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DATE/ 2020.09.01

子どものころに親からよく言われたことは?

 新型コロナウイルス感染防止の第一対策は手洗いとうがいと言われています。「学校から帰ったら、まず手洗いうがい」と親からも口すっぱく言われて育ったな、と子ども時代を思い出した方もいるのでは。その時は「うるさいなぁ」「分かってるよ」と感じながらも、大人になった今となれば「言うことは聞いておくものだ」と思うこともあるのが親の言葉。皆さんは、両親からどんなことを言われて育って来たのでしょうか。

教えてください。子ども時代に親からよく言われた言葉とは?

 30~50代の男女35人に「子どものころに親からよく言われたことは?」とアンケートを実施。多くの人が今でも覚えている、思い出す、親からよく言われた言葉をピックアップしました。

「早く寝なさい!」
 常に早く寝ろと言われ、早寝早起き習慣のお陰か身長も伸びた。今も健康で体力には自信がある(35歳男性)。子どもが寝たらやっと自分の時間が作れる今となると、母も早く子どもを寝せてゆっくりしたかったんだなと分かります(30歳女性)。

 これは言われた憶えのある人も多いはず。睡眠の大切さもさることながら、親の「早く寝てくれ」という気持ちも今なら分かると言う声も聞かれました。

「好き嫌いはダメ」
 とにかく何でも食べさせられて嫌でしたが、大人になっても好き嫌いだらけで大変な友人を見ていると親に感謝しなきゃと思う(43歳女性)。偏食はいけないとよく言われ健康的な食事や粗食で育ちましたが、その反動で家を出た時はジャンクフードにハマってしまいました(36歳女性)。

 大人になって好き嫌いが多いと、周りから残念な目で見られワガママだと思われることも多いもの。育った環境が大きく影響する部分でもありますね。

「歯磨きしなさい」
 三度の食事後の歯磨きをしたかをいつも確認されていました。健康な歯って本当に大事なので、ちゃんと親の言うことを聞いておけば良かったと後悔しています(50歳男性)。どんなに面倒くさい時も歯磨きをしないと落ち着かないように。母のお陰で歯磨き習慣が身に付いています(38歳女性)。

 歯の大切さを大人になって実感している人も多く「歯磨きしなさい」はシンプルながら親からの大切な言葉だったという声も多数。習慣化したいことは子どもの時から身につけるべきなのかもしれません。

「”ありがとう”は?」
 ちょっと人見知りで恥ずかしく“ありがとう”を言えないと、母に”ありがとうを言えない方が恥ずかしい”とよく怒られていました(40歳男性)。誰かに何かしてもらったら”ありがとうは?”といつも言われていました。当たり前のことですが、出来ない人もいるのでうるさく言われて良かったなと思う(30歳男性)。

 こちらも基本中の基本ですが、コミュニケーションとして感謝の言葉を言えるかどうかは子どもでも大人でも重要なポイント。なかなか「有難う」を言えないオジサンもいますが、そのハードルは子どもの時から下げておくといいのではないでしょうか。

「寝る前に明日の準備をしなさい」
 忘れ物が多い子だったので、前日にランドセルに必要な物を詰めるのをやらされていました。朝は寝坊したり忙しく忘れ物しやすいので(33歳女性)。今も明日のスーツとネクタイを選びシワを伸ばし、自分でシャツにアイロンを掛けてから寝る几帳面サラリーマン。準備をちゃんとすると心に余裕ができます(39歳男性)。

 子どもの自立にも繋がる言葉、という意見も。いつもバタバタ慌てず、時間を守れる人になるためにも意外と大切なことなのでは。

親になったあなたが、子どもによく言っているフレーズは?

 自分もそんなことをよく親から言われたなぁと懐かしく感じた方も多いと思いますが、逆に、実際に自分が親になった現在はどんなことを子どもに伝えているのかも気になるところです。よく子どもに言っていることや、ちょっとおもしろい親としての言葉もピックアップしました。

「知らない人とは話さない、何も貰わない」
 夫婦共働きで子どもと一緒にいない時間も長いので、自分達の目が届かない時の過ごし方についてついうるさく言って聞かせてしまう(42歳男性)。

 子どもを狙った犯罪も多い昨今、知らない人とは関わらないことを日々言って聞かせている親が多い印象があります。

「ゲームやスマホばかりはダメ」
 大人もですが、スマホ漬けになりがちなのが心配で常に注意している(40歳女性)。

 電車や公園、とにかく子どもたちも大人同様にスマホを見ている子の多いこと。まずは大人がお手本を見せるべきかもしれません。

「人の役に立つ人になりなさい」
 東大生の両親がこう言って育てた、と聞いたので(46歳女性)。

 お受験ママたちは、子育て成功ママの言葉を参考にしている人も多いよう。「勉強しなさい」と頭から押し付けるよりも効果があるのかも!?

「人は人、うちはうち」
 小学生の子どももSNSで「誰々は何を買ってもらった、海外旅行に行った、スマホを持ってる、メイクしてる」などの友達情報にすぐ刺激され影響されるので、うちはうち、と言い聞かせて羨ましがるのをいさめています(40歳女性)。

 SNSの普及で子どもも他人と自分を比較してしまったり、情報に踊らされることもあるのでは。しっかり我が家のルールを教えることも必要になりますね。

 子どもにうるさがられても、大事なことを何度も伝え続けることは案外忍耐がいるものです。しかし、繰り返し言われることでいつの間にか身に付いている良い習慣もあり、振り返れば親の言葉に感謝している人も多いよう。親がよく言う言葉は、子どもの成長に長く影響するものだとも言えるのではないでしょうか。
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