テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2022.02.24

専門家が選ぶ「本当に住みやすい街」ランキング

 首都圏で「住みたい街」をイメージするとどこでしょうか。SUUMOが発表する「住みたい街ランキング2021」によると、1位が横浜、2位は恵比寿、3位は吉祥寺という順番です。このあたりは定番と言ってもいいですよね。ある意味ブランド化されたオシャレな街です。しかし、街の魅力はブランドだけでは測れない部分も多くあります。ということで今回は、別の視点から街の魅力を覗いてみましょう。参考にするのは、「住みやすさ」に力点をおいた「本当に住みやすい街大賞2022」のランキングです。

「本当に住みやすい街大賞2022」ランキングトップ10

 「本当に住みやすい街大賞2022」は住宅ローン専門金融機関アルヒ株式会社がデータを分析し、住宅評論家の櫻井幸雄氏やファイナンシャルプランナーの岡本郁雄氏ら専門家を審査委員として審査・選定したランキングです。評価項目は「住環境」「交通利便」「教育環境」「コストパフォーマンス」「発展性」の5つの基準となっています。
ランキングトップ10は以下の通り(5点満点)。

1位 辻堂(JR東海道線)4.24
2位 川口(JR京浜東北線)4.05
3位 多摩境(京王相模原線)4.00
4位 大泉学園(西武池袋線)3.99
5位 海浜幕張 (JR京葉線)3.97
6位 たまプラーザ(東急田園都市線)3.88
7位 花小金井(西武新宿線)3.83
8位 月島(東京メトロ有楽町線)3.81
9位 船堀(都営地下鉄新宿線)3.69
10位 新秋津(JR武蔵野線)3.49

 どうでしょうか。普段あまり聞き慣れない駅名もあるという方も多いのではないでしょうか。先に示した「住みたい街ランキング」とはかなり違う印象です。これはなかなか新しいランキングかもしれません。トップ3の詳細を見てみましょう。

「辻堂」再開発により利便性が急上昇!

 辻堂は駅周辺は再開発事業「湘南C-X(シークロス)」が完了し、今後も車の利便性向上が期待できる街です。また湘南エリア最大級の複合商業施設「テラスモール湘南」が駅前に立地しているほか、生活圏内に買い物施設が充実、レジャースポットなどの周辺環境が良好であることも評価を大きく上げたポイントです。

「川口」豊かなライフバランスが叶うコスパの高さが魅力

 建設中の複合ビルには、住宅や商業施設のみならず子育て支援施設や医療施設など地域住民を支える施設が整備され、さらなる発展が期待されるほか、お隣の赤羽駅と比べ新築タワーマンションの価格が2割程度安いことも評価されました。のびのび過ごせる環境なのに都心から近く、都内主要駅への交通の利便性が高いことも魅力的です。

「多摩境」リニア新駅で更なる発展が期待される郊外型ニュータウン

 緑豊かな住宅街が広がり落ち着いた環境が整っている多摩境。戸建て、マンションともに価格が抑えられており、コスパの高さが魅力的です。大型商業施設が駅から車で約5分と普段の買い物にも困らない点や、子育てにも嬉しい取り組みが充実している点も評価ポイントでした。

シニアランキングトップ3

 「本当に住みやすい街大賞2022」では、シニア層に焦点を合わせたランキングも公開されています。こちらの評価基準は、徒歩移動を考えた「生活環境」、余暇を過ごすための「レジャー環境」、「福祉医療環境」、バリアフリーと防犯性から考えた「街の安全性」、電車やバスを中心とした「交通の利便性」の5つです。ランキングトップ3は以下の通り。

1位 ひばりヶ丘(西武池袋線)4.12
2位 稲毛海岸(JR京葉線)4.01
3位 相模大野(小田急小田原線)3.90

 ひばりヶ丘は「23区全域に好アクセス、駅前に買い物環境がコンパクトにまとまる成熟した街」と評され、すべての評価基準で高ポイントを獲得しました。西武池袋線急行や快速の停車駅のため、都心にも比較的スムーズに出られること、関越自動車道「大泉IC」が近く軽井沢まで約2時間で行けるなど、都心にも観光地にも好アクセスの魅力的な立地です。平たんな地形が多いため歩きやすいという点も、シニア層から高く支持された理由でした。

 さて、ここまでランキングを見てきましたが、「住みたい街ランキング」は街のイメージ調査といってもいいかもしれません。その点、ここで紹介した「本当に住みやすい街大賞」は現実的な観点からの魅力です。

 もちろん、住む場所にとって大事な要素は「住みやすいかどうか」だけではありません。住みたい街に住むというだけで、毎日がワクワクするということも大事な要素です。しかし、年齢を重ねれば重ねるほど、より現実的な尺度で住む場所を選ぶことが大事になるのではないでしょうか。できれば、より長く、より快適に暮らしていきたいと考えるひとにとってはたいへん興味深い調査と言えるでしょう。

<参考サイト>
本当に住みやすい街大賞 2022
https://www.aruhi-corp.co.jp/cp/town_ranking/kanto/
住みたい街ランキング2021 総合トップ - SUUMO
https://suumo.jp/edit/sumi_machi/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

花粉、炭素、酸素同位体…重複分析で分かる弥生時代の環境

花粉、炭素、酸素同位体…重複分析で分かる弥生時代の環境

弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(3)弥生時代の環境と気候

古代の気候を推測するために、研究者はさまざまな方法を駆使してきた。海水面の位置をもとにした「弥生の小海退」説をはじめ、花粉や炭素濃度などから行う分析法には難点もある。その難点を克服した方法によって見えてきた弥生...
収録日:2024/07/29
追加日:2025/04/02
藤尾慎一郎
国立歴史民俗博物館 名誉教授
2

分断進む世界でつなげていく力――ジェトロ「3つの役割」

分断進む世界でつなげていく力――ジェトロ「3つの役割」

グローバル環境の変化と日本の課題(5)ジェトロが取り組む企業支援

グローバル経済の中で日本企業がプレゼンスを高めていくための支援を、ジェトロ(日本貿易振興機構)は積極的に行っている。「攻めの経営」の機運が出始めた今、その好循環を促進していくための取り組みの数々を紹介する。(全6...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/04/01
石黒憲彦
独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)理事長
3

なぜやる気が出ないのか…『それから』の主人公の謎に迫る

なぜやる気が出ないのか…『それから』の主人公の謎に迫る

いま夏目漱石の前期三部作を読む(5)『それから』の謎と偶然の明治維新

前期三部作の2作目『それから』は、裕福な家に生まれ東大を卒業しながらも無気力に生きる主人公の長井代助を描いたものである。代助は友人の妻である三千代への思いを語るが、それが明かされるのは物語の終盤である。そこが『そ...
収録日:2024/12/02
追加日:2025/03/30
與那覇潤
評論家
4

きっかけはイチロー、右肩上がりの成長曲線で二刀流完成へ

きっかけはイチロー、右肩上がりの成長曲線で二刀流完成へ

大谷翔平の育て方・育ち方(5)栗山監督の言葉と二刀流への挑戦

高校を卒業した大谷翔平選手には、選手としての可能性を評価してくれた人、そのための方策を本気で考えてくれた人がいた。それは、ロサンゼルス・ドジャースの日本担当スカウト小島圭市氏と、元日本ハムファイターズ監督で前WBC...
収録日:2024/11/28
追加日:2025/03/31
桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト
5

このように投資にお金を回せば、社会課題も解決できる

このように投資にお金を回せば、社会課題も解決できる

お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(6)日本の課題解決にお金を回す

国内でいかにお金を生み、循環させるべきか。既存の大量資金を社会課題解決に向けて循環させるための方策はあるのか。日本の財政・金融政策を振り返りつつ、産業育成や教育投資、助け合う金融の再構築を通した、バランスの取れ...
収録日:2024/12/04
追加日:2025/03/29
養田功一郎
元三井住友DSアセットマネジメント執行役員