社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
ガンになりやすい「HONDA」さん、ってどんな人?
現在、アメリカの医療機関がターゲットとする典型的な人物像は「HONDA」さんと呼ばれています。
HONDAさんのHはハイパーテンション、高血圧。Oはオビース、肥満。Nはノンコンプライアンス、すなわち医者や医療従事者やトレーナーの指示をあまり聞かない人。それからDは、ダイアベテス、糖尿病の気のある人。最後のAはアダルトです。
少し血圧が高めで、太っていて、人の話を聞かず、やや糖尿病境界型の人。こういう人を、医療機関としては一人でも多く欲しいのです。
その理由は、こういうタイプはがんや脳卒中、心筋梗塞、うつ病などになる確率が非常に高い、と分かってきたからです。
今の日本で、このような高血圧で糖尿で肥満気味の人は、それぞれの診療科を受診しなくてはならず、「糖尿病の先生はこう言われた」「高血圧の先生はこうおっしゃった」「いや、こっちはこうだ」と意見が分かれることがあります。
医療の発達によって、一人の患者さんに対する一貫したアプローチが見えにくくなっているのが現状だと言えるでしょう。
これに対する一つの方法として、アメリカで提唱されているものに「スマートチーム」があります。多方面に問題を抱える人に対して、食事、エクササイズ、就労状態など、さまざまなフィードバックによりコーチングを行って、今の病気を早く治したり改善したりする取り組みです。
スマートチームを含む新しい健康管理は「ヘルスケア2.0」ということで、従来型の画一的な医療からより個別化した医療として今後ますます注目されます。最近話題になっているゲノム医療も、今後は一つの予防策として普及してくると思われます。
(順天堂大学医学部教授:堀江重郎)
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
「ヒトは共同保育の動物だ」――核家族化が進み、子育ては両親あるいは母親が行うものだという認識が広がった現代社会で長谷川氏が提言するのは、ヒトという動物本来の子育て方法である「共同保育」について生物学的見地から見直...
収録日:2025/03/17
追加日:2025/08/31
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本は第二次大戦後に軍事飛行等の技術開発が止められていたため、宇宙開発において米ソとは全く違う道を歩むことになる。日本の宇宙開発はどのように技術を培い、発展していったのか。その独自の宇宙開拓の過程を解説する。(...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/09/02
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
私たちにとって「学び」はどんな意義を持つのか。学びについて考えるべき要素は3つあると納富氏はいう。さらに、「学びは生きる場所」でもある。今生きている人と対話をする。先人たちと書物を通じて対話する。そのことで、自分...
収録日:2025/06/19
追加日:2025/09/03
天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制
「集権と分権」から考える日本の核心(3)中央集権と六国史の時代の終焉
現代流にいうと地政学的な危機感が日本を中央集権国家にしたわけだが、疫学的な危機によって、それは早い終焉を迎えた。一説によると、天平期の天然痘大流行で3割もの人口が減少したことも影響している。防人も班田収授も成り行...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/09/01
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
数学も音楽も生きていることそのもの。そこに正解はなく、だれもがみんな数学者で音楽家である。これが中島さち子氏の持論だが、この考え方には古代ギリシア以来、西洋で発達したリベラルアーツが投影されている。この信念に基...
収録日:2025/04/16
追加日:2025/08/28