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DATE/ 2020.11.21

誰でも貴族?「爵位」が買えるって本当?


 イギリスの東海岸から7マイルほどの位置にある「シーランド公国」を知っていますか。実はこのシーランド公国では男爵(バロン)、女男爵(バロネス)といった「爵位」を購入できるのだそうです。

 「爵位」が買えるだなんて、にわかには信じられませんが、これは事実です。いったいどういう仕組みなのか。そもそもシーランド公国って何なのか。できるだけ分かりやすく解説していきます。

シーランド公国は国家じゃない

 そもそもシーランド公国とは何なのか。この話から始めたいと思います。冒頭に書いた通り、イギリスの東海岸から7マイルほどの位置にあり、世界最小の国をうたっています。しかし、実はシーランド公国は世界から国家として承認されていません。つまり、読んで字の如く「自称国家」なのです。

 シーランド公国の歴史の一言でいうと、元英国陸軍少佐だったロイ・ベイツが1967年に独立国を宣言したことに始まり、その前史は第二次世界大戦までさかのぼります。その国の全景は、イギリス南東部の沖合いに浮かぶ海上要塞なのですが、詳しく知りたい方はシーランド公国のウェブサイトをご覧ください。日本語で読むこともできます。

血統の「貴族」、承認の「爵位」

 シーランド公国では「爵位」を買うことができます。ところでそもそも「爵位」って何だか知っていますか。ヨーロッパ以外にアジアの中国や日本にも爵位はありますが、ここではヨーロッパにおける爵位について説明します。

 爵位は、いわゆる「貴族」と対で考えると分かりやすいかもしれません。貴族は血のつながり、血統が大きな意味をもちますね。言ってみれば、生まれたその時から自然に認められる階級です。一方、血統の貴族に対して、爵位は権力による承認です。爵位は権力によって承認されることで生まれる階級なのです。

 よく知られた爵位の称号に公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、騎士などがあります。今では階級の称号というより、名誉の称号となっていますね。

何のために爵位を売るのか

 それにしてもシーランド公国はなぜ爵位を売るのでしょうか。ウェブサイトには「シーランドを支援してロードやレディ、男爵 (バロン)、女男爵 (バロネス) になりましょう」とあります。

 「支援」と書かれていることに注目しましょう。要するに、クラウドファンディングみたいな考え方なのです。クラウドファンディングとは「群衆(crowd)」のクラウドと、「資金調達(funding)」のファンディングを掛け合わせた言葉です。

 つまり、シーランド公国が爵位を売る目的は、組織の運営資金を調達するためであり、さらに爵位を授与することで購入者にシーランド公国というコミュニティへの帰属感を生み出すことと言えます。

500ポンドの「公爵」

 シーランド公国では「男爵(バロン)」と「女男爵(バロネス)」が29.99ポンド、騎士(ナイト)が99.99ポンド、「伯爵(カウント)」と「女公爵(ダッチス)」が199.99ポンド、「公爵(デューク)」と「女公爵(ダッチス)」が499.99ポンドで販売されています。

 もちろん最高額の「公爵(デューク)」と「女公爵(ダッチス)」が最高位です。先ほど「貴族」と「爵位」を分けて説明しましたが、シーランド公国では「貴族」と「爵位」はイコールです。つまり、「爵位」を買えば、シーランド公国の貴族になることができるというわけです。

 これらはウェブサイト上の「シーランドストア」から購入することができます。シーランドストアには、そのほかにも、「シーランドの身分証明書」「シーランドの一部を所有する権利」、Tシャツやキーホルダーやマグカップなどたくさんの商品があります。

 興味をもたれた方はぜひ一度、シーランド公国のウェブサイトを訪問してみてください。

<参考サイト>
・シーランド公国
https://sealandgov.org/
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