社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2024.10.13

有名なのに何をやっているかわからない会社

 「日清紡~名前は知ってるけど~日清紡~何をやってるかは知らない~」というテレビCMをご覧になったことはないでしょうか。一度聞いたら忘れられないメロディーと歌詞にある通り、世の中には名前はよく聞くけど、実際何をしているのかよくわからない会社が少なくありません。特に、高額年収ランキングにランクインしている会社であるとか、イメージに特化したテレビCMで知られた企業などです。

 今回はそうした「名前は知ってるけど~何をやってるかは知らない~」といった会社の事業内容を調べてみました。

日清紡:何をやってるかは知らない~というCMで知ってるけど…

 日清紡は、東京に本社を置き、主要事業を会社分割しているホールディングスカンパニーです。事業領域は、エレクトロニクス事業、ブレーキ事業、精密機器事業、化学品事業、繊維事業の5分野を軸とした企業になります。「紡」という文字から連想できるように、1900年代初頭に綿紡績からの創業です。2000年代中盤以降、日本無線グループを傘下におさめ無線・通信技術製品を中心としたエレクトロニクス事業、世界トップのシェアを誇る自動車用ブレーキ摩擦材事業が主要な収益源となっています。

オリックス:球団を持ってるのは知ってるけど…

 オリックス株式会社は、大阪と東京に本社を置く、日本最大手の総合リース企業です。1960年代、日本におけるリース産業の将来性を見越した商社と銀行によって設立されました。リース業を皮切りに、不動産、銀行、クレジット、ベンチャーキャピタルまで事業を拡大し、プロ野球球団(オリックス・バファローズ)など様々な事業を手掛けるようになりました。グループを通して、日本における多角的金融サービス業の一翼を担っているといってよいでしょう。

キーエンス:年収ランキングで毎回上位にいるけど…

 キーエンスは、大阪に本社を置く、自動制御機器、計測機器、情報機器、光学顕微鏡・電子顕微鏡などの開発および製造販売を軸とした企業になります。創業は、1970年代。印象に残る社名は、設立時の「リード電機」という社名を、1980年代、創業者で現名誉会長の滝崎武光が、"Key of Science" に由来する「キーエンス」(KEYENCE) に変更したこととして知られています。海外売り上げ比率は50%を超え、世界44カ国・200拠点で事業を展開しており、国際的によく知られた企業といってよいでしょう。

アイリスオーヤマ:スポンサーで名前は良く見るが…

 アイリスオーヤマ株式会社は、宮城県に本社をおき、生活用品の企画、製造、販売を行う企業です。創業はプラスチック製の養殖用ブイや育苗箱を製造する町工場からスタート。家庭用プラスチック業界における国内最大手として業績をあげつつ,2010年代より、家電部門を拡大。大手家電メーカーをリストラされた優秀な技術者を大量に採用し、自社の持つアイデアと採用した技術者のノウハウをミックスし、ユニークで値頃感のある製品を世に送り出しています。仙台に本拠を置くプロスポーツチームのスポンサーとして、2004年よりベガルタ仙台、2008年からは東北楽天ゴールデンイーグルスと、ユニフォームに企業ロゴを入れていることから、一般的にも周知されるようになっています。

 いかがでしたか。知れば納得、でも、「名前は知ってるけど~何をやってるかは知らない~」といった会社は、まだまだあります。気になるほどに会社名が知られているようになるまでには、それなりの履歴や業績に基づいていることがよくわかります。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質

深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質

中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景

チベット、内モンゴル、新疆ウイグルなど、少数民族に対する深刻な人権侵害をめぐって欧米諸国から強い批判を浴びている中国。しかし、こうした人権問題は今に始まったことではない。中華人民共和国建国の経緯と中国共産党の思...
収録日:2021/10/15
追加日:2021/12/24
橋爪大三郎
社会学者 東京科学大学名誉教授 大学院大学至善館教授
2

なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために

なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために

エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如

現代社会にとって空海の思想がいかに重要か。AIが仕事の仕組みを変え、超高齢社会が医療の仕組みを変え、高度化する情報・通信ネットワークが生活の仕組みを変えたが、それらによって急激な変化を遂げた現代社会に将来不安が増...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/12
3

ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害

ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害

内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害

高度成長のために頑張った日本は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の評価を得たが、その後の日本企業の凋落、競争力の低下を考えると、その弊害を感じずにはおられない。読書人口が減っている現状をみると、いつのまにか「世界...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/12/01
4

ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係

ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係

熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か

お酒やコーヒーなど世の中には睡眠に良くないのではないかといわれるものがある。また、現代においては特に、スマホの「ブルーライト」が睡眠には大敵だといわれているが、それらは本当に悪者なのか。一般に良い睡眠を妨げると...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/11/30
西野精治
スタンフォード大学医学部精神科教授
5

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授