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DATE/ 2019.01.11

信用で格付けされる?日本で広まる「信用スコア」

  ヤフーやドコモ、LINEなど参入が相次いでいる信用スコア。クレジットカードの支払いやネット通販の購買情報などを元に1人1人の「信用」を数値化し、金利などに反映させるというものです。当初は金利に差が出る程度ですが、将来的にはもっと広範囲にわたって信用スコアが利用されるかもしれません。フィンテックの多くの面で日本より先を行く中国では何が起こっているのか、見てみましょう。

中国では人々のマナー向上にもつながる?

 中国での信用スコアと言えば「芝麻信用」が最も有名。中国のモバイル決済最大手のAlipay(アリペイ)に付随した機能です。少なくとも都市部では日本よりもキャッシュレス経済がはるかに進んだ中国では、日常の決済をほとんどAlipayかWeChatPay(ウィーチャットペイ)で済ませてしまいます。飲食店や物品の購入などはもちろん、屋台や大道芸の投げ銭などもキャッシュレスで済んでしまうほどです。ということは、日々何を買っているか、ほぼすべてを両サービスに握られているとも言えます。

 飲食や物の購買だけでなく、納税や公共料金の支払い、ローンの返済、飛行機や高速鉄道、ホテルの予約などまで把握している両社は各ユーザーが支払い能力の面でどの程度「信用」できるかも把握しているわけです。そこからAlipayが生み出したのは前述した芝麻信用。支払い履歴などに加え、学歴や勤務先、資産なども採点基準となっているようです。この芝麻信用の点数が高いと、宿泊や様々なレンタルに伴う保証金が不要になる、物品購入の後払いが可能になる、金利が優遇されるなどのメリットがあります。

 一方で点数が低いと航空券や鉄道のチケットを売ってもらえない、使えないサービスがある、NPOなど組織の立ち上げが禁止される、などのデメリットがあるといいます。芝麻信用が浸透すればするほど、マイナス評価がつくような行動は避けるようになるでしょう。このシステムのおかげで、中国人のマナーが向上するのでは?なんて指摘もあるほどです。ただ、一民間サービスの評価付けによって、日常生活の様々な面で優遇されたり逆に制限を受けたりするのは息苦しく感じることもあるかもしれません。

2019年は信用スコア元年になるかも

 日本ではまだここまで信用スコアは浸透していません。ですが、ちょうど今参入真っ盛りの時期。2019年は信用スコア元年か?という予想もされているほどです。みずほ銀行とソフトバンクが共同出資したJ.Scoreの診断を受けてみました。学歴や雇用形態、年収など基本的なプロフィールを記入したところ、1000点満点でのスコアが出てきました。スコアに応じて金利と貸付額の上限がはじき出されます。基本プロフィールを埋めるだけなら数分で終わりますが、その他にも性格や趣味、人生経験など質問に答えるごとにスコアが上がっていきます。広い意味での個人情報を明かせば明かすほど借入条件が良くなるという仕組みです。

 J.Scoreを始めとした信用スコアがどれほど日本で一般的になるかまだわかりませんが、この業界で勝ち残っていったサービスは法律に則り、ユーザーの反感を買わない範囲でスコアの使い道を広げていく可能性はあるでしょう。果たしてそれが中国のようになるのか、ならないのか。1人1人それぞれが気をつけて見ていかなければなりません。

<参考サイト>
・中国で浸透する「信用スコア」の活用、その笑えない実態|WIRED.jp
https://wired.jp/2018/06/26/china-social-credit/
・「信用」が中国人を変える スマホ時代の中国版信用情報システムの「凄み」
https://wisdom.nec.com/ja/business/2017041101/index.html
・J.Score(ジェイスコア) - 日本初、AIスコア・レンディング、始まる
https://www.jscore.co.jp/
(10MTV編集部)