社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
5割が感じる「SNS疲れ」最も疲れるのは…
SNSといえば、Facebook、Twitter、LINE、Instagramといったところが日本ではメジャーかと思われます。これらは日本では2010年から2014年にかけて次々とリリースされ、今では私たちの情報インフラに近い役割を担っている側面もあります。
この発展の一方で、少し前から「SNS疲れ」という言葉もよく聞かれるようになりました。ここでは調査を見ながら、「SNS疲れ」というのがどういうものなのか、またこの先のSNSのあり方についてまで考えてみましょう。
Facebook:42.5%
LinkedIn:42.1% (※サンプル数が少ないので参考値)
mixi:37.2%
LINE:32.2%
Twitter:29.3%
Instagram :27.8%
Ameba:26.5%
TIktok:25.8%
LinkedInは日本ではあまり聞きなじみがないかもしれませんが、ビジネス特化型SNSで、全世界の利用者数は5億人ほどとされています(ちなみにFacebookはおよそ20億人超)。自分の職歴をオープンに記載して、仕事のオファーを受けたり、就職や転職につなげたりすることが主な目的のSNSです。この点に関してはFacebookも同様に使われることもあります。つまり、これらは趣味や日常でのつながりよりも、仕事の人脈をつくったり就職・転職で活用したりするといったツールとしての側面が強いとも言えます。こう考えてみると、ビジネスシーンに関わる、もしくは匿名性の低い(実名性の高い)SNSでより疲れると考えて良さそうです。
さらにSNS上での発言や振る舞いは完全に自己責任です。現実の場面であれば、ちょっとニュアンスが異なって相手に伝わった場合、その場ですぐに修正できたり、他に居合わせた人が修正したり話の矛先を変えたりといった対応が可能です。しかしSNSでの発言は誰も修正できない上、相手に直に届きます。しかもビジネスでのやりとりはスピードが重視されるので、即応性が大事になる場面もあります。手を抜くことができません。かなりのスピードで頭を働かせなければならないことになるでしょう。またビジネスでの関係では、たえず前向きな発言でなければならないという点も否めません。こう考えると、疲れる理由は理解しやすいのではないでしょうか。
即応性を求められるSNSとしては、この中ではLINEがもっとも強いかと思われます。LINEはスマホを中心としたツールなので、よりリアルタイムに個人に向けてのメッセージが届くという性質があります。しかし、アンケートではFacebookなどよりもパーセンテージが低い点は興味深いです。筆者の推測としては、LINEはその繋がりの強度が高いゆえに、プライベートなツールとしての位置づけが拡がってきたのではないかというものです。もちろん上司が仕事のLINEグループを作ってしまえば抜け出すのが至難の技である点は否めないでしょう。
その後、Instagramは、ストーリーズ(時間によって投稿が消えるという機能)によって、よりカジュアルな要素を強くしたり、ECプラットフォーム(その場で商品が買えるような仕組み)を整えたり、より幅広いツールへと変化しています。Instagramは、利用者の視線が関係やコミュニティの外に向くような展開をしていると言えるのではないでしょうか。「SNS疲れ」が比較的密なコミュニケーションをとるSNSで起こりやすいとすれば、こういった緩さの方が心地良い人も多いのかもしれません。
この発展の一方で、少し前から「SNS疲れ」という言葉もよく聞かれるようになりました。ここでは調査を見ながら、「SNS疲れ」というのがどういうものなのか、またこの先のSNSのあり方についてまで考えてみましょう。
もっともSNS疲れを起こしているのはFacebook
株式会社アスマークは全国の20代から60代の男女1000人に対して市場調査を行っています。これによると、もっとも疲れるSNSはFacebookという結果がでています。以下、そのSNSを利用している人のうち「SNS疲れを感じたことがある」と回答した人数の割合が多い順です(有名なものだけを抜粋)。Facebook:42.5%
LinkedIn:42.1% (※サンプル数が少ないので参考値)
mixi:37.2%
LINE:32.2%
Twitter:29.3%
Instagram :27.8%
Ameba:26.5%
TIktok:25.8%
LinkedInは日本ではあまり聞きなじみがないかもしれませんが、ビジネス特化型SNSで、全世界の利用者数は5億人ほどとされています(ちなみにFacebookはおよそ20億人超)。自分の職歴をオープンに記載して、仕事のオファーを受けたり、就職や転職につなげたりすることが主な目的のSNSです。この点に関してはFacebookも同様に使われることもあります。つまり、これらは趣味や日常でのつながりよりも、仕事の人脈をつくったり就職・転職で活用したりするといったツールとしての側面が強いとも言えます。こう考えてみると、ビジネスシーンに関わる、もしくは匿名性の低い(実名性の高い)SNSでより疲れると考えて良さそうです。
なぜビジネスシーンに関わるSNSは疲れるのか
SNSは、すでにある現実を強化・補完するツールとしての側面が大きいと言えるでしょう。単なる「遊び」や「楽しさ」でつながっている知人であれば、気が向いたときに関わればいいかもしれません。しかし、仕事の仲間で使う場合、どちらかといえば繋がりのある人の発言をしっかり見て話題作りしておく必要があったり、発言やコメントに対する「忖度(そんたく)」をしなければならなかったりする場面があり得ます。また、自分が発言したとしても意図がうまく伝わらなかった場合、丁寧に対応しなければならない状況も起こりうるでしょう。さらにSNS上での発言や振る舞いは完全に自己責任です。現実の場面であれば、ちょっとニュアンスが異なって相手に伝わった場合、その場ですぐに修正できたり、他に居合わせた人が修正したり話の矛先を変えたりといった対応が可能です。しかしSNSでの発言は誰も修正できない上、相手に直に届きます。しかもビジネスでのやりとりはスピードが重視されるので、即応性が大事になる場面もあります。手を抜くことができません。かなりのスピードで頭を働かせなければならないことになるでしょう。またビジネスでの関係では、たえず前向きな発言でなければならないという点も否めません。こう考えると、疲れる理由は理解しやすいのではないでしょうか。
即応性を求められるSNSとしては、この中ではLINEがもっとも強いかと思われます。LINEはスマホを中心としたツールなので、よりリアルタイムに個人に向けてのメッセージが届くという性質があります。しかし、アンケートではFacebookなどよりもパーセンテージが低い点は興味深いです。筆者の推測としては、LINEはその繋がりの強度が高いゆえに、プライベートなツールとしての位置づけが拡がってきたのではないかというものです。もちろん上司が仕事のLINEグループを作ってしまえば抜け出すのが至難の技である点は否めないでしょう。
SNSはより緩くより外側に向かうかも知れない
SNSは情報の送受信における新たなチャンネルとなりました。FacebookやLINEは個人や仲間の間でより密なコミュニケーションを取るツールとして発展してきたと言えるでしょう。ここでは繋がり方においてその同質性が大事でした。これに対してInstagramは、もともとアップされた写真でやりとりすることを大きな柱として、幅広い人との緩やかな繋がりを提供するというコンセプトの強いSNSでした。その後、Instagramは、ストーリーズ(時間によって投稿が消えるという機能)によって、よりカジュアルな要素を強くしたり、ECプラットフォーム(その場で商品が買えるような仕組み)を整えたり、より幅広いツールへと変化しています。Instagramは、利用者の視線が関係やコミュニティの外に向くような展開をしていると言えるのではないでしょうか。「SNS疲れ」が比較的密なコミュニケーションをとるSNSで起こりやすいとすれば、こういった緩さの方が心地良い人も多いのかもしれません。
<参考サイト>
・SNS疲れに関するアンケート調査|株式会社アスマーク
https://www.asmarq.co.jp/mini_research/mr201903sns-tired.html
・【無料でDL】2019年2月更新!12のソーシャルメディア最新動向データまとめ|Social Media lab
https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/
・SNS疲れに関するアンケート調査|株式会社アスマーク
https://www.asmarq.co.jp/mini_research/mr201903sns-tired.html
・【無料でDL】2019年2月更新!12のソーシャルメディア最新動向データまとめ|Social Media lab
https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
なぜ『ホトトギス』に注目?江藤淳の「リアリズムの源流」
AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(2)江藤淳の「リアリズムの源流」
文芸評論を再考するに当たり、江藤淳氏の「リアリズムの源流」を振り返ってみる。一般的に日本で近代小説が始まった起源は坪内逍遥だといわれるが、江藤氏はそれに疑問を呈す。そして注目したのが、夏目漱石の「坊ちゃん」であ...
収録日:2025/04/10
追加日:2025/07/02
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
国際政治の戦略を考える上で今やかかせない地政学の視座。今回のシリーズではヨーロッパに焦点を当て、地政学の観点から情勢分析をする。第1話目では、まず地政学の要点をおさらいし、常に揺れ動いてきた「ヨーロッパ」という領...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/05/05
アジア的成熟国家モデルづくりへ、日本が目指すべき道とは
日本の財政と金融問題の現状(4)日本が目指すべき成熟国家への道
機関投資家や経営者の生の声から日本の金融市場の問題点を見ていくと、リスクマネーを供給するための市場づくりや人材育成等の課題が浮き彫りになる。良質なスタートアップ企業を育てるにはどうすればいいのか。今こそアジア的...
収録日:2025/04/13
追加日:2025/07/01
「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(1)「イエス」とは一体誰なのか
キリスト教とは何か。「文明の衝突」が世界中で現実化する中、この問題は日本人にとっても重要なものになっている。上智大学神学部教授・竹内修一氏は、「キリスト教とは何か」という問いは、同時に「イエスとは誰なのか」も意...
収録日:2016/12/26
追加日:2017/02/28
最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか
第2次トランプ政権の危険性と本質(8)反エリート主義と最悪のシナリオ
反エリート主義を基本線とするトランプ大統領は、金融政策の要であるFRBですらも敵対視し、圧力をかけている。このまま専門家軽視による経済政策が進めば、コロナ禍に匹敵する経済ショックが世界的に起こる可能性がある。最終話...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/06/28