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DATE/ 2019.05.25

夫の年収1000万超でも不満?妻の「ホンネ」

 女性が結婚相手に求める年収、かつては最低600万円なんて言われていましたが、今では400万円あれば大丈夫、とラインが下がっているという説もあります。では、いざ結婚をした女性たちは夫の年収に満足しているのか、それともいないのか。生々しい調査結果が明らかになりました。

稼いでも稼いでも…夫はつらいよ

 与信管理に関するコンサルティング事業などを手掛けるリスクモンスター社が行った「離婚したくなる亭主の仕事」は、20歳から49歳の既婚女性600人を対象に、夫の仕事に対する不満の有無を調査したものです。夫の給料が低いと感じている女性はなんと全体の73.5%で、年収が上がるにつれ不満を抱く割合が下がる傾向はあるのですが、一部で逆転現象が起こるのが面白いところ。例えば年収800~1000万円は33.3%と調査全体で最も低い割合ですが、1000~1500万円、1500万円超だと50%に跳ね上がるのです。

 平成29年の民間給与実態統計調査によると、年収1000万円超の男性はわずか6.2%。それだけ限られた上位層にも関わらず、妻からは給料が低いと感じられてしまうなんて、夫が求められるハードルは高いですね。中でも1500万円超の層は「残業が多い」と感じている妻が100%で、高給取りにも関わらず「転職して欲しい」という割合が40%に達していたため、額面の給料は高くても激務過ぎるという考えがあるのかもしれません。

 さらに妻が不満を感じるポイントのトップ3は上から「給料が低い」「残業が多い」「休みが少ない」。給料が最大の理由ではありますが、次いでワークライフバランスも妻が不満を抱く大きな要因になっていることがわかりました。

結婚前は500万円台でいいと言っていたのに

 一方で結婚願望のある20~39歳の未婚男女を対象にした「イマドキ男女の結婚観」によると、女性が結婚相手に求める年収の平均は546.6万円。アンケート対象が異なるため単純に比較できるわけではありませんが、結婚前と結婚後では随分求める基準が変わってしまうものですね。

 「離婚したくなる亭主の仕事」と反する「結婚した男性の職業」というランキングも見てみましょう。マイナビウーマンが行った調査によると、1位が公務員、2位が会社員・サラリーマン、3位が医師という結果でした。会社員・サラリーマンは幅が広すぎてイメージがつかみにくいですが、公務員と合わせて考えると安定した職業が人気ということでしょうか。3位の医師は高給取りという点では申し分ないですが、激務の傾向もありますので、結婚後に妻が不満を抱くパターンかもしれません。

 未婚男性にとっても既婚男性にとってもなかなか世知辛い調査結果だったでしょうか?1500万円以上稼いでも2人に1人の妻が不満を抱くということを考えると、稼いでも稼いでも妻の不満は解消され難いわけです。となると、お金以外の部分で不満の芽を摘むことが肝心とも言えるかもしれませんね。

<参考サイト>
・リスクモンスター 第6回「離婚したくなる亭主の仕事」調査
https://www.riskmonster.co.jp/press/pdf/20190327_rismon_survey.pdf
・平成29年分 民間給与実態統計調査
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2017/pdf/000.pdf
・イマドキ男女の結婚観 | イマドキ男女の結婚観に関する調査2017 | メディケア生命保険
https://www.medicarelife.com/research/021/01/
・結婚したい職業ランキング~男性・女性別~|「マイナビウーマン」
https://woman.mynavi.jp/article/170426-15/
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垂秀夫
元日本国駐中華人民共和国特命全権大使