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DATE/ 2019.06.23

世界で最もアルコール摂取量の多い国は?

 ビールといえばドイツ、ワインといえばフランス、ウイスキーといえばアイルランドやカナダ、日本酒といえばもちろん我が日本です。

 このように有名なお酒の生産国はなんとなくイメージできますね。その一方で、アルコールの摂取量の多い国はどこだか知っていますか。まったく予備知識なく、当てるのはちょっと難しいかもしれません。

飲酒量の地域的な傾向

 国別ランキングの紹介に入る前に、まずはざっくりとエリア別の傾向をお伝えします。昨年2018年にWHOが発表した報告書によると、1人当たりの飲酒量が最も多い地域はヨーロッパでした。冒頭にも書いたように、ドイツのビール、フランスのワインなどがとても有名ですね。ただし、飲酒量は減少傾向にあるのだそうです。

 飲酒量が大きく伸びているのがアジアです。特に中国やインド、ベトナムでその傾向が高いとされています。「SankeiBiz」では、ベトナムに関して「同国アルコール・飲料協会の報告書によると、2015年のビールと蒸留酒の合計消費量は、10年に比べて40%増加した」と伝えています。40パーセント増は驚異的です。

1人あたりの年間アルコール消費量、ナンバーワンの国

 エリア別ではヨーロッパが飲酒量の王者であることはわかりました。1位もヨーロッパの国です。ただし、その国がヨーロッパにあると知っている人は少ないかもしれません。

 医学誌『ランセット』によると、1位はモルドバ共和国でした。1人あたりの年間消費量は15.78リットルです。

 ちなみに冒頭で紹介したドイツの1人あたりの年間消費量は13.1リットル、フランスは12.4リットル、アイルランドを含むイギリスは11.4リットル、カナダは9.1リットルとなっています。

日本人の飲酒量

 さて、気になる日本の1人あたりの年間アルコール消費量を紹介します。日本は、7.9リットル。モルドバやドイツ、フランスなどの国々の消費量がいかに多いかがわかりますね。同じアジアの中国は7.4リットル、ベトナムは8.9リットルです。

 しかし当然ながら、上位が良いというわけではありません。お酒は百薬の長と言われる一方、多量のアルコール摂取はトラブルの元。WHOは、飲酒運転や飲酒による暴力や疾患を含めて、アルコールが原因で死亡する人が世界の全死亡者の5%を超えていると伝えています。

 公益社団法人アルコール健康医学協会では「適正飲酒10か条」を提案しています。

1.談笑し 楽しく飲むのが基本です
2.食べながら 適量範囲でゆっくりと
3.強い酒 薄めて飲むのがオススメです
4.つくろうよ 週に二日は休肝日
5.やめようよ きりなく長い飲み続け
6.許さない 他人(ひと)への無理強い・イッキ飲み
7.アルコール 薬と一緒は危険です
8.飲まないで 妊娠中と授乳期は
9.飲酒後の運動・入浴 要注意
10.肝臓など 定期検査を忘れずに

 ということで、お酒とは上手に付き合っていきましょう。

<参考サイト>
・アルコール消費量40%増 ベトナム、健康被害・飲酒運転が問題化
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/161014/mcb1610140500022-n1.htm
・医学誌『ランセット』の調査 世界の飲酒量が27年間で7割増加、アジア各国は急増
https://forbesjapan.com/articles/detail/27409
・公益社団法人アルコール健康医学協会:飲酒10か条
http://www.arukenkyo.or.jp
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一般社団法人 次世代基盤政策研究所(NFI)所長・代表理事