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DATE/ 2018.04.15

シミができやすい人の特徴とは?

 「そばかすなんて気にしないわ」というのは、往年の少女漫画の名作『キャンディ・キャンディ』のテーマソングですが、「そばかす」と「シミ」の違いをご存じですか?

 そばかすもシミの一種ではあるのですが、遺伝によるもので、若い世代に多く見られます。一方、「シミ」は日頃の生活習慣が産む、後天的な症状で、どうしてもシミには「加齢」というイメージがつきまといます。年齢があがるほど、「あら、こんなところに……」と鏡の前で年をとったことを感じるということも多くなるのではないでしょうか。しかし、同年齢でもシミが多い人、少ない人といることは確かです。では、シミのできやすい人の特徴とは何なのでしょうか?

シミができやすい人の2つの特徴

 シミが出来やすいのは圧倒的に女性です。これは、女性ホルモンの影響が関係しているといわれています。そのなかでも、大きくシミができやすい人の特徴は2つ。1つめは体質的な理由です。シミは、肌を守るためのメラニンが必要以上に作られてしまい、肌に溜まった状態を指します。遺伝子の構造上、メラニンが多く分泌されやすいのは色白の人といわれ、白人の方にシミやそばかすが多いのは、肌を守ろうとする遺伝上の仕組みが原因なのです。

 また、このメラニンは肌のターンオーバーによって古くなった角質とともに体の外に剥がれ落ちていきます。しかし、血流の悪い人はこのターンオーバーのサイクルが乱れているため肌に残りやすくなります。こちらも体質的な理由にあげられます。

 2つめの理由は、生活習慣です。メラニンが分泌されるのは紫外線に当たったとき。つまり、外出の多い人や野外でのスポーツが趣味の人などは、自然とメラニンが蓄積しやすいと考えられています。また、睡眠不足など不規則な生活をしている方は、肌の細胞を活性化させる成長ホルモンが足りず、メラニンが肌に残ってしまいやすくなります。

改善するためには日頃のスキンケアが大切

 ではどうすればいいのでしょうか。まずはスキンケアと、日焼け対策が重要です。シミを生み出さないようにするためには、日に焼けないことが第一だからです。丁寧に保湿することで焼けにくい肌質を作り、外に出るときは日焼け止めクリームを塗ってメラニン生成を押さえます。

 また食べ物では、ビタミン類が豊富なものが肌にはよいといわれています。血管や細胞などを傷付ける活性酸素は、肌の細胞にも影響を及ぼします。そこで、ビタミンE、ビタミンC、βカロテン、ポリフェノールなど、活性酸素に対抗する抗酸化作用のあるビタミン類を含んだ食べ物が有効なのです。ビタミンCであればイチゴやブロッコリー、ビタミンEであればアボガドやナッツ類などがあげられます。

 睡眠不足の改善はもちろんですが、毎日きちんとお風呂に入ることも大切です。お風呂に入ることで血行がよくなり、肌のターンオーバーのサイクルを整えることにも繋がります。

スキンケアのしすぎにも注意が必要

 しかし、お手入れが入念すぎるのも注意が必要です。美容液に化粧水、乳液、日焼け止めクリームや保湿オイル、クレンジングオイルなど、お肌のスキンケアにはさまざまなアイテムがありますが、これらを塗り込む際、手が顔や肌に何度も触れることになります。刺激が重なると、せっかくケアをした肌にもダメージが入ってしまうのです。

 また、お風呂上がりや洗顔後にタオルで肌をゴシゴシと擦ってしまうのもNGです。擦った部分には「摩擦黒皮症」というシミができやすくなってしまい、せっかくのお手入れもこれでは本末転倒になってしまいます。

 そこで大切なのは、手やタオルで皮膚に触れる際は擦るのではなく、やさしく湿布すること。化粧水などはコットンを使って、肌に当てるといいかもしれません。

シミと付き合いながら充実した生活を

 加齢とともに増えて行くシミ。しかし、シミを作らないために、楽しいアウトドアの時間や、運動から遠ざかってしまうことはあまりよいとは言えません。運動不足や、外見について気にしすぎるあまりストレスが溜まってしまい、肌荒れを起こしてしまっても、それはシミに繋がってしまうのです。

 それでも気になる方は、一度皮膚科を受診してみるのも方法の1つです。適度なスキンケアと日焼け止め対策をしたら、あとは思うままに、充実した生活が送れるとよいのではないでしょうか。
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