テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2021.08.11

不倫はどこから?定義はあるのか?

 「あの2人は不倫している」「夫の浮気癖が治らない」など、何気なく使っている「不倫」と「浮気」という言葉。ほぼ同意ではありますが、婚外恋愛または既婚者と関係がある場合は「不倫」と呼ばれ、単なる浮気よりももっと非難される対象となることも。他人事のようでいて、実は誰にでも身近に起こる可能性のある「不倫」について、その定義や浮気との境界線を改めて確認しましょう。

既婚者に「浮気」はない?「不倫」の定義とは

 まず「不倫」とは、既婚者が配偶者以外の異性と関係を持つことです。あるいは本人が独身でも、恋愛相手が既婚者であれば同じく「不倫」と定義されます。ちなみに男女ともに結婚しているパターンが、W不倫です。

 例えば、つい出来心で1、2回の肉体関係を持ってしまった既婚男性が「あれは続いてないし事故みたいなもので、ちょっとした浮気だよ」と主張したとしても、それはまぎれもない「不倫」。また独身女性が「家庭を壊す気はないしお互い本気じゃないし、ちょっと遊んだだけ」と言っても側から見ればこちらも「不倫」。「浮気」は、独身同士の男女間のみでしか使えない言葉なのです。

不倫は不貞行為、「魔が差した」は通用しません

 また不倫は離婚の大きな原因となることも多く、法的に「不貞行為」と認定されれば離婚の訴訟請求だけではなく慰謝料請求される事案です。ここで言う不貞行為は、ズバリ「婚姻関係がありながら、別の異性と肉体関係があること」。たった一度の成り行き任せの過ちであったとしても、配偶者に決定的な証拠を握られれば不貞行為があったとみなされる可能性は高いです。

 また、キスや手を繋ぐ、抱きしめるなどの濃厚接触では不貞行為とまでは認められませんが、継続的であったり、やめてと伝えても改善しないなど、それによって精神的なダメージを受けた配偶者から慰謝料請求されるケースも。その場合、不倫した配偶者とその相手、どちらにも慰謝料を求められることになります。

世間の妻や夫が「不倫かも」と思うラインはここ

 法的に不倫という不貞行為と認定されなければセーフ、と思った人もいるかもしれませんが、される側によっては「不倫かも」と感じる行為にも注意しなければなりません。それが度重なれば配偶者は精神的な苦痛を負うわけですから、そこを主張されればセーフから一転、アウトになるリスクも。その許されざるラインについて世間の意見も聞いてみました。

【特定の相手と密に会ったり、連絡を取り合っている】
 「夫が学生時代からの親友女性と15年近く定期的に会い、ラインで悩み相談などを頻繁にやり取り。肉体関係はないと言っているが、精神的には不倫されている気分」、「妻が仕事でお世話になっている男性と、仕事に繋がるからとしょっちゅう飲みに行く。呼び出されれば行く彼女のようで怪しい」。

【配偶者に内緒で、異性とデートや食事をしている】
 「会社の飲み会と言いつつ、女の子達から今日もごちそうさま的にラインがよく来ています。嘘をついてる時点で夫に下心があるし不倫していない保証はない」、「男性と会ったのがバレると妻は”ご飯食べただけじゃん”と言いますが、全ての恋愛や不倫はそこから始まる気がする」。

【親密なスキンシップがムダに多い】
 「夫の趣味のサークルのイベント写真をSNSで見たら、腕を絡めたり肩に頭を乗せ甘えている女性が。数枚同じようなのがあり夫もまんざらではない様子から、これは関係あるなと疑っている」、「夫の経営する飲食店に行ったら、女性常連客が夫にベタベタ。お客さんだからと夫は言うが、触り方って関係性が出るので不倫しているかも」。

【男女混合の旅行や、急な外泊】
「仕事トラブルで会社に泊まった夫は、翌日は意外とこざっぱりしていて徹夜感なし。急な外泊は不倫の可能性高しです」、「今まで同窓会に行ったことがなかった妻が、同窓会旅行で温泉へ行くと言い出したのが怪しいと思ったことがある」。

 浮気心ではなく「不倫かも」と思われる行為には、以下のような共通点が。
・配偶者に嘘を吐いたり、秘密がある
・不特定多数にチャラチャラするのではなく、特定の相手と仲が良い
・一方的ではなく、双方向の想いが見える

 素敵な人だな、なんだか気になる、そんなレベルの片思い程度の好意を一方的に持っているのであれば浮気とまではカウントされませんが、その気持ちを相手に伝えたり、あわよくばとデートに誘ったり2人きりになろうと行動を起こしたのなら「浮気」、そして最終的に肉体関係に陥ったのであれば「不倫」です。

 世論は不倫に厳しいですが、「自分は不倫している」と認めるのを躊躇する人は意外とおり、ちょっとした出来心、遊びだった、本気ではない、単なる気の迷い、など自分は「浮気」程度だと思いたい人も多いのでは。それは「不倫」と言う言葉の重さが分かっているからこその逃げだということを自覚して、離婚や裁判などの最悪の事態になる前に不倫関係を清算することをお勧めします。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

なぜ『ホトトギス』に注目?江藤淳の「リアリズムの源流」

なぜ『ホトトギス』に注目?江藤淳の「リアリズムの源流」

AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(2)江藤淳の「リアリズムの源流」

文芸評論を再考するに当たり、江藤淳氏の「リアリズムの源流」を振り返ってみる。一般的に日本で近代小説が始まった起源は坪内逍遥だといわれるが、江藤氏はそれに疑問を呈す。そして注目したのが、夏目漱石の「坊ちゃん」であ...
収録日:2025/04/10
追加日:2025/07/02
與那覇潤
評論家
2

ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係

ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係

地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ

国際政治の戦略を考える上で今やかかせない地政学の視座。今回のシリーズではヨーロッパに焦点を当て、地政学の観点から情勢分析をする。第1話目では、まず地政学の要点をおさらいし、常に揺れ動いてきた「ヨーロッパ」という領...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/05/05
小原雅博
東京大学名誉教授
3

アジア的成熟国家モデルづくりへ、日本が目指すべき道とは

アジア的成熟国家モデルづくりへ、日本が目指すべき道とは

日本の財政と金融問題の現状(4)日本が目指すべき成熟国家への道

機関投資家や経営者の生の声から日本の金融市場の問題点を見ていくと、リスクマネーを供給するための市場づくりや人材育成等の課題が浮き彫りになる。良質なスタートアップ企業を育てるにはどうすればいいのか。今こそアジア的...
収録日:2025/04/13
追加日:2025/07/01
木下康司
元財務事務次官
4

「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?

「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?

キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(1)「イエス」とは一体誰なのか

キリスト教とは何か。「文明の衝突」が世界中で現実化する中、この問題は日本人にとっても重要なものになっている。上智大学神学部教授・竹内修一氏は、「キリスト教とは何か」という問いは、同時に「イエスとは誰なのか」も意...
収録日:2016/12/26
追加日:2017/02/28
竹内修一
上智大学神学部教授
5

最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか

最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか

第2次トランプ政権の危険性と本質(8)反エリート主義と最悪のシナリオ

反エリート主義を基本線とするトランプ大統領は、金融政策の要であるFRBですらも敵対視し、圧力をかけている。このまま専門家軽視による経済政策が進めば、コロナ禍に匹敵する経済ショックが世界的に起こる可能性がある。最終話...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/06/28
柿埜真吾
経済学者