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国別にみる「女性のメイク」の特徴とは?
化粧品メーカーのカネボウは、東京、北京、上海、台北、バンコク、ソウル、ニューヨークといった東アジア中心の7都市の女性1,219名に対して「女性のライフスタイル調査(2016年10月)」を実施。国別のメイクの特徴や相違点について発表しました。
このカネボウの調査結果をもとに、東京、そして海外のメイク事情を見てみましょう。
東京のメイクは身だしなみ・エチケットのためにするもの。周囲に溶けこむような、温和で可愛いメイクを好み、逆に個性的なスタイルを嫌います。アイテムは多いが、メイクに時間はかけません。
ソウルのメイクは欠点をカバーし、自己表現するためのもの。周囲から見劣りしないよう、積極的に外見を磨き、多くのアイテムを駆使して、たっぷりとメイクに時間をかけます。
調和を意識する東京に対し、ソウルではメイクは自分の欠点をおぎない、完璧さを目指すツールであると考えているようです。学歴格差や競争が目立つ韓国ならではの美意識といえるでしょう。
とはいえ両国のメイクの意識には共通点もあります。それはオンとオフでメイクを使い分けない、ということです。
北京、バンコク、ニューヨークでは、メイクによって仕事への自信に繋がると考えるのに対し、東京やソウルでは、仕事のためのメイクは「義務的に行うもの」だと考え、仕事においてメイクを楽しめない傾向が強いようです。
カネボウはこれらの結果に対し、東京とソウルは、他都市と比べても総合的な生活満足度が低く、将来に対し不安を持っていることが影響しているのでは、などと指摘しています。
人の輪を重視する日本と、競争社会の韓国。一見真逆のようですが、いずれも「人の目が気になる」ために、メイクの力を借りて心のバランスを保っていると言えそうですね。
北京では美への意識が高く、個性的。青みのある華やかな色を使います。ただし、好みはナチュラルメイク。エレガントで仕事がデキる女性に憧れます。
上海ではナチュラルメイクを好み、北京よりも優しい色を使います。見た目の美しさはもちろんですが、センスが良く社交的・健康的な女性に憧れます。
華やかで美意識の高い北京に対し、上海は社交的で楽しいことが優先され、流行り物も好きそうな印象がうかがえます。
北京の女性は日本でいう東京のキャリアウーマンタイプ、上海は横浜や神戸にいるファッショナブルな女性タイプ、というと想像しやすいでしょうか。美的感覚にも地域差があるようですね。
沖縄よりはるか南に位置する台湾は、南国気質のためかおおらかであるいっぽう、表現がストレートで独立心が強く、サバサバしている人が多いといわれています。
そういった性格も影響しているのか、メイクは身だしなみのためであるほかに「リフレッシュする」という意味が含まれているようです。
仏教国である影響からか基本的にナチュラルメイクを好むものの、アイシャドウや眉、リップを重視しています。オンとオフでメイクを使い分け、コントロールカラーを上手に使って違いを楽しんでいるそうです。
タイは「微笑みの国」というだけあって、他のアジアの都市よりもメイクをする姿勢に余裕が感じられますね。
また身だしなみを整えるのはもちろんのこと、メイクは「女性であることを楽しむ」ためにするものと考える女性が多いようです。
個性が重視されるアメリカでは、やはりメイクもユニークさ、自分なりの楽しさを追求するのが基本のようですね。
あなたは、どの国のメイクに好感が持てますか?
このカネボウの調査結果をもとに、東京、そして海外のメイク事情を見てみましょう。
「調和」を望む東京 「完璧な美」を求めるソウル
BBクリームなど「韓国コスメ」は日本でも大人気ですが、日本(東京)と韓国(ソウル)、両国のメイクの表現方法には大きな違いがあるようです。東京のメイクは身だしなみ・エチケットのためにするもの。周囲に溶けこむような、温和で可愛いメイクを好み、逆に個性的なスタイルを嫌います。アイテムは多いが、メイクに時間はかけません。
ソウルのメイクは欠点をカバーし、自己表現するためのもの。周囲から見劣りしないよう、積極的に外見を磨き、多くのアイテムを駆使して、たっぷりとメイクに時間をかけます。
調和を意識する東京に対し、ソウルではメイクは自分の欠点をおぎない、完璧さを目指すツールであると考えているようです。学歴格差や競争が目立つ韓国ならではの美意識といえるでしょう。
とはいえ両国のメイクの意識には共通点もあります。それはオンとオフでメイクを使い分けない、ということです。
北京、バンコク、ニューヨークでは、メイクによって仕事への自信に繋がると考えるのに対し、東京やソウルでは、仕事のためのメイクは「義務的に行うもの」だと考え、仕事においてメイクを楽しめない傾向が強いようです。
カネボウはこれらの結果に対し、東京とソウルは、他都市と比べても総合的な生活満足度が低く、将来に対し不安を持っていることが影響しているのでは、などと指摘しています。
人の輪を重視する日本と、競争社会の韓国。一見真逆のようですが、いずれも「人の目が気になる」ために、メイクの力を借りて心のバランスを保っていると言えそうですね。
近くて遠い美的感覚 北京&上海
北京と上海。同じ中国でも、メイクの表現には微妙な差があります。北京では美への意識が高く、個性的。青みのある華やかな色を使います。ただし、好みはナチュラルメイク。エレガントで仕事がデキる女性に憧れます。
上海ではナチュラルメイクを好み、北京よりも優しい色を使います。見た目の美しさはもちろんですが、センスが良く社交的・健康的な女性に憧れます。
華やかで美意識の高い北京に対し、上海は社交的で楽しいことが優先され、流行り物も好きそうな印象がうかがえます。
北京の女性は日本でいう東京のキャリアウーマンタイプ、上海は横浜や神戸にいるファッショナブルな女性タイプ、というと想像しやすいでしょうか。美的感覚にも地域差があるようですね。
台北はあくまで自分のためのメイク
親日としても有名な台湾の首都・台北ですが、東京と違い、使う化粧品は少なめ。ナチュラルメイクを好み、一見地味ですが、クレバーな印象を持たれることを良しとしています。沖縄よりはるか南に位置する台湾は、南国気質のためかおおらかであるいっぽう、表現がストレートで独立心が強く、サバサバしている人が多いといわれています。
そういった性格も影響しているのか、メイクは身だしなみのためであるほかに「リフレッシュする」という意味が含まれているようです。
バンコクは心のゆとりが生んだメイク
タイの首都・バンコクの女性は、7都市の中でももっとも「生活に対する満足度が高い」ことが判明。仕事もプライベートも充実しているせいか、メイクへの気持ちも積極的。仕事に行くときのメイクには、特に力を入れているようです。仏教国である影響からか基本的にナチュラルメイクを好むものの、アイシャドウや眉、リップを重視しています。オンとオフでメイクを使い分け、コントロールカラーを上手に使って違いを楽しんでいるそうです。
タイは「微笑みの国」というだけあって、他のアジアの都市よりもメイクをする姿勢に余裕が感じられますね。
ニューヨークではオリジナリティが最優先!
ニューヨークでは、メイクは隠すものではなく、己の持ち味を活かすファッションである、という考え方から、骨格を活かした目元メイクが特徴。そのため、マスカラ、アイライナー、リップが最優先で、ベースメイクはさほど重要視していません。また身だしなみを整えるのはもちろんのこと、メイクは「女性であることを楽しむ」ためにするものと考える女性が多いようです。
個性が重視されるアメリカでは、やはりメイクもユニークさ、自分なりの楽しさを追求するのが基本のようですね。
メイクは「お国柄」や「社会環境」も表している
いかがでしたか。各国のメイクの特徴を見て、思わず「ああ!」とうなずく部分も多かったのではないでしょうか。メイクは女性の価値観だけでなく、その国の「お国柄」や「社会環境」も表しているのですね。あなたは、どの国のメイクに好感が持てますか?
<参考サイト>
・カネボウ:女性の生活や仕事への意識か、メイク表現にも影響を与える
https://www.kanebo-cosmetics.co.jp/company/news_material/pdf/kanebo_oxcofiudho.pdf
・カネボウ:女性の生活や仕事への意識か、メイク表現にも影響を与える
https://www.kanebo-cosmetics.co.jp/company/news_material/pdf/kanebo_oxcofiudho.pdf
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