社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
実は「毒性」のある食べ物
フグの肝や毒キノコなど、人間が食べると中毒を引き起こすものがあります。これらは「天然毒素」あるいは「自然毒」というもので、最悪の場合、死をもたらすことも……。
フグやキノコのほかにも、実は私たちが日常的に食べる食品の中にも「毒性」のある食べ物があります。今回は生活するうえで是非知っておきたい、身近に潜む「毒のある食べ物」をご紹介します!
もっとも身近な毒としてよく知られるジャガイモの芽には、ソラニンやチャコニンという毒があり、多量摂取すると嘔吐や腹痛、頭痛やめまい、けいれんといった症状を引き起こします。
農林水産省によると、ソラニンやチャコニンはジャガイモの可食部100gあたり平均7.5mg(皮周辺に集中)含まれており、体重が50kgの人だとソラニンやチャコニンを50 mg(ジャガイモ6~7個分)摂取すると中毒症状が現れ、150mg~300mg摂取すると死亡する可能性があるとしています。
ソラニンやチャコニンは表面の芽だけでなく、その芽の根元にも含まれています。また光が当たって緑色になったジャガイモの皮にも多く含まれています。調理の際に適切に処理すれば問題ないものの、十分に気をつけたいところです。
ジャガイモは長期保存できる便利な野菜ですが、芽が出たり変色したりする前にできるだけ早く食べきるようにしましょう。
【バラ科の植物(リンゴ、ビワ、アーモンドなど)の種】
リンゴ、サクランボ、ビワ、アンズ、ウメといったバラ科(特にサクラ目)の果物の種子や未熟な実には、シアン化合物、いわゆる青酸が含まれています。
青酸と聞くとビックリしてしまいますが、含まれる量はごくわずかで、うっかり1~2粒を飲み込んでしまった程度であれば問題ありません。また、エッセンシャルオイルなどに使われるビターアーモンドにもシアン化合物が含まれています(加工の段階で有毒成分は除去されます)が、食用として日本に輸入されることは禁止されています。
なお梅干しや梅酒の材料となる青ウメも、そのまま食べると中毒につながりますが、加工することでシアン化合物が分解されて毒性が弱くなることが分かっています。
ただしウメやビワの種を粉末にし「ビタミンB17」「がんに効く食品」などと謳った商品には要注意です。粉末にすると多量摂取に繋がるので、これらの謳い文句に惑わされないようにしましょう。
【未熟な青いトマト】
家庭菜園で人気のトマトですが、まだ熟していない、青い実のまま食べるのはご用心。もともと青い品種であれば大丈夫ですが、未成熟の青いトマトには、トマチンと呼ばれるジャガイモの芽のソラニンに似た神経性の毒が含まれています。
中毒となるトマチンの摂取量は25g。青いトマト150kg分だといわれており、通常食べる分であればほとんど害はなく、健康に影響はないといわれています。そのため、育てたものの熟さず青いままのトマトを有効活用したレシピなども数多く発信されています。
とはいえ「家庭菜園でできた未熟な青いトマトを5個食べたら、その後意識がもうろうとした」などというブログ記事もありましたので、未熟なトマトはできるだけ避けたほうが無難でしょう。
また実だけではなく、花や葉、茎にも同じ毒が含まれています。こちらは実よりも多くトマチンが含まれていますので、うっかり口にしないように注意してください。
【ハチミツ】
健康食品でも注目されているハチミツですが、ピロリジジンアルカロイドという天然毒素を含む植物から集められたハチミツに同様の毒が含まれている場合があります。とはいえ日本で売られているハチミツに含まれるピロリジジンアルカロイドはごく微量で、現在健康被害の報告はなく、またその懸念もないとされています。
しかしピロリジジンアルカロイドよりも気をつけたいのが、ボツリヌス菌です。大人であればボツリヌス菌が体内に入っても腸内で菌は死滅しますが、腸内環境が整っていない1歳未満の乳幼児はボツリヌス菌の毒素により「乳児ボツリヌス症」という病気を発症するリスクがあります。ボツリヌス症は便秘や全身の筋力の低下を招き、最悪死に至るケースも。そのため、乳幼児にはハチミツを決して与えてはいけません。ハチミツ入りの飲み物やお菓子にも気をつけましょう。
一見大丈夫そうでも、見た目だけで判断がつかない場合や、ハチミツのように大人が問題なくても抵抗力の弱い子どもにとっては毒となる場合もあります。
農林水産省や厚生労働省、消費者庁でも、自然毒のある食べ物や野草、キノコなどを紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
フグやキノコのほかにも、実は私たちが日常的に食べる食品の中にも「毒性」のある食べ物があります。今回は生活するうえで是非知っておきたい、身近に潜む「毒のある食べ物」をご紹介します!
意外なアレも!気をつけたい毒のある食べ物
【ジャガイモの芽】もっとも身近な毒としてよく知られるジャガイモの芽には、ソラニンやチャコニンという毒があり、多量摂取すると嘔吐や腹痛、頭痛やめまい、けいれんといった症状を引き起こします。
農林水産省によると、ソラニンやチャコニンはジャガイモの可食部100gあたり平均7.5mg(皮周辺に集中)含まれており、体重が50kgの人だとソラニンやチャコニンを50 mg(ジャガイモ6~7個分)摂取すると中毒症状が現れ、150mg~300mg摂取すると死亡する可能性があるとしています。
ソラニンやチャコニンは表面の芽だけでなく、その芽の根元にも含まれています。また光が当たって緑色になったジャガイモの皮にも多く含まれています。調理の際に適切に処理すれば問題ないものの、十分に気をつけたいところです。
ジャガイモは長期保存できる便利な野菜ですが、芽が出たり変色したりする前にできるだけ早く食べきるようにしましょう。
【バラ科の植物(リンゴ、ビワ、アーモンドなど)の種】
リンゴ、サクランボ、ビワ、アンズ、ウメといったバラ科(特にサクラ目)の果物の種子や未熟な実には、シアン化合物、いわゆる青酸が含まれています。
青酸と聞くとビックリしてしまいますが、含まれる量はごくわずかで、うっかり1~2粒を飲み込んでしまった程度であれば問題ありません。また、エッセンシャルオイルなどに使われるビターアーモンドにもシアン化合物が含まれています(加工の段階で有毒成分は除去されます)が、食用として日本に輸入されることは禁止されています。
なお梅干しや梅酒の材料となる青ウメも、そのまま食べると中毒につながりますが、加工することでシアン化合物が分解されて毒性が弱くなることが分かっています。
ただしウメやビワの種を粉末にし「ビタミンB17」「がんに効く食品」などと謳った商品には要注意です。粉末にすると多量摂取に繋がるので、これらの謳い文句に惑わされないようにしましょう。
【未熟な青いトマト】
家庭菜園で人気のトマトですが、まだ熟していない、青い実のまま食べるのはご用心。もともと青い品種であれば大丈夫ですが、未成熟の青いトマトには、トマチンと呼ばれるジャガイモの芽のソラニンに似た神経性の毒が含まれています。
中毒となるトマチンの摂取量は25g。青いトマト150kg分だといわれており、通常食べる分であればほとんど害はなく、健康に影響はないといわれています。そのため、育てたものの熟さず青いままのトマトを有効活用したレシピなども数多く発信されています。
とはいえ「家庭菜園でできた未熟な青いトマトを5個食べたら、その後意識がもうろうとした」などというブログ記事もありましたので、未熟なトマトはできるだけ避けたほうが無難でしょう。
また実だけではなく、花や葉、茎にも同じ毒が含まれています。こちらは実よりも多くトマチンが含まれていますので、うっかり口にしないように注意してください。
【ハチミツ】
健康食品でも注目されているハチミツですが、ピロリジジンアルカロイドという天然毒素を含む植物から集められたハチミツに同様の毒が含まれている場合があります。とはいえ日本で売られているハチミツに含まれるピロリジジンアルカロイドはごく微量で、現在健康被害の報告はなく、またその懸念もないとされています。
しかしピロリジジンアルカロイドよりも気をつけたいのが、ボツリヌス菌です。大人であればボツリヌス菌が体内に入っても腸内で菌は死滅しますが、腸内環境が整っていない1歳未満の乳幼児はボツリヌス菌の毒素により「乳児ボツリヌス症」という病気を発症するリスクがあります。ボツリヌス症は便秘や全身の筋力の低下を招き、最悪死に至るケースも。そのため、乳幼児にはハチミツを決して与えてはいけません。ハチミツ入りの飲み物やお菓子にも気をつけましょう。
転ばぬ先の杖。毒性のある食べ物を把握しておこう
以上、毒性のある食べ物で、生活上特に注意すべきものをご紹介しました。一見大丈夫そうでも、見た目だけで判断がつかない場合や、ハチミツのように大人が問題なくても抵抗力の弱い子どもにとっては毒となる場合もあります。
農林水産省や厚生労働省、消費者庁でも、自然毒のある食べ物や野草、キノコなどを紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
<参考サイト>
安全で健やかな食生活を送るために│農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/fs/index.html
食品│厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/
食品安全に関する情報│消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/food_safety_portal/
知識があればこわくない!天然毒素│農林水産省https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin.html
ハチミツによる乳児のボツリヌス症│消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/food_safety_portal/topics/topics_001/
安全で健やかな食生活を送るために│農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/fs/index.html
食品│厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/
食品安全に関する情報│消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/food_safety_portal/
知識があればこわくない!天然毒素│農林水産省https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin.html
ハチミツによる乳児のボツリヌス症│消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/food_safety_portal/topics/topics_001/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
運動では減らないコレステロール…食生活の見直しで対策を
健診結果から考える健康管理・新5カ条(5)コレステロールは運動では減らない
コレステロールは中性脂肪と混同されがちだが、まったく異なる性質の脂(あぶら)である。コレステロールには、消化酵素になるなど3つの使い道があるが、摂り過ぎると運動しても簡単になくならないため、血管の変化を引き起こし...
収録日:2025/01/10
追加日:2025/05/13
「法華経はSFだ!」というナラティブの神秘的体験
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
『法華経』といえば紀元1世紀から3世紀に成立したといわれる大乗仏教の代表的経典である。厳しい修行や哲学的思索を行う出家が中心だった当時のインド仏教に対し、誰もが平等に成仏できると説く『法華経』は画期的なものだった...
収録日:2025/01/27
追加日:2025/05/04
地図で読む「ヨーロッパにおけるパワーの東漸と西進」
地政学入門 ヨーロッパ編(2)地理的条件と東西の攻防
第一次、第二次世界大戦におけるヨーロッパの攻防を地政学の観点から見ると、いったいどのような背景が読み取れるだろうか。アルプスと平野、海といった地理的条件から、ヨーロッパの「西と東」の攻防の歴史を読み解く。そうす...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/05/12
ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
「第二次トランプ政権は、第一次政権とは全く別の政権である」――そう見たほうが良いのだと、柿埜氏は語る。ついつい「第1次は経済重視の政権だった」と考えてしまいがちだが、実は第2次政権では「経済」の優先順位は低いのだと...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/05/10
株式リターンの歴史検証…大きな構造変化の影響を見抜く
株価と歴史…トランプ関税の影響を読む(2)株価リターンの歴史から考える
トランプ関税の影響を、歴史を踏まえつつ分析していく講義。第2話ではいよいよ、アメリカ、ドイツ、香港、日本などの株価の歴史を追いながら検証していく。実は株価の歴史的な動きを把握するためには、「株価」の動きでみるので...
収録日:2025/04/18
追加日:2025/05/02