社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
世界の都市総合力ランキング…日本の都市は何位?
世界の競争力ランキング、幸福度ランキング、住みたい都市ランキングなど、国や都市を対象にした様々なランキングがありますが、毎年発表されている「世界の都市総合力ランキング」はご存知ですか。
来年にオリンピックを控える東京、2025年に万博のある大阪の順位がとても気になるところですが、そもそもこのランキングはどのような評価基準で作られているのかということを含めて、分かりやすく解説していきます。
GPCIは、「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野を評価し、世界の主要都市の「総合力」を順位付けしています。
1位:ロンドン
2位:ニューヨーク
3位:東京
4位:パリ
5位:シンガポール
東京が3位にランクインしていますね。EU離脱騒動の渦中にある英国ロンドンが1位なのはすこし意外でしょうか。また、米国ニューヨークが上位なのは納得ですが、もう一つの大国である中国の都市がランクインしていないのも意外です。
もうすこし虫の眼で見ると、やはりロンドンは前年に比べると今年は総合力のスコアを落とす結果に。とはいえ、8年連続で1位を獲得。ニューヨークはGDPや証券取引所の株式時価総額、スタートアップ環境などの指標で高評価を得て、「経済」と「研究・開発」の分野で1位でした。しかし、トランプ現象の影響でしょうか。「文化・交流」における外国人居住者数は過去3年間、減少傾向です。パリは、2015年の同時多発テロ以降、スコアが下落傾向でしたが、2024年のパリ五輪が決定した2017年以降は上向きつつあります。
東京は総合力は非常に高いものの、圧倒的に強い分野も極端に弱い分野もないバランス型の都市であることが特徴です。2025年に万博を控える大阪は、前回から一つランクを下げて29位。同じアジアでは北京が24位、上海が30位でした。
大阪の次にランクインした日本の都市は福岡です。しかし、42位で前回の37位から大きく順位を下げました。メルボルンなど新たに4都市が評価対象として加わったことが影響していると思われます。
東京はもしかするとオリンピックを迎える来年がピークになるかもしれませんが、大阪は万博開催に向けて「文化・交流」や、インフラ整備が進めば「交通」分野が今後伸びていく可能性があります。どのくらいまでランキングを駆け上がっていけるのか、期待が膨らみます。
来年にオリンピックを控える東京、2025年に万博のある大阪の順位がとても気になるところですが、そもそもこのランキングはどのような評価基準で作られているのかということを含めて、分かりやすく解説していきます。
世界の都市総合力ランキングとは?
「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City Index、以下GPCI)は、森ビル系のシンクタンクである森記念財団都市戦略研究所が発表しています。研究所の所長は、小泉政権時の構造改革の旗振り役を務めたあの竹中平蔵氏です。GPCIは、「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野を評価し、世界の主要都市の「総合力」を順位付けしています。
世界のなかで東京はいったい何位?
実際にランキングを見てみましょう。トップ5は次の5つの都市です。1位:ロンドン
2位:ニューヨーク
3位:東京
4位:パリ
5位:シンガポール
東京が3位にランクインしていますね。EU離脱騒動の渦中にある英国ロンドンが1位なのはすこし意外でしょうか。また、米国ニューヨークが上位なのは納得ですが、もう一つの大国である中国の都市がランクインしていないのも意外です。
もうすこし虫の眼で見ると、やはりロンドンは前年に比べると今年は総合力のスコアを落とす結果に。とはいえ、8年連続で1位を獲得。ニューヨークはGDPや証券取引所の株式時価総額、スタートアップ環境などの指標で高評価を得て、「経済」と「研究・開発」の分野で1位でした。しかし、トランプ現象の影響でしょうか。「文化・交流」における外国人居住者数は過去3年間、減少傾向です。パリは、2015年の同時多発テロ以降、スコアが下落傾向でしたが、2024年のパリ五輪が決定した2017年以降は上向きつつあります。
大阪と福岡のランキング
さて、東京は4年連続で3位を維持。しかしながら、ロンドン、ニューヨークと同様に、昨年と比べて総合スコアを落とす結果になりました。同じく4位のパリもスコアを落としていますが、東京とパリの間のスコア差は縮まりました。来年のオリンピック終了後には逆転される可能性もあります。東京は総合力は非常に高いものの、圧倒的に強い分野も極端に弱い分野もないバランス型の都市であることが特徴です。2025年に万博を控える大阪は、前回から一つランクを下げて29位。同じアジアでは北京が24位、上海が30位でした。
大阪の次にランクインした日本の都市は福岡です。しかし、42位で前回の37位から大きく順位を下げました。メルボルンなど新たに4都市が評価対象として加わったことが影響していると思われます。
東京はもしかするとオリンピックを迎える来年がピークになるかもしれませんが、大阪は万博開催に向けて「文化・交流」や、インフラ整備が進めば「交通」分野が今後伸びていく可能性があります。どのくらいまでランキングを駆け上がっていけるのか、期待が膨らみます。
<参考サイト>
・世界の都市総合力ランキング(GPCI) 2019
http://mori-m-foundation.or.jp/ius/gpci/2019.shtml
・世界の都市総合力ランキング(GPCI) 2019
http://mori-m-foundation.or.jp/ius/gpci/2019.shtml
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
宇宙とは何かを考えるうえで中国の古典である『荘子』・『淮南子(えなんじ)』に由来する「宇宙」という言葉が意味から考えてみたい。続いて、地球から始まり、太陽系、天の川銀河(銀河系)、局所銀河群、超銀河団、そして大...
収録日:2020/08/25
追加日:2020/12/13
なぜ伝わらない?理解の壁の正体を今井むつみ先生に学ぶ
編集部ラジオ2025(27)なぜ何回説明しても伝わらない?
「何回説明しても伝わらない」「こちらの意図とまったく違うように理解されてしまった」……。そんなことは、日常茶飯事です。しかしだからといって、相手を責めるのは大間違いでは? いやむしろ、わが身を振り返って考えないと...
収録日:2025/10/17
追加日:2025/11/13
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
「歴史を探索していく」とは、どういうことなのだろうか。また、「歴史を活かしていく」とはどういうことなのだろうか。歴史作家の中村彰彦氏に、歴史を探り、活かしていく方法論を、具体的に教えてもらう本講義。第一話は、歴...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/14
デカルトが注目した心と体の条件づけのメカニズム
デカルトの感情論に学ぶ(1)愛に現れる身体のメカニズム
初めて会った人なのになぜか好意を抱いてしまうことがある。だが、なぜそうした衝動が生じるのかは疑問である。デカルトが友人シャニュに宛てた「愛についての書簡」から話を起こし、愛をめぐる精神と身体の関係について論じる...
収録日:2018/09/27
追加日:2019/03/31
脳内の量子的効果――ペンローズ=ハメロフ仮説とは
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(2)量子論と空海密教の本質
「ワット・ビット連携」の概念がある。これは神経と血管の関係にも似ており、両者が密接に関係するところから、それをもとに人間の本質について考察していくことになる。また、中村天風の思想から着想を得て、人間の心には霊性...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/13


