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不倫がバレたらどうするべきか?
不倫のニュースが報じられると一斉非難が浴びせられる一方で、「不倫は犯罪ではない」という声も上がるように、現代の日本では不倫は刑罰の対象ではありません。しかし、家族関係や財産関係を規律する法である民法では、770条1項1号で「配偶者に不貞な行為があったとき」を「離婚の訴えを提起できる」条件として既定しています。
このため、“婚姻関係にある両者は相互に相手に対し負っている貞操義務がある”とされ、その違反である不倫は、法律上では「不貞行為」とされ「不法行為」に該当します。そして「不法行為」の加害者、つまり有責者はその損害を賠償する責任を負うことが義務となります。
つまり、法律上および社会慣習において、“不倫は犯罪ではないが責任を取る義務が発生する行為”であるといえます。
そのため、自分勝手に配偶者の権利を侵害し、よりどころとなるべき関係を一方的に反故にするような不倫という不貞行為は、大きな裏切り行為です。
それらを大前提とした社会において、事実として不倫し、さらにバレたのであれば、あなたは有責配偶者です。まずは配偶者に誠心誠意謝罪し、さらに謝罪の気持ちを言動で示していく態度が求められます。
その際に、不倫相手と別れたり連絡を絶ったりすることなどが、当然の権利として配偶者から主張されると思われます。配偶者にはなんの落ち度も責任もなく、あくまでもあなたの過失なのですから、できるかぎり配偶者の意見を尊重してほしいと思います。
しかしながら、謝罪の気持ちをもったとしても、婚姻関係の継続が難しい、さらには不倫相手との不倫解消が難しいのであれば、婚姻関係を解消することも考えられます。その際は、弁護士など専門家に相談したり間に入ってもらったりして、お互いが感情的になって最悪な事態とならないように心がけてください。ただし、社会正義に反するため、有責配偶者から離婚請求をできないことが大原則です。
さらに不倫は相手との共同不法行為ではあるものの、第一義的には婚姻関係にある者が自らを律する必要があるといえます。そのため、不貞相手にも社会道義にもとる行為をしたのであれば、それなりに償う必要があります。
そして日本における婚姻の形態、つまり一夫一妻制は、きわめて先着性の高い社会的な契約です。そのような契約を犯す行為とみなされるため、倫理観や道徳性とはちがった観点で、権利を剥奪されており、ある意味において道義的責任すら超えた非難の対象となってしまいます。
もしあなたが有責配偶者の不貞相手であるのならば、まずは何よりも不倫相手の他方配偶者、つまり有責配偶者の配偶者に謝罪する態度が求められます。なぜなら、たとえ理由や原因があったとしても、あなたは有責配偶者とともに不貞行為という共同不法行為によって、他方配偶者の平穏な生活に悪影響を与え、社会的な行為を脅かしたとされるからです。ただし、嫌悪感や不快感のために、謝罪であっても他方配偶者が聞き入れてくれない場合はあります。
以上のようなことから不倫がバレた場合のあなたは、他方配偶者の意見を尊重して従うことを基本とし、事実に対しては素直に反省して謝罪し、請求された義務には速やかに応じることが、結果としてその後の生活への悪影響を最小限に抑えることができるように思います。
社会的道義に反したとされる不貞相手には、基本的に自己を有利にする主導権はなく、法的にも社会的にも保護の対象外といえる弱い立場の存在です。しかしながら、行為を超えた不当な要求をされたり、有責配偶者に虚言を弄されたりするなど、当事者間での話し合いによる解決がこじれそうな場合は、弁護士など専門的な第三者に間に入ってもらうことをオススメします。
まずは「自分がどうしたいか」をしっかりと自問してください。あなたは最も信頼する相手に理不尽な思いをさせられた被害者であり、責任はありません。つまり、法の下の平等に鑑みても、社会正義に則っても、法的および倫理的な決定権をもっとも主体的に握れるのはあなたです。考えがまとまれば、それに応じた様々な手段を講じることができます。弁護士や専門機関に相談するなど、より有利な戦略的に、問題に取り組みやすくなります。
しかしながら、不倫の賠償は意外に軽いともいえます。まず裁判所で認められている慰謝料は数十万~五百万円程度とされ、相場は百万~二百万円程度です。また、たとえ離婚となったとしても、さらに百万円程度の“離婚慰謝料”の請求ができるぐらいで、財産分与には影響を及ぼしません。そして子どもがいる場合も、養育費や親権に不倫は関係ないため、残念ながら、不倫の被害者が離婚においても不利益を被ることも十分に考えられます。
そこで、それらの客観的な事実や現実と、自分の素直な感情を照らし合わせて、現状の最適解を導き出してください。その結果、例えば、条件付きで許して婚姻関係を再構築する、最大限の慰謝料を請求して離婚するなども可能ですが、どうしても許せないが社会的な損失もできるだけ避けたいのであれば、別居して養育費以上の婚姻費用を有責配偶者に支払わせることも一案です。
ただし、一意見ではありますが、たとえあなたに原因がなく被害者であっても、ある程度落ち着けるようになったり、とりあえずであったとしても今後の生活を思い描いて実行できるようになったりしたのであれば、それ以上の他責感情や他罰感情を引きずらないことを、あなたのためにこそオススメします。
生活の根幹をなす家庭の事情で、いつまでも誰かを責め続けることは、心身をむしばみ、人生の根幹ともいえる生活を不安定にします。そのため、「自分の心に素直になって意見は尊重する。しかし他責感情や他罰感情を引きずらない状況」に、自身を落ち着かせられるように行動してみるという視点で、これからの生活をどうするべきかを考えてみてもよいように思います。
婚姻関係において、当事者はあくまでも二人です。人間関係の最小単位である二人で行う契約において、一方が嫌悪するような根本的な関係を揺るがす行為をすること自体が、想像力の欠如かつ思いやりのない浅はかな行為であり、社会的信頼を損なう行為といえます。
また、どうしても婚姻相手以外と不貞行為に抵触することがしたいのであれば、離婚が禁止されていない日本においては、離婚してから行うという方法もあります。それらの手続きを踏まないということは、横着かつ不誠実な人物であるといえます。
本質的にはたった二人しか当事者がいない婚姻関係。不倫がバレたたときのことを考えるよりもその前に、よりよい婚姻関係を構築することにこそ、どうするべきかと考えを出し合うことが肝要ではないでしょうか。
このため、“婚姻関係にある両者は相互に相手に対し負っている貞操義務がある”とされ、その違反である不倫は、法律上では「不貞行為」とされ「不法行為」に該当します。そして「不法行為」の加害者、つまり有責者はその損害を賠償する責任を負うことが義務となります。
つまり、法律上および社会慣習において、“不倫は犯罪ではないが責任を取る義務が発生する行為”であるといえます。
不倫がバレた有責配偶者はどうするべきか?
民法で規定される以上に、婚姻関係はきわめて社会的な行為です。社会的な行為にはそれなりのメリットや権利が発生する反面、面倒ごとや義務といったデメリットが発生することはやむを得ません。また婚姻関係は、自身で選んだ最小の人間関係であり、社会関係を構築していくうえで根幹となる、信頼関係の基本といえる契約ともいえます。そのため、自分勝手に配偶者の権利を侵害し、よりどころとなるべき関係を一方的に反故にするような不倫という不貞行為は、大きな裏切り行為です。
それらを大前提とした社会において、事実として不倫し、さらにバレたのであれば、あなたは有責配偶者です。まずは配偶者に誠心誠意謝罪し、さらに謝罪の気持ちを言動で示していく態度が求められます。
その際に、不倫相手と別れたり連絡を絶ったりすることなどが、当然の権利として配偶者から主張されると思われます。配偶者にはなんの落ち度も責任もなく、あくまでもあなたの過失なのですから、できるかぎり配偶者の意見を尊重してほしいと思います。
しかしながら、謝罪の気持ちをもったとしても、婚姻関係の継続が難しい、さらには不倫相手との不倫解消が難しいのであれば、婚姻関係を解消することも考えられます。その際は、弁護士など専門家に相談したり間に入ってもらったりして、お互いが感情的になって最悪な事態とならないように心がけてください。ただし、社会正義に反するため、有責配偶者から離婚請求をできないことが大原則です。
さらに不倫は相手との共同不法行為ではあるものの、第一義的には婚姻関係にある者が自らを律する必要があるといえます。そのため、不貞相手にも社会道義にもとる行為をしたのであれば、それなりに償う必要があります。
有責配偶者の不貞相手はどうするべきか?
前述したように、不倫は共同不法行為です。そのため有責配偶者の不貞相手、つまり不倫相手は、「夫または妻としての権利」を違法に侵害したものとして、慰謝料の支払義務等を含めた、有責者の義務が発生します。そして日本における婚姻の形態、つまり一夫一妻制は、きわめて先着性の高い社会的な契約です。そのような契約を犯す行為とみなされるため、倫理観や道徳性とはちがった観点で、権利を剥奪されており、ある意味において道義的責任すら超えた非難の対象となってしまいます。
もしあなたが有責配偶者の不貞相手であるのならば、まずは何よりも不倫相手の他方配偶者、つまり有責配偶者の配偶者に謝罪する態度が求められます。なぜなら、たとえ理由や原因があったとしても、あなたは有責配偶者とともに不貞行為という共同不法行為によって、他方配偶者の平穏な生活に悪影響を与え、社会的な行為を脅かしたとされるからです。ただし、嫌悪感や不快感のために、謝罪であっても他方配偶者が聞き入れてくれない場合はあります。
以上のようなことから不倫がバレた場合のあなたは、他方配偶者の意見を尊重して従うことを基本とし、事実に対しては素直に反省して謝罪し、請求された義務には速やかに応じることが、結果としてその後の生活への悪影響を最小限に抑えることができるように思います。
社会的道義に反したとされる不貞相手には、基本的に自己を有利にする主導権はなく、法的にも社会的にも保護の対象外といえる弱い立場の存在です。しかしながら、行為を超えた不当な要求をされたり、有責配偶者に虚言を弄されたりするなど、当事者間での話し合いによる解決がこじれそうな場合は、弁護士など専門的な第三者に間に入ってもらうことをオススメします。
有責配偶者の配偶者はどうするべきか?
では最後に、あなたが有責配偶者の他方配偶者だった場合、つまり不倫を“バラされた”立場だった場合どうするべきかについてみてみましょう。まずは「自分がどうしたいか」をしっかりと自問してください。あなたは最も信頼する相手に理不尽な思いをさせられた被害者であり、責任はありません。つまり、法の下の平等に鑑みても、社会正義に則っても、法的および倫理的な決定権をもっとも主体的に握れるのはあなたです。考えがまとまれば、それに応じた様々な手段を講じることができます。弁護士や専門機関に相談するなど、より有利な戦略的に、問題に取り組みやすくなります。
しかしながら、不倫の賠償は意外に軽いともいえます。まず裁判所で認められている慰謝料は数十万~五百万円程度とされ、相場は百万~二百万円程度です。また、たとえ離婚となったとしても、さらに百万円程度の“離婚慰謝料”の請求ができるぐらいで、財産分与には影響を及ぼしません。そして子どもがいる場合も、養育費や親権に不倫は関係ないため、残念ながら、不倫の被害者が離婚においても不利益を被ることも十分に考えられます。
そこで、それらの客観的な事実や現実と、自分の素直な感情を照らし合わせて、現状の最適解を導き出してください。その結果、例えば、条件付きで許して婚姻関係を再構築する、最大限の慰謝料を請求して離婚するなども可能ですが、どうしても許せないが社会的な損失もできるだけ避けたいのであれば、別居して養育費以上の婚姻費用を有責配偶者に支払わせることも一案です。
ただし、一意見ではありますが、たとえあなたに原因がなく被害者であっても、ある程度落ち着けるようになったり、とりあえずであったとしても今後の生活を思い描いて実行できるようになったりしたのであれば、それ以上の他責感情や他罰感情を引きずらないことを、あなたのためにこそオススメします。
生活の根幹をなす家庭の事情で、いつまでも誰かを責め続けることは、心身をむしばみ、人生の根幹ともいえる生活を不安定にします。そのため、「自分の心に素直になって意見は尊重する。しかし他責感情や他罰感情を引きずらない状況」に、自身を落ち着かせられるように行動してみるという視点で、これからの生活をどうするべきかを考えてみてもよいように思います。
不倫“の前”にどうするべきか?
ここまで、不倫がバレたらどうするべきかをみてきました。しかしながら大前提として、不倫はバレることが問題なのではありません。そもそも、不倫をしなければ誰かを傷つけたり、誰かが傷ついたり、誰かと傷つけ合ったりすることもないのです。つまり、“不倫をすることが問題”だといえます。婚姻関係において、当事者はあくまでも二人です。人間関係の最小単位である二人で行う契約において、一方が嫌悪するような根本的な関係を揺るがす行為をすること自体が、想像力の欠如かつ思いやりのない浅はかな行為であり、社会的信頼を損なう行為といえます。
また、どうしても婚姻相手以外と不貞行為に抵触することがしたいのであれば、離婚が禁止されていない日本においては、離婚してから行うという方法もあります。それらの手続きを踏まないということは、横着かつ不誠実な人物であるといえます。
本質的にはたった二人しか当事者がいない婚姻関係。不倫がバレたたときのことを考えるよりもその前に、よりよい婚姻関係を構築することにこそ、どうするべきかと考えを出し合うことが肝要ではないでしょうか。
<参考文献・参考サイト>
・「不貞」『世界大百科事典』(平凡社)
・民法 | e-Gov法令検索
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
・『ライフステージと法(第8版)』(副田隆重・浜村彰・棚村政行・武田万里子著、有斐閣)
・「職場で役立つ「法律」-大事典」『プレジデント』(2019年6月17日号、プレジデント社)
・「不貞」『世界大百科事典』(平凡社)
・民法 | e-Gov法令検索
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
・『ライフステージと法(第8版)』(副田隆重・浜村彰・棚村政行・武田万里子著、有斐閣)
・「職場で役立つ「法律」-大事典」『プレジデント』(2019年6月17日号、プレジデント社)
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