テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2024.04.15

日本で一番人気の「輸入車」とは?

 車好きが集うと「輸入車か国産車か」という話がはじめに起こる議論ではないでしょうか。どちらにも良さがあることはもちろんですが、今回は日本で販売される輸入車に絞って情報を見てみましょう。どんな車がどこで売れているのかといったデータを確認しながら、輸入車と国産車の違いとは果たしてなんなのか、といったところまで少し視点を広くとって考えてみましょう。

2023年一番売れた輸入車は「BMWミニ」

 日本自動車輸入組合(JAIA)のサイトには、輸入車に関するさまざまな調査結果が掲載されています。このなかから、2023年のモデル別売り上げランキングトップ5を見てみましょう。結果は以下の通りとなっています。

1位 BMW ミニ:17,796台
2位 フォルクスワーゲン ゴルフ:10,723台
3位 メルセデス・ベンツ Cクラス:9,240台
4位 フォルクスワーゲン T-Roc:6,596台
5位 フォルクスワーゲン T-Cross:6,179台

 2位のフォルクスワーゲン・ゴルフに7000台以上の差をつけ、BMWのミニがトップです。ミニはサイトに掲載されている2003年から2023年の全てで5位以内に入っており、2016年から2023年まで連続で1位を獲得しています。ちなみに掲載されているデータでのトップ5はほとんどドイツ車、という点も興味深いポイントです。

一番輸入車が売れている都道府県は東京

 少し違った側面からみてみましょう。都道府県別で見るとどこで輸入車が一番売れているのでしょうか。輸入車の新規登録台数、2023年のトップ10は以下の通りとなっています。

1位 東京:46,993台
2位 愛知:26,890台
3位 神奈川:26,130台
4位 大阪:21,385台
5位 埼玉:15,713台
6位 兵庫:15,339台
7位 千葉:13,941台
8位 福岡:12,108台
9位 静岡:10,307台
10位 北海道:9,835台

 1位は東京で、2位の愛知に約20,000台以上の差をつけてのトップです。人口で考えれば東京がトップになることはさして不思議ではないです。しかし、もちろん車は便利ですが、東京に暮らしていると車の必要性はそこまで感じないようにも思います。また、輸入車はハイオク仕様であることが多かったり、純正品の部品が高く、修理や車検でお金がかかったりすることもあります。つまり、輸入車は国産車よりも維持費がかかります。ではなぜ東京で売れるのでしょうか。

 輸入車は実用的に車を使う人よりも、趣味やファッション感覚で買う人のほうが選びやすいのではないでしょうか。この点、東京では他地域にくらべて、趣味やファッションとして車を買う人達の割合が比較的多いエリアだと言えるかもしれません。

輸入車の魅力は「ステイタス」と「高速度安定性」

 輸入車を選んだ人の声を見ると、大きなポイントとしては希少性が挙がっています。日本車もさまざまなものがありますが、やはりそこは国産なので数が多いです。人と少し違ったものを、と思えば輸入車に目が行くのも自然かと思われます。

 また「ステイタス」を求めてたどり着くというポイントもあるようです。BMW、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲンと聞けば、どういうイメージでしょうか。ある種の「豊かさ」や「余裕」といったイメージが湧いてくるかもしれません。もちろん現地でのイメージは違うものもあるでしょう。また、日本車の中にももちろん、こういったブランドの車に匹敵する、もしくはそれを上回る性能や贅沢さを備えた車はあります。しかし、日本でのブランドという点で見れば、どうしても日本車は大衆車というイメージを拭いきれないところがあります。

 また、車の専門誌では、輸入車の優れたポイントを「高速走行時の安定性」にあるとしています。というのも、ヨーロッパ圏の輸入車は通常で高速走行することが多いので、そういった速度での操縦性が優れているといいます。こういった点も車好きの心をくすぐるポイントのようです。

<参考サイト>
・JAIA 日本自動車輸入組合
http://www.jaia-jp.org/
・国産車 vs 輸入車、あなたはどっち派? クルマ好きなら避けられない2択に決着【みんなの声】|オートックワン
https://autoc-one.jp/special/5003691/
・【国産車離れの原因を探れ】ワタシが輸入車に乗り替えた理由|ベストカーWeb
https://bestcarweb.jp/feature/column/2926
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

“死の終りに冥し”…詩に託された『十住心論』の教えとは

“死の終りに冥し”…詩に託された『十住心論』の教えとは

空海と詩(4)詩で読む『秘蔵宝鑰』

“悠々たり悠々たり”にはじまる空海『秘蔵宝鑰』序文の詩文。まことにリズミカルな連呼で、たたみかけていく文章である。このリフレインで彼岸へ連れ去られそうな魂は、選べる道の多様さと迷える世界での認識の誤りに出会い、“死...
収録日:2024/08/26
追加日:2024/11/23
鎌田東二
京都大学名誉教授
2

国家は助けてくれない…「三田会」誕生への大きな経験

国家は助けてくれない…「三田会」誕生への大きな経験

独立と在野を支える中間団体(6)慶應義塾大学「三田会」の起源

中間集団として象徴的な存在である慶應義塾大学「三田会」について考える今回。三田会は単に同窓会組織として存在しているわけではなく、「公」に頼れない場合に重要な役割を果たすものだった。その三田会の起源について解説す...
収録日:2024/06/08
追加日:2024/11/22
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授
3

日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化

日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化

日本文化を学び直す(1)忘れてはいけない縄文文化

大転換期の真っ只中にいるわれわれにとって、日本の特性を強みとして生かしていくために忘れてはいけないことが二つある。一つは日本が森林山岳海洋島国国家であるというその地理的特性。もう一つは、日本文化の根源としての縄...
収録日:2020/02/05
追加日:2020/09/16
田口佳史
東洋思想研究家
4

国の借金は誰が払う?人口減少による社会保障負担増の問題

国の借金は誰が払う?人口減少による社会保障負担増の問題

教養としての「人口減少問題と社会保障」(4)増え続ける社会保障負担

人口減少が社会にどのような影響を与えるのか。それは政府支出、特に社会保障給付費の増加という形で現れる。ではどれくらい増えているのか。日本の一般会計の収支の推移、社会保障費の推移、一生のうちに人間一人がどれほど行...
収録日:2024/07/13
追加日:2024/11/19
森田朗
一般社団法人 次世代基盤政策研究所(NFI)所長・代表理事
5

謎多き紫式部の半生…教養深い「女房」の役割とその実像

謎多き紫式部の半生…教養深い「女房」の役割とその実像

日本語と英語で味わう『源氏物語』(1)紫式部の人物像と女房文学

日本を代表する古典文学『源氏物語』と、その著者である紫式部は、NHKの大河ドラマ『光る君へ』の放映をきっかけに注目が集まっている。紫式部の名前は誰もが知っているが、実はその半生や人となりには謎が多い。いったいどのよ...
収録日:2024/02/18
追加日:2024/10/14