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生きてるうちにお葬式「生前葬」とは
自分らしい終活がテーマになる現在、お葬式にも「自分らしさ」を求める人が増えています。なかでも生きている間にお世話になった方々に直接感謝を伝えられる「生前葬」が注目の的。どんなふうに行うのか、メリットやデメリット、「お別れ会」との違いについても調べてみました。
生前葬には、決まりも制限もありません。自分でプランを立て、葬儀会社やイベント会社に相談して執りおこなう人が多いですが、形式は自由なので、場所と日取りさえ決まればすぐにでも案内状を出すことができます。
一般的な流れは「開式挨拶」「(本人の人生をたどる)スライドショーなどの上映」「来賓・出席者のスピーチ」「演奏等の余興」「食事」「本人から出席者への挨拶」「閉式挨拶」。人前で行う結婚披露宴とほとんど変わらず、本人の趣味に応じたプログラムを入れるのも自由です。
宗教による葬儀を虚礼と感じている方が行うことが多いため、読経や焼香を省ける、香典の用意は必要なく会費制、ドレスコードは平服というあたりが、一般の葬儀との違いです。もちろん趣向に応じて変更できますので、案内状にどのような形式で行うか(会費の記載、平服参加の旨など)記載されるといいでしょう。
いつどこで行い、誰を呼び、何をするか自分で決められるのが生前葬の最大のメリットでしょう。飾る花の種類や振る舞う料理の内容まで、すべて本人の嗜好を生かすことができます。礼儀作法や段取りに縛られることなく、参列した方に対して自分で感謝やお別れを伝えることができるのは、大きな魅力に数えられます。
一般の葬儀では、医師から死亡診断が出て火葬するまで、という時間や手続きの縛りがあります。そのため、エンディング・ノートなどによほど詳しく記載し、周囲の賛同を得ておかないと、希望通りの式を行うのは困難です。また、当然のことながら、思い通りの式だったかを見届けられるのも生前葬ならではのメリットです。
さらに、葬儀に関する打ち合わせや費用を本人が負担するという点も、忙しい家族に時間的・金銭的負担をかけたくない層が選ぶ、超高齢化社会ならではのポイントです。
逆にデメリットは、「自分本位になりがち」「理解されにくい」「二度手間になる」という点、どれも「生前葬がまだポピュラーでない」ことに起因するものです。また、生前葬を行っても、実際に亡くなった後の火葬は必要で、それに伴う必要最小限の儀礼は行いたいのが身内の情、ということもあります。
生前葬のほうは、もともとは「儀礼や社会通念を逆手に取る」という大胆な行為として始まったため、日本では20世紀初頭の落語家などの間でからポツポツと始まりました。
「生前葬」の名前をポピュラーにしたのは、「男装の麗人」として一世を風靡した水の江瀧子さん。1993年、78歳の誕生日前日に森繁久彌を発起人とする生前葬をキャピトル東急ホテルで華やかに行い、翌日には「復活祭」を行って関係者を驚かせました。水の江さんはその後16年以上長寿を楽しまれましたが、「生前葬を行った人は長生きする」という風評の元もこのあたりかもしれません。
池田貴族さんの場合は、3年にわたるがんとの闘病のなか、「貴族 大生前葬」というチャリティーライブを二度実施。収益金は、がん遺児らを援助する「あしなが育英会」に寄付されています。
ほかにもビートたけしさんは、62歳だった09年4月にテレビ東京「たけしのニッポンのミカタ!」会見で「ビートたけし生前葬」を開催。同じ年、桑田佳祐さんも53歳の若さで「桑田佳祐追悼特別番組」と題した企画をフジテレビ系の「桑田佳祐の音楽寅さん ~MUSIC TIGER~」内で行いました。翌年には食道がんが発覚した桑田さんですが、手術後10年を経過してお元気です。
WAHAHA本舗の喰始さんやテリー伊藤さんは還暦を機に、プロ野球の仰木彬さんは「野球殿堂入り」を記念して、歌手の小椋佳さんは70歳を節目に「生前葬コンサート」を行っています。
どんな形式が自分にはフィットするのか。考えてみるのも楽しいですね。
生前葬の概要と流れ
生前葬は、その名の通り、まだ生きているうちに行う葬儀です。本来ならば出席できない自分の葬儀に「喪主」として参加することで、お世話になった人や親しかった人に元気なうちに感謝とお別れを伝えたり、社会活動に区切りをつけたり。「還暦」の60歳や「米寿」の88歳のお祝いを区切りとする人もいれば、余命宣告されたことをきっかけに行う人もいます。生前葬には、決まりも制限もありません。自分でプランを立て、葬儀会社やイベント会社に相談して執りおこなう人が多いですが、形式は自由なので、場所と日取りさえ決まればすぐにでも案内状を出すことができます。
一般的な流れは「開式挨拶」「(本人の人生をたどる)スライドショーなどの上映」「来賓・出席者のスピーチ」「演奏等の余興」「食事」「本人から出席者への挨拶」「閉式挨拶」。人前で行う結婚披露宴とほとんど変わらず、本人の趣味に応じたプログラムを入れるのも自由です。
宗教による葬儀を虚礼と感じている方が行うことが多いため、読経や焼香を省ける、香典の用意は必要なく会費制、ドレスコードは平服というあたりが、一般の葬儀との違いです。もちろん趣向に応じて変更できますので、案内状にどのような形式で行うか(会費の記載、平服参加の旨など)記載されるといいでしょう。
生前葬のメリット・デメリット
生前葬のメリットは、「自分で自由に楽しく式を演出できる」「時間的制約がない」「家族への負担が軽減する」ことなどが数えられます。いつどこで行い、誰を呼び、何をするか自分で決められるのが生前葬の最大のメリットでしょう。飾る花の種類や振る舞う料理の内容まで、すべて本人の嗜好を生かすことができます。礼儀作法や段取りに縛られることなく、参列した方に対して自分で感謝やお別れを伝えることができるのは、大きな魅力に数えられます。
一般の葬儀では、医師から死亡診断が出て火葬するまで、という時間や手続きの縛りがあります。そのため、エンディング・ノートなどによほど詳しく記載し、周囲の賛同を得ておかないと、希望通りの式を行うのは困難です。また、当然のことながら、思い通りの式だったかを見届けられるのも生前葬ならではのメリットです。
さらに、葬儀に関する打ち合わせや費用を本人が負担するという点も、忙しい家族に時間的・金銭的負担をかけたくない層が選ぶ、超高齢化社会ならではのポイントです。
逆にデメリットは、「自分本位になりがち」「理解されにくい」「二度手間になる」という点、どれも「生前葬がまだポピュラーでない」ことに起因するものです。また、生前葬を行っても、実際に亡くなった後の火葬は必要で、それに伴う必要最小限の儀礼は行いたいのが身内の情、ということもあります。
生前葬を行った有名人たち
生前葬とお別れ会の違いは、お別れ会のほうは本人が亡くなった後に開くこともできる点です。こちらは遺族に代わって発起人会がつくられて開催されるケースが多く、社会的立場が高く、交際範囲の広い方によく見られます。生前葬のほうは、もともとは「儀礼や社会通念を逆手に取る」という大胆な行為として始まったため、日本では20世紀初頭の落語家などの間でからポツポツと始まりました。
「生前葬」の名前をポピュラーにしたのは、「男装の麗人」として一世を風靡した水の江瀧子さん。1993年、78歳の誕生日前日に森繁久彌を発起人とする生前葬をキャピトル東急ホテルで華やかに行い、翌日には「復活祭」を行って関係者を驚かせました。水の江さんはその後16年以上長寿を楽しまれましたが、「生前葬を行った人は長生きする」という風評の元もこのあたりかもしれません。
池田貴族さんの場合は、3年にわたるがんとの闘病のなか、「貴族 大生前葬」というチャリティーライブを二度実施。収益金は、がん遺児らを援助する「あしなが育英会」に寄付されています。
ほかにもビートたけしさんは、62歳だった09年4月にテレビ東京「たけしのニッポンのミカタ!」会見で「ビートたけし生前葬」を開催。同じ年、桑田佳祐さんも53歳の若さで「桑田佳祐追悼特別番組」と題した企画をフジテレビ系の「桑田佳祐の音楽寅さん ~MUSIC TIGER~」内で行いました。翌年には食道がんが発覚した桑田さんですが、手術後10年を経過してお元気です。
WAHAHA本舗の喰始さんやテリー伊藤さんは還暦を機に、プロ野球の仰木彬さんは「野球殿堂入り」を記念して、歌手の小椋佳さんは70歳を節目に「生前葬コンサート」を行っています。
どんな形式が自分にはフィットするのか。考えてみるのも楽しいですね。
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