社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
「寂しいので会って…」高齢者を狙う出会い系サイト
「独り暮らしでさみしいので会ってもらえませんか」「悩み相談に乗ってください」、そんな怪しいメールの着信があれば、通常のITリテラシーの持ち主であれば明らかに「出会い系」サイトへの誘導と分かります。
しかし、ここ数年のスマホの普及によって、あまりITリテラシーのない高齢者が悪質な「出会い系」有料メール交換サイトの被害にあっています。
オレオレ詐欺のような高額振込に対して、コンビニなどで容易に購入できるようになった電子マネーを使った有料メール詐欺は、本人はもとより近親者でも気がつくことは難しいのです。気がついたら3年間で1,000万円以上を支払ったという76歳無職男性のケースもあるほどです。
結果、貯金をすべて切り崩し、個人年金や保険なども解約、気がついた時には生活もままならなくなってしまう…
高齢者の寂しさや下心、義侠心をターゲットにしたメールの語り口は「秘密にしてほしい」という病気ネタから、「見捨てないで」というように、メールが途切れないように続かせることを意図した巧妙さにあります。
「出会い系」有料メールにのめり込むと、人に相談することもはばかられることから、財産を無くしかけて気がつくことが多いようです。
こうした有料メール交換サイトはこれまで独身男性をターゲットにして大きく成長してきました。有料メール交換サイト業者は、いわゆる「サクラ」として、利用客を擬装して課金を長引かせるメールを発信するメールオペレーターを雇用しているケースが多いのです。
こうした「サクラ」メールで利益を貪る業者の多くは、悪質な脱税容疑で告発されていますが、「サクラ」か否かという心理誘導の立件は難しいようです。
こうした業者の摘発に際して、利用していた高齢者は、「まさか自分がだまされるとは」「すべてがウソだと信じたくない」とコメントしています。
国民生活センターに寄せられた「出会い系」有料メール交換サイトの相談数は、2004年度以降大幅に減っています。しかし60歳以上の高齢者の相談は約4倍に増えているのです。
寂しさに「出会い」を持ちかけるだけでなく、金品の提供、悩み相談を持ちかけたり、無料から有料課金を持続させる手口は悪質化し、ネット環境とコミュニケーションの知識の乏しい高齢者を直撃しています。
こうした被害を少しでもなくすために、高齢者が相談できる環境と正しい知識から注意を喚起していくことが一層必要になってくるのではないでしょうか。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
「第二次トランプ政権は、第一次政権とは全く別の政権である」――そう見たほうが良いのだと、柿埜氏は語る。ついつい「第1次は経済重視の政権だった」と考えてしまいがちだが、実は第2次政権では「経済」の優先順位は低いのだと...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/05/10
大隈重信と福澤諭吉…実は多元性に富んでいた明治日本
デモクラシーの基盤とは何か(2)明治日本の惑溺と多元性
アメリカは民主主義の土壌が育まれていたが、日本はどうだったのだろうか。幕末の藩士たちはアメリカの建国の父たちに憧憬を抱いていた。そして、幕末から明治初期には雨後の筍のように、様々な政治結社も登場した。明治日本は...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/05/16
【会員アンケート】談論風発!トランプ関税をどう考える?
編集部ラジオ2025(8)会員アンケート企画:トランプ関税
会員の皆さまからお寄せいただいたご意見を元に考え、テンミニッツTVの講義をつないでいく「会員アンケート企画」。今回は、「トランプ関税をどう考える?」というテーマでご意見をいただきました。
第2次トランプ...
第2次トランプ...
収録日:2025/05/07
追加日:2025/05/15
今や化学兵器の主流…「バイナリー」兵器とは?
医療から考える国家安全保障上の脅威(3)NBC兵器をめぐる最新情勢
2006年ロシアのKGB元職員暗殺には「ポロニウム210」というNBC兵器が用いられた。これは、検知しやすいγ線がほとんど出ない放射線核種で、監視の目を容易にすり抜ける。また、2017年金正男氏殺害に使われた「VX」は、2種の薬剤を...
収録日:2024/09/20
追加日:2025/05/15
生と死が明確に分かれていた…弥生人が生きていた世界とは
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(9)弥生人の「生の世界」
弥生時代の衣食住には、いったいどんな文化があったのだろうか。土器やスタンプ痕の分析から浮かび上がる弥生人が生きていた世界、その生活をひもとくと、農耕の発展の経路や死生観など当時のさまざまな文化の背景が見えてくる...
収録日:2024/07/29
追加日:2025/05/14