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ビジネスで使える「大和言葉」とは?
「大和言葉」に注目が集まっています。読み飛ばされるメールの文面を際立て、印象を残す言葉遣いにちょっと注目してみましょう。
小学校で習ったように、漢字には「音読み」と「訓読み」があります。音読みは中国伝来の読み、訓読みは日本固有の読み。ですから、基本的には「訓読み」でできている言葉が和語=大和言葉。また、日本語にはそれ以降も外来語が相次いで取り入れられ、主にカタカナで表されるようになりました。比較してみると、こんな感じです。
・訓読み:わかる:始める:学ぶ
・音読み:了解:開始・始動:学習・勉強
・外来語:OK:スタート:ラーニング・スタディ
日本生まれ、日本育ちの大和言葉と、もっと仲良くするにはどうすればいいでしょうか。いろいろな場面で使ってみる以上のことはありません。
[恐れ入る]
「恐縮です」「すみません」「助かりました」などの言い換えとして重宝。相手に何かを頼んだり尋ねたりする場合は「恐れ入りますが」、と声がけするとスムーズ。感謝やお詫びの気持ちを伝える場合には「恐れ入ります」、勝負に負けたことを認めたり、驚きを伝える場合は「恐れ入りました」と活用させましょう。
[折り合う]
条件や要求など、互いに異なるときの妥結点を示します。妥協や譲歩という単語はネガティブになりがちですが、「折り合い」と表現するとスマート。とくに否定形は、双方の言い分が平行線をたどってしまったとき、相手の申し出を断るときに「(今回はどうにも)折り合いがつかず」申し訳ありません、と伝えるのが日本の大人の知恵です。
[この上ない]
文字通り「最上の」状態を表します。友達相手なら「超」と表現したい喜びを目上の人などに伝えるときに「この上ない喜びです」「この上なく嬉しい限りです」などと、置き換えてみましょう。
[心配り]
「心配り」は「気配り」「目配り」とは違い、「お」をつけて相手への感謝を伝えるときに用います。「ご配慮」や「ご高配」では重過ぎるとき、とくに手や体、モノを動かして世話をしてくれた人には「お心配りの数々に感謝」するもの。「お心遣い」も似たように使えます。
[心ばかり]
「心ばかりの品]は「粗品」の言い換え。お礼のしるしに小遣い程度の現金を渡したり、生鮮品・お惣菜などをお裾分けする場合にも使えます。
[しばし・しばらく]
「ちょっとお待ちを」と言いたいときに使ってみたい大和言葉。「しばらくぶりです」は、手紙やメールの冒頭にも使えます。
[力添え]
助力・支援を意味する言葉で、「お力添え」として目上の人に援助を仰いだり、骨折りに感謝するのが通例。自分が相手のためになろうと申し出るときには使わないので、「力を尽くす」などと言い換えましょう。
[引き立て]
「料理を引き立てるチョイ足し調味料」などと言いますが、ビジネスでは主に手紙やメールの冒頭や結びで、ひいきや愛顧・支援などに感謝し、今後ともよろしくお願いするときに用います。
[荷が勝つ]
責任や負担が重すぎて、とうてい「無理!」と思うときに使用。角の立たないお断りの言葉です。自分にも部下にも使えますが、目上に対しては使いません。
[懐が深い]
心が広く包容力がある様子。もちろん誰かをほめるときに用います。「器(うつわ)が大きい」もほぼ同様ですが、どちらかというと人間的な魅力も能力も長けていて、さらに大人物の印象。「器の大きさ」は自分で左右できませんが、「懐の深い」人には頑張ればなれる可能性を感じます。
イマドキのビジネスシーンには、カタカナや横文字、さらにそれらを略した「コスパ」や「アポ」「リスケ」のような言葉があふれかえっています。だからこそ、決まりきった定型文のようなやり取りに「大和言葉」をはさむだけで、奥ゆかしくやわらかく、相手をほっとさせる効果があります。
大和言葉の名人・達人に出会いたければ、落語の高座がお勧め。「ご来場」ではなく「お運び」、「落語」ではなく「咄(はなし)」、「高座」は「高いところ」というように、四角いものをほどいて手渡してくれるのが、落語の面白さに隠された醍醐味です。
ともすれば淡白で効率一辺倒のビジネス社会に潤いを与える大和言葉の効用、ぜひお試しください。
そもそも大和言葉ってなに?
大和言葉は古語とは違います。「時雨(しぐれ)」や「十六夜(いざよい)」だけでなく、「恐れ入ります」や「心配り」も大和言葉。「ありがとう」や「おもてなし」のように、今も生きている言葉遣いも多いので、そうかしこまる必要はありません。小学校で習ったように、漢字には「音読み」と「訓読み」があります。音読みは中国伝来の読み、訓読みは日本固有の読み。ですから、基本的には「訓読み」でできている言葉が和語=大和言葉。また、日本語にはそれ以降も外来語が相次いで取り入れられ、主にカタカナで表されるようになりました。比較してみると、こんな感じです。
・訓読み:わかる:始める:学ぶ
・音読み:了解:開始・始動:学習・勉強
・外来語:OK:スタート:ラーニング・スタディ
日本生まれ、日本育ちの大和言葉と、もっと仲良くするにはどうすればいいでしょうか。いろいろな場面で使ってみる以上のことはありません。
ビジネスシーンで使える大和言葉10選
大和言葉を日常に使うといっても、いきなり「たまゆら(ほんのすこしの間)」や「望月(満月)」などと風流な言葉を持ち出しては、相手も驚きます。普段のコミュニケーションなかで、「希望」を「のぞみ」に、「余裕」を「ゆとり」にと、言い換える方法をマスターしてみましょう。以下は、ビジネスシーンで使える大和言葉の10選です。[恐れ入る]
「恐縮です」「すみません」「助かりました」などの言い換えとして重宝。相手に何かを頼んだり尋ねたりする場合は「恐れ入りますが」、と声がけするとスムーズ。感謝やお詫びの気持ちを伝える場合には「恐れ入ります」、勝負に負けたことを認めたり、驚きを伝える場合は「恐れ入りました」と活用させましょう。
[折り合う]
条件や要求など、互いに異なるときの妥結点を示します。妥協や譲歩という単語はネガティブになりがちですが、「折り合い」と表現するとスマート。とくに否定形は、双方の言い分が平行線をたどってしまったとき、相手の申し出を断るときに「(今回はどうにも)折り合いがつかず」申し訳ありません、と伝えるのが日本の大人の知恵です。
[この上ない]
文字通り「最上の」状態を表します。友達相手なら「超」と表現したい喜びを目上の人などに伝えるときに「この上ない喜びです」「この上なく嬉しい限りです」などと、置き換えてみましょう。
[心配り]
「心配り」は「気配り」「目配り」とは違い、「お」をつけて相手への感謝を伝えるときに用います。「ご配慮」や「ご高配」では重過ぎるとき、とくに手や体、モノを動かして世話をしてくれた人には「お心配りの数々に感謝」するもの。「お心遣い」も似たように使えます。
[心ばかり]
「心ばかりの品]は「粗品」の言い換え。お礼のしるしに小遣い程度の現金を渡したり、生鮮品・お惣菜などをお裾分けする場合にも使えます。
[しばし・しばらく]
「ちょっとお待ちを」と言いたいときに使ってみたい大和言葉。「しばらくぶりです」は、手紙やメールの冒頭にも使えます。
[力添え]
助力・支援を意味する言葉で、「お力添え」として目上の人に援助を仰いだり、骨折りに感謝するのが通例。自分が相手のためになろうと申し出るときには使わないので、「力を尽くす」などと言い換えましょう。
[引き立て]
「料理を引き立てるチョイ足し調味料」などと言いますが、ビジネスでは主に手紙やメールの冒頭や結びで、ひいきや愛顧・支援などに感謝し、今後ともよろしくお願いするときに用います。
[荷が勝つ]
責任や負担が重すぎて、とうてい「無理!」と思うときに使用。角の立たないお断りの言葉です。自分にも部下にも使えますが、目上に対しては使いません。
[懐が深い]
心が広く包容力がある様子。もちろん誰かをほめるときに用います。「器(うつわ)が大きい」もほぼ同様ですが、どちらかというと人間的な魅力も能力も長けていて、さらに大人物の印象。「器の大きさ」は自分で左右できませんが、「懐の深い」人には頑張ればなれる可能性を感じます。
カタカナ氾濫の今だからこそ
ビジネス大和言葉10選、いかがだったでしょうか。イマドキのビジネスシーンには、カタカナや横文字、さらにそれらを略した「コスパ」や「アポ」「リスケ」のような言葉があふれかえっています。だからこそ、決まりきった定型文のようなやり取りに「大和言葉」をはさむだけで、奥ゆかしくやわらかく、相手をほっとさせる効果があります。
大和言葉の名人・達人に出会いたければ、落語の高座がお勧め。「ご来場」ではなく「お運び」、「落語」ではなく「咄(はなし)」、「高座」は「高いところ」というように、四角いものをほどいて手渡してくれるのが、落語の面白さに隠された醍醐味です。
ともすれば淡白で効率一辺倒のビジネス社会に潤いを与える大和言葉の効用、ぜひお試しください。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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