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質素は貧乏じゃない!倹約家になるためのコツ
「倹約は灯心から始めよ」ということわざでは、倹約のためにはまず灯心(現代でいう電気代)の節約から始めること、つまり身近で小さなところから始めることを勧めています。
「貧乏」とは、主として財産や収入が少なくて生活が苦しい状況、貧窮や貧困の様を表します。他方、「倹約」は、無駄を省いて出費をできるだけ少なくすることを指します。
安易に貧乏に陥ったり生活の質を低下させたりしないためにも、善良でまっとうな市井の人にこそ、倹約のための正しい情報を知ったり技術を身に付けたり、さらには実践することが肝要といえます。
そこで今回は、倹約家になるためのコツ・スモール5ステップを紹介したいと思います。
自宅、オフィス、趣味の場など、まずは身近なところから、要と不要を見直しましょう。そこで「不要」と感じたもの、判断したもの、認識したものは「倹約できるもの」です。ただし、要・不要の基準は「自分にとって」です。社会的に価値があるからといって要というわけではありませんし、その逆もしかりです。
要と不要の価値観は各人によって千差万別で、法律や社会性に違反しないかぎり、正解も不正解もありません。特に、趣味にまつわる物や嗜好品、家電製品や便利グッズなどは、性格や生活スタイルによって、要と不要の判断が大きく異なってきます。まずはじっくりと、自身で判断してください。
【コツ2:正しい倹約情報を学ぶ】
コツ1と並行して、正しい倹約情報を学びましょう。正しい情報を知ることは、様々な有利をもたらしてくれますが、倹約であってもそれは同じです。ただし、いくら正しい倹約情報であったとしても、必要な情報は人によって違います。コツ1で認識した自分の要と照らし合わせながら、自分にとって必要な正しい倹約情報を学びましょう。
現代は、行政サービスから民間サービスまで、広くネットなど新しいメディアでも紹介されています。本・新聞・広報のような、活字から必要な情報を探すことが苦手な人でも、ネットの検索機能などを使えば、比較的簡便に必要な情報を見つけやすくなっています。また、動画や音声などで情報を公開している場合も多数あります。
【コツ3:倹約術を実践する】
コツ1の自身の要と不要を認識し、コツ2の正しい倹約情報を学んだあとは、いよいよ倹約術を実践してみましょう。認識も情報もどれだけ正しかったとしても、実践しない人は倹約“家”にはなれませんし、また倹約もできません。自身の生活から実践して不要な物を排除し、さらに身近なことから実行できそうな倹約術を、どんどん試してみてください。そして、実践して難しかったり合わなかったりした場合は、都度改善を取り入れてみてください。
なお、冒頭の電気代ではありませんが、固定費のようなこだわりはないが生活に欠かせない費用の見直しから始めることをお勧めします。例えば、自由化となった電気会社・ガス会社などの他社比較、携帯電話のキャリアやプランの見直しなど。また、細かなところでいえば、会社やプランを変更せずとも、料金の支払いや明細の発行などでも、費用に差がでる場合もあります。
【コツ4:時間を味方につける】
倹約や貧乏にとどまらず、貧しい生活や貧しくなりやすい思考から脱却し真に豊かになるためにも、倹約やお金を考える際にはぜひ、「時間を味方につける」感覚を身に付けてほしいと思います。
資本主義においては、字義通りに“時は金なり”といえます。つまり、正しく運用したり複利のメリットを活用したりできれば、労働がなくとも時間がたてばお金が増えることになります。また、お金は労働時間の対価ともなります。安易や惰性で“自身の最大のリソースである自身の時間”を使うことは、最大の無駄といます。
生活や対価のためにもったいない時間の使い方をするのではなく、時間を味方につけて自身で生活や金銭を制御する視座にたちましょう。
【コツ5:コツ1~コツ4を楽しむ】
コツ1~コツ4を楽しむことができればベストですが、楽しむまでいかずとも、コツ1~コツ4を取り入れた生活を、心地良いものや便利なものとして、生活のプラス面となっていることとして感じてください。
しかし、あなたにとって、楽しめないばかりか苦痛となっている場合は、何かが間違っています。その場合は、コツ1~コツ4を見直してみてください。もちろん、誰であっても生活は楽しいことばかりとはいえません。とはいえ、あえて苦しんだり嫌な思いをしたりする必要はまったくありません。人生は我慢大会ではないのですから、できるだけ楽しく心地良くなるようにしてください。
例えば、要・不要の認識が間違っていた場合は、もう一度コツ1に戻って要・不要の仕分けから始め、さらに自分にあった倹約情報を実践してみてください。自分の生活の主体者は、突き詰めれば我が身のみです。自分が変わったり変えようとしたりすれば、確実に変えていくことができるともいえます。
なお、生活の主体者である義務と権利は、誰もが平等に有しています。そのため、たとえ自分の生活に良や善であったとしても、そのことによって他者に不利益や不愉快を負わせることは間違っています。特に、家族や同居人など、身近で大切な人を巻き込み迷惑をかけることがないよう、自分だけにとどまらないことは、事前によく話し合い、実践の最中であっても一緒に見直しあうなど、コミュニケーションの中で合意形成を高めあうようにしてください。
質素な生活には、贅沢や派手さはないかもしれませんが、質朴かつ、淑やかさや慎ましやかといった上品な魅力があります。ぜひ参考にしてみてください。
「貧乏」とは、主として財産や収入が少なくて生活が苦しい状況、貧窮や貧困の様を表します。他方、「倹約」は、無駄を省いて出費をできるだけ少なくすることを指します。
安易に貧乏に陥ったり生活の質を低下させたりしないためにも、善良でまっとうな市井の人にこそ、倹約のための正しい情報を知ったり技術を身に付けたり、さらには実践することが肝要といえます。
そこで今回は、倹約家になるためのコツ・スモール5ステップを紹介したいと思います。
倹約家になるためのコツ・スモール5ステップ
【コツ1:自身の要と不要を認識する】自宅、オフィス、趣味の場など、まずは身近なところから、要と不要を見直しましょう。そこで「不要」と感じたもの、判断したもの、認識したものは「倹約できるもの」です。ただし、要・不要の基準は「自分にとって」です。社会的に価値があるからといって要というわけではありませんし、その逆もしかりです。
要と不要の価値観は各人によって千差万別で、法律や社会性に違反しないかぎり、正解も不正解もありません。特に、趣味にまつわる物や嗜好品、家電製品や便利グッズなどは、性格や生活スタイルによって、要と不要の判断が大きく異なってきます。まずはじっくりと、自身で判断してください。
【コツ2:正しい倹約情報を学ぶ】
コツ1と並行して、正しい倹約情報を学びましょう。正しい情報を知ることは、様々な有利をもたらしてくれますが、倹約であってもそれは同じです。ただし、いくら正しい倹約情報であったとしても、必要な情報は人によって違います。コツ1で認識した自分の要と照らし合わせながら、自分にとって必要な正しい倹約情報を学びましょう。
現代は、行政サービスから民間サービスまで、広くネットなど新しいメディアでも紹介されています。本・新聞・広報のような、活字から必要な情報を探すことが苦手な人でも、ネットの検索機能などを使えば、比較的簡便に必要な情報を見つけやすくなっています。また、動画や音声などで情報を公開している場合も多数あります。
【コツ3:倹約術を実践する】
コツ1の自身の要と不要を認識し、コツ2の正しい倹約情報を学んだあとは、いよいよ倹約術を実践してみましょう。認識も情報もどれだけ正しかったとしても、実践しない人は倹約“家”にはなれませんし、また倹約もできません。自身の生活から実践して不要な物を排除し、さらに身近なことから実行できそうな倹約術を、どんどん試してみてください。そして、実践して難しかったり合わなかったりした場合は、都度改善を取り入れてみてください。
なお、冒頭の電気代ではありませんが、固定費のようなこだわりはないが生活に欠かせない費用の見直しから始めることをお勧めします。例えば、自由化となった電気会社・ガス会社などの他社比較、携帯電話のキャリアやプランの見直しなど。また、細かなところでいえば、会社やプランを変更せずとも、料金の支払いや明細の発行などでも、費用に差がでる場合もあります。
【コツ4:時間を味方につける】
倹約や貧乏にとどまらず、貧しい生活や貧しくなりやすい思考から脱却し真に豊かになるためにも、倹約やお金を考える際にはぜひ、「時間を味方につける」感覚を身に付けてほしいと思います。
資本主義においては、字義通りに“時は金なり”といえます。つまり、正しく運用したり複利のメリットを活用したりできれば、労働がなくとも時間がたてばお金が増えることになります。また、お金は労働時間の対価ともなります。安易や惰性で“自身の最大のリソースである自身の時間”を使うことは、最大の無駄といます。
生活や対価のためにもったいない時間の使い方をするのではなく、時間を味方につけて自身で生活や金銭を制御する視座にたちましょう。
【コツ5:コツ1~コツ4を楽しむ】
コツ1~コツ4を楽しむことができればベストですが、楽しむまでいかずとも、コツ1~コツ4を取り入れた生活を、心地良いものや便利なものとして、生活のプラス面となっていることとして感じてください。
しかし、あなたにとって、楽しめないばかりか苦痛となっている場合は、何かが間違っています。その場合は、コツ1~コツ4を見直してみてください。もちろん、誰であっても生活は楽しいことばかりとはいえません。とはいえ、あえて苦しんだり嫌な思いをしたりする必要はまったくありません。人生は我慢大会ではないのですから、できるだけ楽しく心地良くなるようにしてください。
例えば、要・不要の認識が間違っていた場合は、もう一度コツ1に戻って要・不要の仕分けから始め、さらに自分にあった倹約情報を実践してみてください。自分の生活の主体者は、突き詰めれば我が身のみです。自分が変わったり変えようとしたりすれば、確実に変えていくことができるともいえます。
なお、生活の主体者である義務と権利は、誰もが平等に有しています。そのため、たとえ自分の生活に良や善であったとしても、そのことによって他者に不利益や不愉快を負わせることは間違っています。特に、家族や同居人など、身近で大切な人を巻き込み迷惑をかけることがないよう、自分だけにとどまらないことは、事前によく話し合い、実践の最中であっても一緒に見直しあうなど、コミュニケーションの中で合意形成を高めあうようにしてください。
人生の不要の判断、質素な生活の魅力の実践
大ヒット漫画『鬼滅の刃』に登場する人気キャラクター・蛇柱の伊黒小芭内は「する必要もない贅沢をする」ことの愚かしさや虚しさを語っていますが、本来、必要もない無駄遣いをすること自体が、時間や金銭の使い方の優劣や善し悪し以前に、人生の不要ともいえます。質素な生活には、贅沢や派手さはないかもしれませんが、質朴かつ、淑やかさや慎ましやかといった上品な魅力があります。ぜひ参考にしてみてください。
<参考文献・参考サイト>
・「倹約は灯心から始はじめよ」『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)
・「貧乏」『日本国語大辞典』(小学館)
・「倹約」『デジタル大辞泉』(小学館)
・『鬼滅の刃 22』(吾峠呼世晴著、集英社)
・「質素」『日本国語大辞典』(小学館)
・「倹約は灯心から始はじめよ」『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)
・「貧乏」『日本国語大辞典』(小学館)
・「倹約」『デジタル大辞泉』(小学館)
・『鬼滅の刃 22』(吾峠呼世晴著、集英社)
・「質素」『日本国語大辞典』(小学館)
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