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DATE/ 2021.08.25

「ワークマン」が急成長した理由

 WORKMAN ワークマンはご存じでしょうか。プロ用の作業服を起点に、カジュアルウェアにも取扱品を広げて急成長を遂げ、店舗数では国内でユニクロを上回る約900店を展開。日経BP社のブランド・ジャパン2021においては、2020年151位からの2021年23位の躍進。結果、「総合力」上昇ランキング1位にランクインしました。今回はその理由にせまりたいと思います。

低価格で高機能戦略

 機能性から評価されてきたプロ用の作業服の品質を、カジュアルウェアに持ち込んだこと、しかも安価でデザインもよいことが最大の評価ポイントになりそうです。

 「プロに認めてもらえる高機能を備えていれば、一般の方からの商品への信頼も高まると考えています」

 このように、カジュアル路線に転換する決断をした小浜英之社長への毎日新聞のインタビューに成功のエッセンスがありました。

 具体的な例としては、介護職の「ポロシャツを着たまま風呂場で水仕事をできないか」といった声を受けて開発した商品を、水をはじくポロシャツ(980円)としてカジュアルウェアに仕立て、「泥遊びや食事の際の汚れを気にせず使える」と子育て層に好評を得ることができたとのことです。

成長の背景

 ワークマン成長の裏方として三井物産で30年以上勤めあげて経営に参画した土屋哲雄専務の方針も見逃せません。

 ダイヤモンド・チェーンストア誌の記事によると、「作業着市場はいずれ飽和する。ワークマン1000店舗で、1000億円市場をとりつくすことになる。さらなる成長のためには、第2のブルーオーシャンを探し当てねばならない」という土屋氏の考えのもと、打ち出された「データ経営」と「しない経営」という2つの方針です。

 特徴的なのは、「データ経営」に関連する「善意型サプライチェーン」です。加盟店ごとの仕入れ数量は本部が決めるというもので、仕入数や発注数は「仕入れる側」が決める通常の在り方とは真逆の方法になります。データによる需要予測に基づく適正な数量をベンダーの善意に任せて運営する方式です。

過去最高となる決算 増収増益

 2021年3月までの1年間の決算は、売上げとしての営業総収入は前の年の同じ時期より14.6%多い1058億円、最終的な利益は27.5%多い170億円。いずれも増収増益となり過去最高値となっています。

 大胆な経営戦略をベースに、女性をターゲットにした店舗「#ワークマン女子」、コロナ禍で拡大した屋外レジャー人気から、作業着で培ったノウハウを生かした、カジュアルな衣料品の販売が市場に大きくアピールすることになりました。今後の動向にも注目です。

<参考サイト>
カジュアル路線にかじを切るワークマン 狙うは高コスパ覇権│毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20210531/k00/00m/020/042000c
ワークマンはなぜ、2倍売れたのか?3つのアマゾン対策とは 土屋哲雄専務が語る!│DCS
https://diamond-rm.net/management/70979/
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