社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
日本の社員は世界一やる気無し?
タイトルを見て「自分はそんなことない!」と憤慨するか、「まあ確かにそうかも」と思ってしまうか、反応は人それぞれかと思いますが、そんな残念な調査結果が存在します。自己分析ツールとして有名な「ストレングスファインダー」を開発した米ギャラップ社が世界各国で実施した「社員の仕事への熱意度調査」で、日本は「熱意ある社員」がわずか6%でした。経営層からしたら頭を抱えたくなるような数字かと思いますが、細かくひも解いていきましょう。
ただ、6%が高いのか低いのか、日本の数字だけ見てもわかりづらいですよね。諸外国がどうかと言うと、アメリカはそれぞれ33%、51%、16%。中国は6%、75%、19%。韓国は7%、67%、26%。台湾は7%、70%、23%。東アジアは総じて熱意のある社員の割合が低いという結果でした。また、熱意のある社員の割合が最も高い国はパナマで39%。今回の調査での世界平均は15%でした。この数字から見てもわかるように「熱意がある」のハードルはかなり高いと言えるでしょう。日本では71%を占める「熱意がない」社員は、「普通の社員」と言い換えても差し支えないかもしれません。
とは言え、日本の「熱意がある」割合が世界平均を大きく下回っているのは事実。今回の調査対象となった139の国と地域のうち、日本は132位という結果でした。世界最下位クラス級です。日本を下回るのはブータン(3%)、香港(5%)、イタリア(5%)、パキスタン(5%)。同等の6%だったのは前述の中国とフランス、スペインでした。
日本の労働生産性の低さが課題として話題に上がることがよくありますが、社員の熱意の低さとも相関関係がありそうです。厚生労働省が発表した「令和元年版 労働経済の分析」では、働きがいのスコアが上がれば上がるほど個人の労働生産性に関する認識のスコアも上がり、企業の労働生産性に関してもそれに近い傾向がありました。また、日本の有給取得率や有給取得日数が世界でも最下位級という調査もあり、そうした労働環境が働きがいの低さにつながり、その先に労働生産性の低さが待っている――そうした見方をすることもできそうです。
働き方改革が叫ばれる昨今ですが、数字で見る限りまだまだ働きがいにつながっていないと言わざるを得ません。日本の仕事の現場の課題は山積みのようですね。
「熱意がある」社員はたったの6%
「State of the Global Workplace」というタイトルでギャラップ社のサイトからダウンロードできるこの調査では、社員を「熱意がある」「熱意がない」「会社に反感を持っている」の3種類に分類しており、日本はそれぞれ6%、71%、23%でした。働きアリの法則だと20%がよく働いて、60%は普通に働き、20%は怠ける、というパーセンテージでしたが、単純に数字だけ比べると働きアリよりも怠惰と言えるかもしれません。ただ、6%が高いのか低いのか、日本の数字だけ見てもわかりづらいですよね。諸外国がどうかと言うと、アメリカはそれぞれ33%、51%、16%。中国は6%、75%、19%。韓国は7%、67%、26%。台湾は7%、70%、23%。東アジアは総じて熱意のある社員の割合が低いという結果でした。また、熱意のある社員の割合が最も高い国はパナマで39%。今回の調査での世界平均は15%でした。この数字から見てもわかるように「熱意がある」のハードルはかなり高いと言えるでしょう。日本では71%を占める「熱意がない」社員は、「普通の社員」と言い換えても差し支えないかもしれません。
とは言え、日本の「熱意がある」割合が世界平均を大きく下回っているのは事実。今回の調査対象となった139の国と地域のうち、日本は132位という結果でした。世界最下位クラス級です。日本を下回るのはブータン(3%)、香港(5%)、イタリア(5%)、パキスタン(5%)。同等の6%だったのは前述の中国とフランス、スペインでした。
原因は部下の強みを理解していない上司にあり?
日本の“惨状”について、ジム・クリフトン会長兼最高経営責任者(CEO)が日本経済新聞のインタビューに対し、「(1980~2000年ごろに生まれた)ミレニアル世代とそれ以前の世代で重きを置くポイントが異なっている(ミレニアル世代は自分の成長に重きを置いている)」、「主な原因は上司にあり、改善策は部下の強みが何かを上司が理解すること。無気力な社員の半数は自分に合っていない仕事に就いているため、合った仕事に変えるだけで無気力な社員を半分に減らせる」と答えていました。日本の労働生産性の低さが課題として話題に上がることがよくありますが、社員の熱意の低さとも相関関係がありそうです。厚生労働省が発表した「令和元年版 労働経済の分析」では、働きがいのスコアが上がれば上がるほど個人の労働生産性に関する認識のスコアも上がり、企業の労働生産性に関してもそれに近い傾向がありました。また、日本の有給取得率や有給取得日数が世界でも最下位級という調査もあり、そうした労働環境が働きがいの低さにつながり、その先に労働生産性の低さが待っている――そうした見方をすることもできそうです。
働き方改革が叫ばれる昨今ですが、数字で見る限りまだまだ働きがいにつながっていないと言わざるを得ません。日本の仕事の現場の課題は山積みのようですね。
<参考サイト>
・State of the Global Workplace│ギャラップ
https://www.gallup.com/workplace/238079/state-global-workplace-2017.aspx
・「熱意ある社員」6%のみ 日本132位、米ギャラップ調査│日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO16873820W7A520C1TJ1000/
・令和元年版 労働経済の分析│厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000551611.pdf
・State of the Global Workplace│ギャラップ
https://www.gallup.com/workplace/238079/state-global-workplace-2017.aspx
・「熱意ある社員」6%のみ 日本132位、米ギャラップ調査│日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO16873820W7A520C1TJ1000/
・令和元年版 労働経済の分析│厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000551611.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
正直とは何か――絶対的存在との信頼関係の根幹にあるもの
徳と仏教の人生論(2)和合の至りと正直
『書経』を研究する中で発見した真理について理解を深めていく今回。徳は天をも感動させる力を持ち、真の和合は神を動かす。そして、宇宙は人間のように、また人間も宇宙のように構成されており、その根底には「正直」がある。...
収録日:2025/05/21
追加日:2025/10/25
『2001年宇宙の旅』が現実になる!?カギは宇宙医学
未来を知るための宇宙開発の歴史(14)宇宙開発は未来をどう変えるか
宇宙開発はわれわれ人間の生活のあらゆる分野に密接に関わっている。具体的に何が、どのように、われわれの暮らしを支えてくれているのだろうか。また、そう遠くない未来に多様な目的地に向けて往復する宇宙飛行も実現するかも...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/10/26
台湾クーデター・シミュレーション…「世直し」への条件
編集部ラジオ2025(25)クーデターで考える「政治の要点」
冷戦終結後に減少していた「クーデター」。しかし、2019年以降、再び増えだしているといいます。その背景には、中国やロシアなど「権威主義」の国々とアメリカとの対立、さらに「ワグネル」など民間軍事会社の暗躍などがありま...
収録日:2025/09/29
追加日:2025/10/23
中国でクーデターは起こるのか?その可能性と時期を問う
クーデターの条件~台湾を事例に考える(6)クーデターは「ラストリゾート」か
近年、アフリカで起こったクーデターは、イスラム過激派の台頭だけではその要因を説明できない。ではクーデターはなぜ起こるのか。また、台湾よりも中国のほうがクーデターが起こる可能性はないのか。クーデターは本当に「ラス...
収録日:2025/07/23
追加日:2025/10/18
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
たかが「1」、されど「1」――今、数の意味が理解できない子どもがたくさんいるという。そもそも私たちは、「1」という概念を、いつ、どのように理解していったのか。あらためて考え出すと不思議な、言葉という抽象概念の習得プロ...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/06



