http://www.sankei.com/life/news/180126/lif1801260043-n1.html
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