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DATE/ 2019.08.19

病気リスクがわかる?気軽にできる遺伝子検査

 「遺伝子検査」という言葉にはどんなイメージがありますか?親子関係を証明するものであったり、病気の早期発見を目的としたものなどいろいろありますが、何だか大がかりな検査をされそう、お金がかかりそう、と感じる方も多いのではないでしょうか?そうした印象とは裏腹に、最近では自宅でお手軽にできる検査が広まりつつあります。

病気のリスクや性格までDeNAで診断

 例えばDeNAが手掛ける「MYCODE」。価格は9800円から33800円で、レポートの項目数によって分けられています。最上位のプランだと病気の発症リスクや体質など280項目の調査結果を見ることができます。検査方法も唾液を採取してキットを送るだけ、とシンプルです。MYCODEと並びこの業界では大手のGeneLifeは3980円から29800円と価格帯が広く、これまでに約75万人の解析を行ったとうたっています。こちらも唾液で調べる方式で、病気のリスクを調べるプラン以外に性格やルーツを診断するという商品もあります。ダイエットに特化した遺伝子博士という商品もあります。遺伝的体質から、適した食生活や運動・生活改善を勧めてくれるというもので、太りやすい食べ物やおすすめの食べ順、太り方の特徴も指南してくれるのだとか。一点特化のサービスにしている分、7800円と上記2社の上位プランより価格を抑えています。

 実はこの業界で“老舗”とも言えるのはサプリメントでも知られるDHC。他はここ数年内に始まったサービスが多いのですが、DHCは2008年からスタート。MYCODEやGeneLifeと同じく体質の傾向や病気のリスクを調べられるキットの他、美肌対策キットなども用意しています。診断結果に合わせたサプリメントを勧める、というのもユーザーへ価値を提案しやすい事業体と言えるでしょう。4年ほど前の調査になりますが、経済産業省の「遺伝子解析ビジネス等に関する調査事業」によると、遺伝子検査を扱う事業者は369社にも上るそうです。

2社受けてみたら結果が真逆に?

 遺伝子検査をしたことがある、という人はまだ限られていますが、将来的にはこうした検査結果を元に予防医学に役立てることが当たり前になっていくかもしれません。一方で、精度という面ではまだまだ改善の余地がありそうです。医師の中山祐次郎氏が2社の検査を受けてみたところ、検査結果が真逆だった病気が複数個あったといいます。どちらかが正しいのか、両方とも正しくないのかはわかりませんが、使う業者によって結果が違うのでは、どこを使えばいいのかわからなくなってしまいますよね。
 
 サンプルが増えるにつれ精度も上がってくる可能性は十分ありますが、現在は玉石混交の期間とも言えるでしょう。科学的エビデンスに基づいた検査が確立されるのを待つか、検査を受けるとしてもあくまで参考として結果を受け止めるか、としておいた方が精神衛生上良いのかもしれませんね。

<参考サイト>
遺伝子検査・DNA検査のMYCODE(マイコード)
https://mycode.jp/
遺伝子検査のジーンライフ
https://genelife.jp/
遺伝子博士
http://dr-gene.jp/diet/
・DHC 遺伝子検査10周年記念サイト|遺伝子検査ならDHC
https://top.dhc.co.jp/shop/idenshi/10th/
遺伝子検査の将来は~医師が受けて感じたメリット・デメリット(中山祐次郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakayamayujiro/20161202-00061050/
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