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DATE/ 2021.09.13

道路の上り・下りはどのように決まるのか?

 道路や鉄道には「上り」と「下り」があります。なんとなく東京方面に向かうものが「上り」、それ以外が「下り」といったイメージを持っているひとは多いのではないでしょうか。おおよそこの感覚は完全に間違いというわけではないようですが、正確には別のルールで運用されているようです。ここでは道路や鉄道の「上り」と「下り」について、その定義や考え方をみてみましょう。

「起点」と「終点」で「上り」「下り」が決まる

 国土交通省のサイトでは、「国道の始まりの地点を「起点」、終わりの地点を「終点」とし、「上り」は起点に向かっていくこと、「下り」はその逆の終点に向かっていくこと」と記載されています。つまり、「上り」「下り」は道路の起点と終点によって決まるということのようです。ただし大正時代の国道は「東京市より○○府県庁所在地○○に達する路線」とされていたことから、当時の全ての起点は東京(日本橋につくられた道路元標)であった」とのこと。つまり、大正時代までは「上り」の向かう場所は東京の日本橋だったことがわかります。

 では「起点」と「終点」はどのようにして決められるのでしょうか。国土交通省のサイトには、「重要都市、人口10万以上の市、特定重要港湾、重要な飛行場または国際観光上重要な地などが「起点」に該当し、それらと連絡する高速自動車国道または道路法第5条第1項第1号に規定する国道が「終点」となるのが一般的」と記載されています。つまり、一般的には人口の多いその地域の中心都市や大きな港湾や飛行場、大きな観光施設といったところが「起点」になるということです。こう見ると、現代では必ずしも東京方面だけが「上り」ではないことが分かります。たとえば、中部横断道の起点は静岡市なので、静岡市に向かう道路が「上り」となり、九州自動車道も同様に北九州市が起点です。

上下線を見分ける鍵は「キロポスト」

 では実際に走っている状況で「上り」「下り」はどうやって見分ければ良いのでしょうか。ポイントは「キロポスト」です。高速道路の路肩や中央分離帯にある数字が書かれた標識、これが「キロポスト」です。ここに書かれた数字はその高速道路の「起点」からの距離(キロメートル)を示しています。本線では0.1km間隔で設置されており、この数字が小さくなっていけば「起点」に近づいている、つまり、「上り」を走っていることを意味します。逆に数字が大きくなっていけば、「下り」を進んでいます。

 ただし、東名高速と繋がっている名神高速の「キロポスト」は名神高速の「起点」である小牧市ではなく、東名高速の「起点」である東京IC(東京都世田谷区)からの距離を表しています。このあたり、少しややこしいです。また、「キロポスト」は事故といったなにか問題があった時にその場所がどこかを伝える目印の役割も果たしています。

鉄道でも「起点」と「終点」が基本

 では鉄道ではどうなのでしょうか。基本的には道路と同様、東京方面が「上り」、逆が「下り」となっている場合が多いようです。わかりやすいところでは新幹線では東京方面が「上り」、逆は「下り」です。ただしこの場合も道路同様、東京行きかどうかということではなく「起点」と「終点」を元に考えられており、この「起点」が東京である場合が多いということです。ただし実際の運用上これに沿わない例外もあるようです。

 たとえば、東京都と愛知県を結ぶJR中央本線の「終点」は名古屋駅です。しかし途中、長野県塩尻市の塩尻駅では、名古屋行きも東京行きも「上り」として運行されているとのこと。地図を見ると長野県塩尻市は名古屋と東京のちょうど中間地点です。実際の感覚に合わせた運用と考えていいかもしれません。

<参考サイト>
国道の上りと下りの定義、起点と終点の考え方を教えてください|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/road/soudan/soudan_01a_03.html
すべてが「東京起点」じゃない! 高速道路の「上り」「下り」の定義とは|WEB CARTOP
https://www.webcartop.jp/2021/02/655004/
鉄道の「上り」「下り」って何ですか?|日本民営鉄道協会
https://www.mintetsu.or.jp/knowledge/faq/17.html

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