社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
日本企業のグローバル&国内ブランドランキング
もっとも知られている企業ブランドと言えば、どんなものが思い浮かぶでしょうか。まずはAppleやGoogleといったいわゆる「GAFA」あたりを思い浮かべる人は多いかも知れません。車だとメルセデス、スポーツだとナイキ、飲み物だとコカ・コーラといったところが有名です。日本発のブランドに絞って考えてみるとどうでしょう。日本企業のブランドをグローバル(国際的)ブランドランキングとドメスティック(国内)ブランドランキングの両面から見て、傾向を考えてみます。
1位 TOYOTA:53,404$m
2位 HONDA:23,682$m
3位 NISSAN:12,213$m
4位 Canon:10,380$m
5位 SONY:9,316$m
6位 MUFG:6,807$m
7位 Panasonic:6,293$m
8位 UNIQLO:6,235$m
9位 Nintendo:4,696$m
10位 SUBARU:4,214$m
1位、2位、3位を車メーカーが独占しています。また車メーカーとしては10位にスバルもランクイン。ここ数年、スバルはアメリカ市場でたいへん高い評価を受けているようです。その他にはCanon、SONY、Panasonicといったところは電機・精密機器を手がけるメーカーとしての色合いが濃い企業といえるでしょう。総じて技術力を持つ企業が多いイメージでしょうか。一方9位の任天堂は、今では言わずと知れたゲームメーカー、この点はSONYと重なる事業とも言えます。しかし、SONYが様々な分野で自社のブランドを活かしつつ多角的な展開を行うのに対して、任天堂はゲームメーカーとしてのポリシーを貫くことによってブランドを確立していると言えるでしょう。任天堂はゲームソフトの開発と同時にポータブルゲーム機でも、たえず世界の最先端にいます。
1位 NTT docomo:9,732$m
2位 SoftBank:5,523$m
3位 au:4,685$m
4位 RECRUIT:3,947$m
5位 Rakuten:2,696$m
6位 SUNTORY:2,342$m
7位 Asahi:2,091$m
8位 KIRIN:2,007$m
9位 NISSIN:1,184$m
10位 JAL:1,081$m
グローバルランキングとは大きく異なり、国内ではトップ3を携帯キャリアが占めました。携帯キャリア3社(5位の楽天も2019年10月にMNO事業開始予定)が上位を占めるということは、私たちの生活がこういった通信基盤に大きく影響を受けているということかと思われます。これらはいわばコミュニケーションのプラットフォームとして、また行動する際の基本的な情報を得るプラットフォームとしても現代では欠かせない存在です。またビールで有名な企業が3社ともランクインしています。若者の飲み会離れという話が時折囁かれてはいますが、もしかしたら飲み方や飲む場所が変わっているだけなのかもしれません。
また、携帯3社やビールメーカーのCMはいつも話題性があります。他にもこのドメスティックランキングに上がっている企業のCMはだいたい誰でも目にしたことがあるのではないでしょうか。つまり、ブランド力のある企業とは、社会的認知を高める方法(広報戦略)や、需要を喚起する方法(マーケティング)に長けた企業だとも言えるかもしれません。こう見るとここに上がっている企業の価値は、純粋な企業価値とはやや違うということも分かります。
Best Global Brands 2019の3つの評価基準
ここでは、1974にロンドンで設立された世界最大のブランディング専門会社「インターブランド」が毎年発表するランキング「Best Global Brands 2019」を参考にします。この調査の評価基準は以下の3つです。一つ目は、ブランドが冠された事業の現在から将来の収益を予想した「財務分析」、二つ目はブランドが顧客の購買意思決定にどう影響しているか分析した「ブランドの役割分析」、そして、三つ目は、社内要素と社外要素の両面からブランドのリスクを評価した「ブランド強度分析」です。簡単に言うと、「将来性があるか」「人がどの程度欲しているか」「どのくらいイメージが壊れにくいか」といったように捉えて良いかと思われます。グローバル(国際)ブランドランキング
2019年版グローバル(国際)ブランドランキングトップ10は以下の通りです。グローバルブランドランキングは、海外売上高が30%を越えているブランドが対象です。右に示した金額はブランドの価値を金額($m=100万アメリカドル)です。1位 TOYOTA:53,404$m
2位 HONDA:23,682$m
3位 NISSAN:12,213$m
4位 Canon:10,380$m
5位 SONY:9,316$m
6位 MUFG:6,807$m
7位 Panasonic:6,293$m
8位 UNIQLO:6,235$m
9位 Nintendo:4,696$m
10位 SUBARU:4,214$m
1位、2位、3位を車メーカーが独占しています。また車メーカーとしては10位にスバルもランクイン。ここ数年、スバルはアメリカ市場でたいへん高い評価を受けているようです。その他にはCanon、SONY、Panasonicといったところは電機・精密機器を手がけるメーカーとしての色合いが濃い企業といえるでしょう。総じて技術力を持つ企業が多いイメージでしょうか。一方9位の任天堂は、今では言わずと知れたゲームメーカー、この点はSONYと重なる事業とも言えます。しかし、SONYが様々な分野で自社のブランドを活かしつつ多角的な展開を行うのに対して、任天堂はゲームメーカーとしてのポリシーを貫くことによってブランドを確立していると言えるでしょう。任天堂はゲームソフトの開発と同時にポータブルゲーム機でも、たえず世界の最先端にいます。
ドメスティック(国内)ブランドランキング
2019年版ドメスティック(国内)ブランドランキングトップ10は以下の通り。右に示した金額はブランドの価値を金額($m=100万アメリカドル)です。1位 NTT docomo:9,732$m
2位 SoftBank:5,523$m
3位 au:4,685$m
4位 RECRUIT:3,947$m
5位 Rakuten:2,696$m
6位 SUNTORY:2,342$m
7位 Asahi:2,091$m
8位 KIRIN:2,007$m
9位 NISSIN:1,184$m
10位 JAL:1,081$m
グローバルランキングとは大きく異なり、国内ではトップ3を携帯キャリアが占めました。携帯キャリア3社(5位の楽天も2019年10月にMNO事業開始予定)が上位を占めるということは、私たちの生活がこういった通信基盤に大きく影響を受けているということかと思われます。これらはいわばコミュニケーションのプラットフォームとして、また行動する際の基本的な情報を得るプラットフォームとしても現代では欠かせない存在です。またビールで有名な企業が3社ともランクインしています。若者の飲み会離れという話が時折囁かれてはいますが、もしかしたら飲み方や飲む場所が変わっているだけなのかもしれません。
ブランドとはイメージ作り
ブランドランキングという性質上、一般の人たちにどのくらい知られているかということがポイントだと言えるでしょう。また実際には、そのブランドの提供するサービスや商品には、大きな違いがないことも特徴かと思われます。その質に違いがあれば、質がいい物を人は選びます。実際には違いがあまりないからこそ、イメージで、つまりブランドで選ぶという行動が起きると考えていいでしょう。商品の良さはもはや問題ではありません。また、携帯3社やビールメーカーのCMはいつも話題性があります。他にもこのドメスティックランキングに上がっている企業のCMはだいたい誰でも目にしたことがあるのではないでしょうか。つまり、ブランド力のある企業とは、社会的認知を高める方法(広報戦略)や、需要を喚起する方法(マーケティング)に長けた企業だとも言えるかもしれません。こう見るとここに上がっている企業の価値は、純粋な企業価値とはやや違うということも分かります。
企業ブランドが目指す普遍性と地域特性
また、グローバルな企業とドメスティックな企業で求められるものは大きく異なるはずです。ブランド戦略は、親しみを持たれることによって、また好ましいと思わせる付加価値をつけることによって、ものを売ることだとも考えられます。こう考えると、世界的にこの地位を確立しているブランドには何かしら人の心を揺るがすような普遍性が宿っているともいえるでしょう。また、その地域でブランドを獲得している企業には、その地域の特性に根ざしているとも言えます。このあたりの秘密を探っていくと、もしかしたら面白い発見はあるような気もします。<参考サイト>
・Best Global Brands 2019 - Japan's Best Global Brands
https://www.interbrandjapan.com/ja/bjb/global_brands/2019.html
・Best Japan Brands 2019 - Japan's Best Domestic Brands
https://www.interbrandjapan.com/ja/bjb/domes
・Best Global Brands 2019 - Japan's Best Global Brands
https://www.interbrandjapan.com/ja/bjb/global_brands/2019.html
・Best Japan Brands 2019 - Japan's Best Domestic Brands
https://www.interbrandjapan.com/ja/bjb/domes
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
玉川上水の歴史…約8カ月で完成?玉川兄弟の功績とは
『江戸名所図会』で歩く東京~上水と十二社(1)「水の都」江戸の上水道
都市を繁栄させるためには水道の整備が不可欠だが、江戸は世界でも有数の水道網が張り巡らされた都市だった。『江戸名所図会』に描かれた玉川上水を中心に、「水の都」としての一面を持った江戸の上水道について深掘りしていく...
収録日:2024/02/19
追加日:2024/05/05
生成AIの規模拡大で急増する世界的エネルギー事情
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(4)エネルギーにおける「神経と血管」
AI技術の急速な発展と需要の拡大で、これからさらに世界的に電力消費が増えていくことが予想される。デジタルインフラを支える電力がますます必要とされる中で、カーボンニュートラルなエネルギー供給をいかにして安定的に行う...
収録日:2024/02/07
追加日:2024/05/04
地政学を理解する上で大事な「3つの柱」とは
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
国際政治を地理の観点からひも解く「地政学」という学問。近年、耳にすることも多くなった分野だが、どのような手法や意義を持った学問であるかを学ぶ機会は少ない。その基礎から学ぶことのできる今回のシリーズ。まず第1話では...
収録日:2024/03/27
追加日:2024/04/30
幸運と不運はあざなえる縄のごとし…非行少年の運と実力
運と歴史~人は運で決まるか(3)幸運と開運
「幸運」と似た言葉に「開運」があるが、この二つは歴史的にみると少し違うと山内氏は語る。かつて或る国に非行少年だったが運にめぐまれて宰相に上り詰めた男がいたが、彼は本当に幸運だったのか。そもそも幸運とは何か。また...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/05/02
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
18世紀フランスの最も重要な思想家は、モンテスキューとルソーである。この二人は、前者が自由主義思想を確立し、後者が民主主義思想を発展させた点や、経済に対する考え方などに関して相違点を持つが、専制に対する手厳しい批...
収録日:2020/08/17
追加日:2020/09/19