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DATE/ 2020.04.14

マッサージや整体、良い/悪いお店の見分け方

 腰痛や肩コリを楽にしてくれる、マッサージや整体などのプロの施術。定期的に通って自分の体をメンテナンスしている人もいるでしょう。ただ、いざ行ってみようと思って店を探してみると「整体院」「リラクゼーション」「もみほぐし」など、たくさんの候補が上がって、自分に合ったお店を見つけるのは至難の業ですよね。自分に合ったお店はどうやって見極めれば良いのでしょうか?

マッサージと整体の違いとは?

 はじめに抑えておきたいのが、マッサージと整体は何が違うのかということ。マッサージと一言でいっても、タイ古式マッサージやリンパマッサージ、カイロプラクティックなど、さまざまな種類があります。こうしたものは、主に心身のリフレッシュや筋肉をほぐすなど、リラクゼーションを目的とした施術のことを指しています。気分転換したい、癒されたい場合にはマッサージに行くのが良いでしょう。

 ただし、本来マッサージはあんま・指圧・マッサージ師という国家資格を持っている人による施術のことを指します。無資格の人が「マッサージ」を提供すると処罰されてしまうため、「リラクゼーション」「もみほぐし」という表現を使ってメニューを設定していることも。名称の違いで国家資格の有無が分かるので、頭の片隅に置いておくと良いでしょう。

 一方で整体とは、関節や骨の歪みを調整して体のバランスを整えることを目的としています。体の歪みを治したい、痛みを緩和させたい場合には整体院に行くのが良いでしょう。こちらは国家資格はないので、民間資格を持っていれば施術することができます。

良いお店の見分け方

 お店を探すときにまず大事にしたいのが「自分が何を目的としているか」というポイント。リラックスしたいのか、痛みを改善したいのかを見誤ると「してほしいことと違う施術をされた」というミスマッチになってしまうこともあるので、あらかじめ方向性を定めてからお店を選ぶようにしましょう。

 自分の目的が分かったら、サイトに公開されている患者の声などを参考に「自分がしてほしい施術を得意としているか」を調べてみましょう。施術者にも得意とする施術、不得意とする施術があるものです。より自分の症状に近い患者さんが良い評価をしていれば、自分にも効果があるのではないかと思えるでしょう。

 マッサージ、整体に行くのは初めてなら「国家資格を持つ先生のところに行く」のがベターです。資格を持っていれば店の看板や公式サイト、院内に掲示をすることができます。国家資格がなくても開業できるため、国家資格未取得でもベテランの先生がいることも事実です。しかし、一部の無資格の店で施術をしたらケガをしてしまったというケースが増えて問題になっているので、注意する必要があります。

 そして一番安全なのは、知人の口コミです。信頼できる人から聞いた話を参考にお店を探してみるのも良いでしょう。

こんな店は悪い店かも

 料金が安いとお得と思うかもしれませんが、学生のアルバイトが施術したり、理論も関係なくぐりぐりと揉むだけで効果を感じられない施術になる可能性もあります。勉強が不十分な人による施術は揉み返しやケガの原因になってしまうことも。自分の体を委ねるものなので、値段だけで安易に決めないようにしましょう。

 「必ず治ります」「地域NO.1の実績」など、目を引くキャッチコピーを掲げているお店もありますが、あまり鵜呑みにしない方が良いでしょう。資格を持っているのか、開業してから何年のキャリアがあるかなど、事実に基づいた情報をベースに選ぶのが大切です。すぐに治るかどうかは施術される人の体の状態にもよりますし、腰痛ひとつとっても原因はさまざま。こうした言葉がなくても、きちんと見てくれるお店を選ぶようにしましょう。

合うか合わないか、最終的には自分次第

 施術者との相性もあるため、自分にとって必ず良いお店にすぐ出会えるとは限りません。しかし施術は自分の体を預けることでもあるので、マッサージや整体に行くときにはきちんと下調べをして、信頼に足る店かを確認してから行くようにしましょう。

<参考サイト>
・新宿西口鍼灸整体院
https://www.sn-chiryo.com/
・マッサージ・整骨・接骨・整体の違いとは?│スギモト整体院
https://sugimoto89-seitai.com/information/seitai-chigai/
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今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授