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ネットで炎上しないための「マナー」とは?
暴言、失言、犯罪自慢、バイトテロ、デマ、煽り……、これらは全て炎上のもとです。炎上はこれまでにもさまざまな問題を起こしてきました。バイトテロの動画がアップされたことによって炎上が起き、店舗が損害を受けた事件も記憶に新しいところです。また、犯罪事件への義憤に駆られた人たちのデマにより、全く関係のない人や組織が攻撃を受ける被害が生じるといった事態も起きています。また、あえて炎上させて売る「炎上商法」や「炎上マーケティング」といった言葉もあります。いずれにしろ、「炎上」は気持ちのいいものではありません。では、なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか。
承認欲求と自己顕示欲は炎上を呼ぶ
まず意図せずして起こる炎上について考えてみましょう。インターネットだと見えるのは目の前の画面だけです。バイトテロにしても、本人は仲間内での遊びやちょっとした憂さ晴らしといったように、気軽なものかも知れません。また「ちょっとだけ自分のことを誰かに知ってほしい」といった軽い承認欲求や、「自分はこんなこともできるんだ」という自己顕示欲もあるかもしれません。しかし、インターネットでの発言や行動は、その画面の先にいる数千、数万の人の目に留まります。また炎上させるネタを探しているような人たちも画面の向こうには潜んでいます。さらに、ネット上に一度発言したものは、転載されて長く残り、しばらく経ってから発言が掘り出されて炎上するといったことも起こります。こうして一度火がつくと手の打ちようがありません。稼ぐためにあえて炎上を狙う
もう一つは、もっと積極的に自己顕示欲や承認欲を全面的に押し出して、あえて過激な発言や行動をする人たちです。この手のものは過激で陰惨なものになることもあります。こういった投稿が起きるのはYouTubeで特に多いようです。凶悪な犯罪の現場から事件直後に動画配信したり、あえて犯罪行為を行って炎上を起こしたりするといったものが挙げられます。こういった類の炎上に関しては、自己顕示や承認の欲求というよりも、むしろ稼ぐ手段としての側面も強いことは知っておいたほうがいいでしょう。YouTubeはアクセス数などに応じて広告収入が入ることもあり、こういった過激な内容でアクセス数を稼ぐ人たちがいます。暴言のリスクは計り知れない
また、現実の場面での小さなつぶやきは誰にも届きませんが、Twitterでのつぶやきは、無数の人にダイレクトに届きます。私たちはなかなか感覚的にこの事実を感じ取ることができません。できることは、これまでの出来事からリスクを「学び、知る」ことだけです。結果に対する想像力の欠如から炎上は起きます。単に自分のアカウントが炎上するだけならまだましかもしれません。もし炎上に加われば、集団の心理を刺激して他の誰かを追い詰めるといった、いわゆる集団リンチに加担することもありえます。集団リンチを正当化する理由はありません。たとえ義憤からの発言だとしても同じです。ネット上の怒りはスワイプして閉じていい
ネット上では匿名性の高さから、身勝手だったり、激しかったりするようなさまざまな意見が飛び交っています。こういった言葉に感情を刺激されて同じ土俵に上がれば、あとは巻き込まれて心を乱され続けるだけです。ネットの表現は吐き捨てるようなものが多く、感情的になってしまいます。だからこそ、冷静になりましょう。また、営利目的の過激な言葉や動画に心を痛める必要もありません。そういったものに触れたら、スワイプして閉じることが最善の策です。マナーは現実と変わらない
炎上は発信する人間のモラルが問われます。インターネットは無機的な世界ですが、利用しているのは人間です。現実で人が周囲にいればやらないことは、コンピュータを介したネット上でも同じです。マナーがない行動は他者を不快にさせます。炎上を防ぐには現実と同じように「自分勝手で人が嫌がる、嫌な気持ちになることはやらない」ことしかないと思われます。また、マナーに欠けた人がいれば、また現実と同様に関わる必要はありません。<参考サイト>
炎上望むYouTuber、過激化の危うい実態~川崎事件から考える|現代ビジネス
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65028
炎上望むYouTuber、過激化の危うい実態~川崎事件から考える|現代ビジネス
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65028
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